原題:SO CLOSE TO PARADISE

◆ルアンの歌 触れるほど近くへ——。

☆1999年カンヌ国際映画祭ある視点部門正式作品 ☆1999年オークランド国際映画祭正式作品 ☆1999年モントリオール国際映画祭正式作品 ☆1999年トロント国際映画祭正式作品

1998年/中国/カラー/ヴィスタサイズ/90分/配給:ビターズ・エンド

2000年12月23日よりキネカ大森にて夢幻ロードショー (初公開:オークランド国際映画祭1999年6月21日公開)

公開初日 2000/12/23

配給会社名 0071

解説

季節が変われば、何かがかわるのか——これはひとりの青年の成長物語。
兄貴分のガオピンと同じ村から、夢を求めて街へ出てきた青年トンツー。
いつも冴えないトンツーだが、ナイトクラブで働くルアンホンと出会って、何かが変わり始めた。誰もが「夢と希望」に胸を膨らませ、未来を見つめる。
しかし運命に翻弄され、成功するものはいつの時代も一握りしかいないのだ。
「断念」を見つめながら、青年トンツーが成長していく姿を、80年代末、急激な中国経済の変化と混迷の中で、鮮烈に描いた作品——それがワン・シャオシュアイの『ルアンの歌』だ。
中国第5世代の監督チェン・カイコー、チャン・イーモウ、ティエン・チュアンチュアン以降の才能ある若手監督の一人、ワン・シャオシュアイ。
彼は今、チャン・ユエン(クレイジー・イングリッシュ)、ツァン・ミン(沈む街)、ジャ・ジャンクー(一瞬の夢)、チャン・ヤン(スパイシー・ラブスープ)らと共に、第6世代の監督として中国映画界で最も注目されている一人だ。
最新作『ルアンの歌』は、彼の長篇3作目にあたり、ティエン・チュアンチュアンが、企画として参加している。

第6世代と呼ばれる監督たちは、市場経済の導入、それにともなう国営スタジオの疲弊、観客の映画離れという厳しい状況の下で映画製作に携わることになった。
しかし彼らはそれを、作品のテイストに娯楽エンターテインメント性やドキュメンタリー性を加味することで、乗り越えようとしている。
そして、文学、演劇と違い中国映画には、厳しい検閲制度があるが、『ルアンの歌』はワン・シャオシュアイにとって、初めて検閲を通った作品でもある。
主演には、70年代生まれの新人2人を起用。ワン・トン(ルアンホン役)、シー・ユー(トンツー役)はそれぞれ、北京電影学院、中央戯劇学院で演技を学び、これからが期待される2人だ。

ストーリー

80年代末の中国、経済の急激な変化によって、多くの人間が富を求めて地方から都市へと出てきている。
トンツー(シー・ユー)とガオピン(グォ・タオ)も同様に、夢を求めて同じ村から街へ出てきていた。
ガオピンは、裏切り者のスーウー(ウー・タオ)に近づくために、ナイトクラブで働くルアンホン(ワン・トン)をトンツーと共に誘拐する。
しかし、ガオピンとルアンホンはそのことをきっかけに恋人同士となってしまい、彼らの行動がトンツーを刺激するようになる。
ルアンホンはガオピンと親しくなればなるほど、彼にスーウーの居場所を教えるのを嫌がっていたが、最後にはスーウーの住所を書き残して、ガオピンの元を去ってしまう。
ガオピンはスーウーを見つけ、ヤクザのボスとも争いを起こして、姿を隠してしまう。やがてトンツーは、以前と同じ場所で働いていたが、警察とヤクザの両方がガオピンを探しているのを見て、彼の身に何かが起こったことを知る。
ある雨の夜、ルアンホンがトンツーの家に現れる。ガオピンと待ち合わせて、街を出ていくつもりだったようだが、結局ガオピンは現れなかった。
その後すぐ、ルアンホンが働くナイトクラブも警察の手入れを受けて、彼女も連行されてしまう。
ガオピンは、トンツーに別れを告げるために、彼の家に寄るが、ヤクザのボスに見つかってしまい、殺されてしまう。
数カ月後、ルアンホンが、トンツーの前に現れた。ガオピンを忘れられずにいる彼女だったが、トンツーが彼女の歌をナイトクラブで録音したテープを聴かせると、彼女の顔にやっと笑みが戻ってくるのであった

スタッフ

監督:ワン・シャオシュアイ
制作:ジャン・ゴング
  リー・シャオジャン
企画:ティエン・チュアンチュアン、リー・ブオ
プロデューサー:ハン・サンピン
撮影:ヤン・タオ
脚本:ワン・シャオシュアイ、パン・ミン
美術:チョン・ガンミン
録音:リー・ウェイ
音楽:リウ・リン
編集:リウ・ファン、ヤン・ホンユ
製作担当:ワン・リエンション、シー・シャン

キャスト

ワン・トン……ルアンホン
シー・ユー……トンツー
グォ・タオ……ガオピン
ウー・タオ……スーウー

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