原題:Arsène Lupin

第13回フランス映画祭横浜2005正式上映作品::http://www.unifrance.jp/yokohama/

2004年10月13日フランス初公開

2004年/フランス/カラー/132分/SRD・シネマスコープ/ 配給:日本ヘラルド映画

2005年9月17日、テアトルタイムズスクエア、銀座テアトルシネマほか全国ロードショー

公開初日 2005/09/17

配給会社名 0058

解説


若きルパンが、謎を秘めた妖しげな魅力を持つカリオストロ伯爵夫人を助けたことから、莫大なフランス王家の宝石を巡る抗争に巻き込まれていく物語「カリオストロ伯爵夫人」をベースに、ルパンの波乱万丈の生涯を描き、さらに「813」や「奇巌城」などの名場面がスリリングに交錯するくアクション、エモーション、アドベンチャー>3拍子そろったエキサイティングな壮大なスケールの冒険物語が、ついに完成した!フランスで公開するや否や、大ヒットを記録、またたくまにイタリア、アメリカ、韓国でも興奮と熱狂に包まれ、各国でルパンブームが巻き起こっている。

政治的陰謀によって引き裂かれた悲劇的な幼年時代を乗り越え、怪盗紳士として名をあげ、みずからの運命の主人公となっていく。過去の呪縛をふりほどき、数々の試練を果敢に経験する中で、自分の持てる幾多の才能をどう活かすか探っていく。
その才智を邪悪な殺人行為にだけは使うまいと、いかなる手にも乗らずに拒否し続ける紳士的なルパン。恋心、憎しみ、栄誉、裏切り…理性の及びがたい、蜘蛛の糸にも似た複雑な感情に絡めとられても、それを解きほぐすうちに真の自分自身を発見していく。愛、忠誠心という永遠のテーマが、交錯する過去と現在の時問軸の上に描かれていく。ストーリーを追うだけで、ハラハラドキドキの連続で、愉しさがつまっている本作。大人から子供まで、心がくじけ、気が滅入ったとき、ルパンの情熱は、みんなを元気にし、優しさを思い起こさせてくれる。また、怪盗や、変装の名人になりたい願望は、万人の心のなかにあり、万人の夢を紡いでいる人の夢を紡いでいる。

大ヒットした「ルーブルの怪人」で一躍人気監督の仲間入りを果たした新鋭ジャン・ポール・サロメ監督が、挑むのは、「新解釈」だ。ルパン生誕100周年でもあり、ルブランの傑作小説の数々を、現代に甦らせるために作品の新解釈し、作品イメージとして「マイノリティ・リポート」をあげるなど、時代劇にあまんじない大胆な試みが随所に展開されている。

ルパンといえば、「ルパン三世」があまりにも有名な日本。その「じっちゃん」については知らない方も、本作を見て、「三世」と比べてほしい。悪女に弱い、軽妙洒脱なジョークなどユニークな共通点探しも楽しめる。また、宮崎駿監督の不朽の名作「カリオストロの城」が、「カリオストロ伯爵夫人」に敬意を評し、オマージュとして<カリオストロやクラリス>を登場させたことは有名な話しで、いかにルパンシリーズが多くの読者に夢を与え続けているかを物語る。

貴族社会から産業革命ヘヨーロッパの激動の時代を駆け抜けたルパン!

ベルエポックのパリ、国家規模で再現!40歳のモーリス・ルブランがアルセーヌ・ルパンを”創造”したのは1905年。第一次世界大戦を挟んだヨーロッパの古き良き時代<ベル・エポック>の真っ只中にあった。気取ったダンディズムと富豪をからかうアナキズムが受けていた。オスカー・ワイルドがいて、マルセル・プルーストがいた。ようやく自動車・飛行機・映画といった近代機器も登場したばかり。貴族は<アール・デコ>様式の贅を尽くした大邸宅を構え、優雅な社交界を彩っている。近代ヨーロッパが現代へと転換していく激動の時代を、怪盗ルパンは駆け抜けている。大泥棒なのに城館かサロンにしか潜入せず、資本主義の勃興に立ち向かうダンディなアナキストであったところも、ルパンをチャーミングにしている。

当時を再現するため、パリの大胆な模様替えが行われた。かの有名なカフェ・ド・ラペは再びオペラ鑑賞の後に上流社会の人々が集まった頃の姿に復元され、カルティエのブティックは、1世紀前の姿に戻された。ルパンが乗る車やオートバイ、CGで描かれるセーヌ河にかかるポンヌフ建設風景など、総工費2500万ユーロを投入し、1900年代パリがスクリーンによみがえる超大作が完成した!

愛する女性のため.すべてを省みず戦う。ルパンの勇気と情熱に感動!

スービーズ男爵の一人娘クラリスに純愛を捧げる青年アルセーヌ。男爵一味と対立するカリオストロ伯爵夫人の危機を救ったことから、夫人の抗いがたい魅力に負け、恋におちる。夫人への恋慕から、莫大な宝石のありかをめぐる抗争に巻き込まれた。天性の美貌と才知に長けた悪の華、伯爵夫人とは何者か?中世お修道院の共有財産ともいうべき財宝の行方は?鍵を握る3つの十字架を手に入れるべく、ルーヴル美術館に忍び込み、仮面舞踏会でクラリスに曰くつきの宝石「王妃の首飾り」をつけさせ、物議をかもす。抗争の決着の場、カフェ・ド・ラペに夫人が仕掛けた爆発により、夫人はルパンも、十字架も略奪する。はたして、若き日のアルセーヌ・ルパンは財宝の謎をときあかすことができるのか、密かにルパンの子を宿すクラリスヘの思慕はいかに?
ルパンは、美しい宝石、美食、美しい文学、美しい音楽を愛し、そして美しい女性を熱烈に愛します。盗むのは宝石だけではありません、女性の心をも盗んでしまいます。
愛する女性のため、愛する祖国フランスのため、すべてを省みず戦う勇気の持ち主であり、深い情熱を持っています。万人に勇気ややさしさを与えてくれます。

豪華絢燗!カルティエ、「王妃の首飾り」製作協力や歴史的ジュエリーの一部を提供!

本作のもうひとつの主役は最高級のジュエリー、それらはカルティエから提供された。アーカイブジュエリー「カルティエコレクション」から映画のために、王冠からブローチ、ソトワール、ライター、時計にいたるまで。中でも、物語の鍵を握る「王妃の首飾り」は、悲劇の王妃マリー・アントワネットゆかりの品で、チョーカー、ソトワール、ラヴァリエールが見事に組み合わされた歴史的ジュエリー。デッサン画を提供し、それをもとに首飾りのレプリカを製作した。盛大な仮面舞踏会シーンで登場する、貴族らが所有していた高価なガーランドスタイルのジュエリーも提供。中でも伯爵夫人が身に着けたジュエリーは、エメラルド、オニキス、ダイヤモンド、サファイアなどを使った豪華華麗なもので、息をのむ美しさ。

フランスを代表する最高のスタッフ&キャストが結集!

ルパン役に、「イザベル・アジャー二の惑い」「スパニッシュ・アパートメント」といま最も注目の俳優ロマン・デュリス。スタイリッシュで美女に弱い、若かりしルパンという大役をチャーミングに演じ、新解釈の映画にふさわしい瑞々しい新時代のルパン像を作り上げた。ルパンを誘惑するカリオストロ伯爵夫人には、「イングリッシュ・ペイシェント」のクリスティン・スコット・卜一マス。気品と、邪悪さを併せ持つ類まれな美貌は、もっとも恐ろしい武器に見える。ルパンと恋におち、妻となる情熱をうちに秘めた従妹クラリスを演じるのはエヴァ・グリーン。「ドリーマーズ」でベルトルッチ監督に見出され、アルマー二の広告に起用され、巨匠たちのミューズとして君臨している。敵か、味方か、ルパンの父の惨死の鍵を握る謎の男ボーマニャンには、「王妃マルゴ」などパトリス・シェロー秘蔵っ子として確かな演技力で知られるパスカル・グレゴリー。監督は、「ルーブルの怪人」のジャン=ポール・サロメ、衣装は「シラノ・ド・ベルジュラック」でセザール賞受賞のピエール=ジャン・ラロック、編集は、「レオン」でセザール賞ノミネートのシルビー・ランドラ、音楽は「愛しすぎて/詩人の妻」のデビー・ワイズマン、主題歌を歌うのは「ベルヴィル・ランデブー」のMこと、マチュー・シュディッド、美術は「堕ちてゆく女」のフランソワーズ・デュペルテユイ。フランス映画界を代表する才能が結集した。

ストーリー

マリー・アントワネット王妃の首飾りと、謎の惨殺死体

1884年。巧妙な盗人テオフラスト・ルパンを父に、ドルー・スービーズ公爵夫人の妹アンリエット・ダンドレジーを母に持つアルセーヌ・ルパンは、ドルー・スービーズ公爵の城館で、謎めいた絵画やフランス王家から伝わる見事な財宝に囲まれて育った。中でもかつてマリー・アントワネットが所有しており今は公爵夫人の持ち物となっている、宝石のちりばめられた豪奢なネックレスは、魅惑の品だった。この代物を、まだ少年であったルパンは父親の指図で盗み出し、手渡す。父親は相棒と共に夜の闇へと遁走するが、朝になって城館からほど遠くない場所で、なぐり殺されたと思われる身元不明の死体が見つかる。残された証拠一灰色の馬と指輪の印章がアルセーヌと母親を窮地に追い詰め、喪も明けぬまま二人は館を追い出されてしまう。

時は過ぎ、二十歳になったアルセーヌ少年は、ラウール・ダンドレジーの名を名乗り、国の税関吏の姿で登場する。乗船する船はまもなくル・アーブル港に着こうとしていた。到着前に催された上流階級のニュー・イヤーズ・イブの宴は、彼にとって盗みの才を披露する好機となる。金持ちのお偉方からご自慢の宝飾品を盗み出すという大胆なゲーム。しかしその計画は頓挫し、とんだ銃撃戦を招いてしまう。以後、母の死の床へと舞い戻ったアルセーヌだが、ついに母が息をひきとるまで父親の殺害に関する母の秘密を聞くことはなかった。今や孤独なアウトローとなった彼は、幼なじみの従妹であり相思相愛の仲になったクラリスのおかげで法という強力な腕の中で守られる。クラリスのロ添えで青年アルセーヌは、公爵に武術を教える仕事につく。

ある日、アルセーヌは城館で謎解きの鍵となりそうな一通の古い文書を見つける。そして聞き捨てならない会話を耳にし、名士たちの秘密の会合を知る。それは王家の財宝をねらい、フランス王権を主張するオルレアン公爵を王座につけようともくらむ陰謀だった。一方、アルセーヌは不思議な儀式を目撃する。それは一つの十字架がこの地方のいくつかの僧院に隠されている他の十字架のありかを示しており、それぞれがパズルのピースとなっているのだった。謎解きレースの火蓋が切って落とされた。しかし敵は一人ではない。狡狙で謎の多い人物、ボーマニャンもいる。彼はかのカリオストロ伯爵夫人、ジョセフィーヌ・バルサモともかつて内通していたというつわものである。その女性、カリオストロ伯爵夫人が今、囚われの身となって一同の前に連れてこられた。悩ましいほどの美貌と存在感を放つ伯爵夫人も、この策謀家たちの手に落ち、あれこれと難癖をつけられ罪を着せられて死刑の判決を受けてしまう。アルセーヌは一計を案じて夫人を救出。感謝の意を表す夫人…。二人はたちまち恋におちる。

カリオストロ伯爵夫人への恋慕と行動への熱情に駆られて、アルセーヌはクラリスから離れ、宝探しに乗り出す。世紀末を迎え、新世紀を目前にしたパリヘ。十字架の一つを手に入れ、強敵ボーマニャンとの対決でかろうじて死をまぬがれ夫人のもとへと帰り着いたアルセーヌだったが、次第にこの事件の裏で暗躍する夫人の正体が明らかになってくるのだった…

スタッフ

監督:ジャンニポール・サロメ
脚本:ジャン=ポール・サロメ&ローラン・ヴァショー
原作:モーリス・ルブラン「カリオストロ伯爵夫人」ルパンシリーズ
撮影監督:パスカル・ダリオ
音楽:デビーワイズマン
アート・ディレクター:フランソワーズ・デュペルテュイ
衣装:ピエールニジャン・ラロック
編集:シルビー・ランドラ
製作:ステファン・マルスィル

キャスト

(アルセーヌ・ルパン):ロマン・デュリス
(ジョセフィーヌ=カリオストロ伯爵夫人):クリスティン・スコット・トーマス
(ボーマニャン):パスカル・グレゴリー
(クラリス):エヴァ・グリーン

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