原題:Lassie

あなたの笑顔が恋しくて800キロ 大好きだから、必ず帰る。

2005年12月16日イギリス公開

2005年/アイルランド、イギリス、フランス/カラー/100分/ドルビーデジタル/ 配給:松竹

2010年07月25日よりDVDリリース 2007年05月25日よりDVDリリース 2007年12月23日、東劇・池袋シネマサンシャイン他全国公開予定

公開初日 2006/12/23

配給会社名 0003

解説


不朽の名作の原点へ
少年と犬の友情を描いたロングセラー小説のオリジナルストーリーを映画化!

1940年にイギリスで出版され、たちまちベストセラーとなった小説「名犬ラッシー」。エリザベス・テイラーが子役で出演した、43年の初映画化作品(『名犬ラッシー/家路』)の大ヒットをきっかけに、映画、TVドラマ、アニメーションなどでいくどとなく映像化されてきました。賢くけなげで優美な姿のコリー犬ラッシーは、たちまち人気者となり、”世界一有名な犬”として時代を超えて今も世界中で愛され続けています。日本でも誰もが知っている、少年と犬の心の絆を描いたこの不朽の名作が、再び実写映画となってスクリーンによみがえります。

今回の映画化は、原作にオリジナルのエピソードを付け加えたり、舞台や設定を変えたアメリカのTVシリーズなどとは、少し趣が違っていて、原作者エリック・ナイトがイギリスを舞台に描いた世界観を、できるだけ忠実に再現しているのです。争いごとや暗いニュースが多いこんな世の中だからこそ、もう一度、正統派『名犬ラッシー』に出逢って、感動の原点に帰ってほしい、本作は、そんな製作者たちの願いから誕生しました。

遠く離れたスコットランドから、故郷ヨークシャーまで800キロ、ラッシーは走る。
もう一度、大好きなジョーに逢うために・・・

イギリスのヨークシャーにある小さな炭鉱街に両親と暮らす9歳の少年ジョーには、大切な”親友”がいました。白と茶色の鮮やかな毛並みが美しいコリー犬”ラッシー”です。毎日、学校が終わる時間になると、校門でジョーを待つラッシー。しかし、ジョーの父親が働く炭鉱が閉鎖し、生活に困った両親がラッシーを裕福なラドリング公爵に売ってしまったことで、一人と一匹は離ればなれになってしまいます。何度も脱走しては戻ってくるラッシーを、身を引き裂かれる想いで公爵に返すジョー。やがてラッシーは遠く離れたスコットランドの城へと連れて行かれてしまいます。それでも、ラッシーは諦めません。彼女に同情した公爵の孫娘シーラの助けを得て、遂に城からの脱出に成功し、故郷を目指してひた走るのです。

果たしてラッシーは、大好きなジョーにもう一度逢うことができるのでしょうか?

名作に品格を与えたイギリスの実力派俳優と、
新たな生命を吹き込んだ子役、 そして犬たちの名演技

ラッシーと強い絆で結ばれる9歳の少年ジョー役には、何百人ものオーディションから選ばれた、ジョナサン・メイソン。これが長編映画初出演とは思えない確かな演技力を見せています。ジョーを取り巻く大人たちには、イギリスの実力派俳優たちが顔を揃えました。ラッシーを買い受けるラドリング公爵には、『アラビアのロレンス』でアカデミー賞を受賞した名優ピーター・オトゥール。口は悪いが、心根はやさしい公爵を威風堂々と演じ、作品に品格を与えています。ジョーの母親サラには『ギター弾きの恋』『イン・アメリカ/三つの小さな願いごと』で2度アカデミー賞にノミネートされた演技派サマンサ・モートン。また、観る者の心に残るのは、犬たちが見せてくれる名演技の数々です。ラッシーはもちろん、近所の友達犬クリケットや、旅芸人の相棒トゥーツらの愛らしい姿が忘れられません。

監督は、舞台演出でも活躍している『フェアリーテイル』のチャールズ・スターリッジ。脚本も手がけています。

アイルランド、マン島、スコットランド・・・
イギリスの大自然の中で撮影された感動の物語

本作のもう一つの見どころは、ラッシーが駆け抜けるイギリスの大自然です。スコットランドから始まるラッシーの旅は、緑豊かな田園風景から始まり、ゴツゴツとした険しい岩山を越え、ネッシーが潜んでいてもおかしくない怪しい色の水面に湖岸線が優雅な曲線を描くネス湖を経て、広大な空の下に続くなだらかな尾根の山々を登っては下り、人々の暮らしの匂いがする街並みへとたどり着きます…。 季節の流れと共に移り変わる自然の美しさと厳しさ、道中触れ合う人々の悪意と優しさ、旅の途中で出逢う幾多の困難を乗り越え、倒れそうになりながらも走り続けるラッシーの姿には、心を揺さぶられずにはいられません。

2006年冬、”ずっと一緒にいたい” 少年とラッシーのただ一つの願いが、再び大きな感動を呼び起こします。

ストーリー

あなたの笑顔が恋しくて800キロ。
大好きだから、必ず帰る。

イギリスのヨークシャーにある小さな炭鉱の街で両親と暮らす9歳の少年ジョー(ジョナサン・メイソン)は、いつも学校の終わる時間を待ち遠しくしていました。大切な“親友”が毎日、校門の前で待ってくれているのです。彼女の名前は“ラッシー”、白と茶色の毛並みが鮮やかで、道行く人が振り返るほど美しいコリー犬です。

ところがその日、校門の前にラッシーの姿はありませんでした。父親のサム(ジョン・リンチ)が働く炭鉱が閉鎖し、生活に困った両親がラッシーを裕福なラドリング公爵(ピーター・オトゥール)に売ってしまったのです。

ラドリング公爵は気難し屋ですが、孫娘のシーラ(ヘスター・オジャース)だけは大層可愛がっていました。ラッシーを手に入れたのも、第二次世界大戦の影響でロンドンから疎開してきたシーラを力づけようと思ったからでした。

両親と離れて寂しい思いをしているシーラは、一目でラッシーも同じ気持ちだと気づきます。囲いの中でしょんぼりしていたラッシーですが、突然地面を掘り始めて、あっという間に脱走しました。ジョーを迎えに行く時間なのです。学校の前でいつものように待っているラッシーの姿を見たジョーは大喜びしますが、公爵の犬舎長ハインズ(スティーヴ・ペンバートン)が連れ戻しに来たために、再び離ればなれになってしまいました。

2度目の脱走を図ったラッシーを、自らの手で公爵に返したジョーは、父の言いつけに従い、ラッシーに別れを宣言します。「ここで幸せになれ。2度と帰ってくるな。お前みたいな悪い子は嫌いだよ」自分の言葉に胸を引き裂かれるジョー。

それでもラッシーは帰ってきました。みたびジョーのもとへ。しかし、無情にも決定的な別れが訪れます。公爵は遠く離れたスコットランドの城にラッシーを連れて行くことにしたのです。母親のサラ(サマンサ・モートン)は、公爵に飼われた方が幸せだと慰めるのですが、ジョーはショックのあまり食事も喉を通りませんでした。

初夏の緑が眩しいスコットランドの城で、ラッシーの規則正しい生活が始まりました。しかし、シーラだけが、ラッシーがまだ帰りたがっていることを知っていました。遠く離れたこの地でも、やはり“ジョーを迎えにいく時間”になると、ラッシーの心は騒ぎます。リードを振りほどこうとするラッシーをズボンのベルトで鞭打つハインズ。ラッシーは、ハインズの手から逃れ、門にたどり着き、そこへちょうど帰ってきたシーラがわざと門を開け、遂にラッシーは城からの大脱走に成功します。

険しい岩山を越え、ニワトリ泥棒に間違えられて銃を向けられ、ネス湖の優美な湖岸線を走り、どこまでも続く山々を登っては下り、厳しい大自然の中をひた走るラッシーは、心やさしい道連れと出逢います。人形芝居を子供たちに披露する旅芸人のロウリー(ピーター・ディンクレイジ)と、彼の相棒犬トゥーツです。仲間とのひとときの旅に別れを告げた頃には、厳しい冬がもうすぐそこまで近づいていました。

とうとうラッシーは、懐かしい街へとたどり着きます。自慢の毛並みは泥で汚れ、今にも倒れそうなほど痩せ細っていましたが、最後の力を振り絞ってジョーの家へ向かうラッシー。しかし、部屋の明かりは消えていました。今夜はクリスマス・イヴ。ジョーは母と一緒に教会へ出かけていたのです。

ラッシーの向かうところは、ただ一つ。毎日ジョーを待っていた校門の前で遂に力尽き、ぐったりと横たわるラッシーの体に、音もなく降り積もる雪。遠のく意識の中で、ラッシーは大好きな人が自分の名前を呼ぶ声を聞いていました…。

スタッフ

監督:チャールズ・スターリッジ
製作:フランチェスカ・バッラ
エド・ギニー
チャールズ・スターリッジ
製作総指揮:スティーヴ・クリスチャン
エリック・エレンボーゲン
ルイーズ・グッドシル
ラルフ・カンプ
アンドリュー・ロウ
ダグ・シュワルベ
原作:エリック・ナイト
脚本:チャールズ・スターリッジ
撮影:ハワード・アサートン
プロダクションデザイン:ジョン・ポール・ケリー
衣装デザイン:シャーロット・ウォルター
編集:ピーター・コールソン
アダム・グリーン
音楽:エイドリアン・ジョンストン

キャスト

ピーター・オトゥール
サマンサ・モートン
ジョン・リンチ
スティーヴ・ペンバートン
ジョナサン・メイソン
ジェマ・レッドグレーヴ
ピーター・ディンクレイジ
グレゴール・フィッシャー
エドワード・フォックス
ケリー・マクドナルド
ピーター・ワイト
ジョン・スタンディング

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