原題:THE MAGNIFICENT SEVEN

伝説の男たち、本物の七人がいま、帰ってくる!!

1960年10月23日アメリカ公開

1960年/アメリカ/カラー/128分/ 配給:シネカノン

2010年08月04日よりDVDリリース 2007年10月24日よりDVDリリース 2004年12月25日より新宿ジョイシネマ3にて独占ロードショー

公開初日 2004/12/25

配給会社名 0034

解説


伝説の男たち、本物の7人がいま、帰って来る!

アメリカ映画最高のアクション・スター、スティーブ・マックィーンの名を不滅にし、チャールズ・ブロンソン、ジェームズ・コバーン、ロバート・ボーン、ホルスト・ブッフホルツらを世に送り出し、「スターの宝庫」と謳われた傑作西部劇が帰ってきた。
製作から半世紀近くを経て、いつの時代も語り継がれてきた伝説の男たちが再び大画面にその勇姿を現す。日本では1961年5月に初公開され、その年の国内配給収入ナンバーワンを記録する空前の大ヒットとなった。その後、2度リバイバルされ(71年3月、75年4月)、今回は約30年ぶりとなるリバイバル上映である。
物語のべ一スとなっているのは、言わずと知れた黒澤明監督・脚本、橋本忍、小国英雄共同脚本による『七人の侍』(54年、東宝映画)だ。日本が世界に誇る名作の豪快なスピリット、観る者に強く訴えかけるヒューマニズムを、1800年代末期のメキシコの渇いた風土に見事に翻案、置き換えた。
メキシコの寒村イズカトランは、カルベラを首領とする野盗に毎年、収穫した食物を掠奪されていた。
自分たちが生きることもままならなくなった農民たちは、アメリカとの国境沿いの町でガンマンのクリスに苦しみを訴えた。農民らの願いに心打たれたクリスは6人の腕ききのガンマンらを集め、命をかけたカルベラー味との戦いに赴く…。
『ブラボー砦の脱出』を始め、日本では〈決闘三部作〉と名付けられ絶大な支持を受けた『OK牧場の決闘』『ゴーストタウンの決闘』『ガンヒルの決闘』を手がけた骨太の男性派アクション映画の名手ジョン・スタージェス監督が、初めて自ら製作も兼ねた渾身の一作。ジョン・スタージェス映画の全盛期を飾る傑作となった。『荒野の七人』の成功の影には、わけあってクレジット表記されていないが、『黄金の腕』他で知られる名脚本家ウォルター・ニューマンの緻密なシナリオ創りがあった。
上映時間2時間8分、見せ場、見せ場の連続。見事なガンプレー、ガンテクニック、銃撃戦、個性豊かな7人のガンマンが観る者を魅了する。クリス役ユル・ブリンナーの冷静沈着なガンさばき。ヴィン役スティーブ・マックィーンの馬上撃ちに反転早撃ち。オライリー役チャールズ・ブロンソンの熟達したライフル銃の使い方。ブリット役ジェームズ・コバーンのナイフ使いの妙味。リー役ロバート・ボーンの居合い抜きのような早撃ち。チコ役ホルスト・ブッフホルツの快活で溌剰とした身のこなし。ハリー役ブラッド・デクスターの豪傑のような野放図さ。
クリスに扮するユル・ブリンナーの黒づくめのスタイルは、初公開当時、大いに話題になった。「主人公は黒を着ない」と言われたそれまでの正統派西部劇の伝統を覆したコーディネートに、誰もが驚いた。
眉間にシワを寄せ、愛用の拳銃の撃鉄を手のひらで起こしながら連射するファニング撃ちは、それまでの西部劇だったら悪漢がやっていたアクション。それを物語の柱となる主人公が華麗に見せていった。黒づくめのガンマン・ファニングは、その後の西部劇、アクション映画に多大な影響を及ぼした。とりわけ、『七人の侍』と『荒野の七人』に感動したイタリア映画界のセルジオ・レオーネ監督によって、まったく新しいスタイルの西部劇へと昇華されていく、その大きなきっかけとなった。『荒野の七人』から4年後に公開され、マカロニ・ウエスタン(スパゲティ・ウヱスタン)の潮流の源となるレオーネ監督による『荒野の用心棒』は、『荒野の七人』から派生した快作と言っていい。
アメリカ・ロッキー山脈のような雄大な山々は姿を見せず、国境沿いの渇いた大地、風と砂埃、寂びれた村、ひと気のない朽ちようとしている町など、『荒野の七人』に見られる風景もまた、マカロニ・ウエスタンの原風景と言える。
『荒野の七人』は、アメリカ映画史的にはスティーブ・マックィーン、チャールズ・ブロンソン、ジェームズ・コバーン、ロバート・ボーンら60年代から70年代のスターを輩出した記念碑的な傑作西部劇として高く評価されている。クリスとヴィンが国境沿いの町でみせる前半のヤマ場。7人のガンマンがカルベラの野盗一味を迎い撃つ中盤の見せ場。そして、7人のガンマンが野盗一味に奇襲をかけ、村びとも戦いに立ち上がるクライマックスの西部劇史上に残る銃撃戦。乾いた銃声が谷間に響く効果音は、この映画を一度でも観た人の耳に焼きついて離れないだろう。エコーをかけたようにズシッと響く銃声は、この映画から使われるようになり、製作配給元のユナイト映画の西部劇、アクション映画に長く使われていくことになる。ジョン・スタージェス監督と録音技師、ジャック・ソロモンが創り上げた効果音は、マカロ二・ウエスタンはもちろん、最近のクエンティン・タランティーノ監督『キル・ビル』シリーズにも手を加えられながら使われている。効果音の面でも『荒野の七人』は画期的な映画となった。
全篇に快調なジョン・スタージェス演出をさらに盛り上げているのが、エルマー・バーンスタインによる壮大なスケールの主題曲だ。この映画の成功でバーンスタインは映画音楽界への大御所へと駆け上がり、その名を映画史上に永遠に刻んでいった。初公開時から今日まで、バーンスタインの指揮による『荒野の七人』サウンドトラック盤は全世界で1000万枚を超す大ロングセラーとなっている。
 ガンファイトの昂奮、7人の男たちと村びとの友情、絆。そして、戦いのさなかに咲いた一輪の小さな愛。アクションとヒューマニズムが見事に融合し、その後の西部劇の流れに大きく影響を与えていった。
 ジョン・スタージェス監督、エルマー・バーンスタイン、スティーブ・マックィーン、チャールズ・ブロンソン、ジェームズ・コバーンはこの映画から3年後、再び結集し、大傑作『大脱出』(63年、配給シネカノン)を放つことになる。また、スティーブ・マックィーンとロバート・ボーンは、8年後、刑事映画の秀作『ブリット』(68年)で共演することになる。
なお、『荒野の七人』の大成功によって、その後、『続・荒野の七人』(66年、ユル・ブリンナー主演、バート・ケネディ監督)『新・荒野の七人』(68年、ジョージ・ケネディ主演、ボール・ウェンドコス監督)『荒野の七人 真昼の決闘』(72年、リー・ヴァン・クリーフ主演、ジョージ・マッコーワン監督)のシリーズ作品が創られ、テレビでも約20年間同名シリーズが製作、放映されていった。西部劇史上、最高のヒット作である。

ストーリー


メキシコの寒村イズトラカン。毎年、収穫の時期になると、きまって野盗カルベラ(イーライ・ウォラック)とその一味によって食物を掠奪されていた。村びとの生活は貧窮をきわめていった。数人が、これ以上野盗の横暴を許しておくわけにはいかない、と長老(ウラジミール・ソコロフ)に相談した。「ガンマンを雇ったらいい。お金はないが、メシを食いたがっているガンマンはきっといるはずだ』長老にそう言われ、3人の村びとがアメリカとの国境沿いの小さな町カマルガヘと向かった。
カマルガにはテキサスから流れてきたお尋ね者や、あてどなく放浪の旅を続けるガンマンたちがくすぶっていた。喧嘩や決闘が絶えず、3人の村びとがやって来たとき、射殺された黒人の埋葬をめぐって不穏な空気が流れていた。
町の小高い丘の上にある墓地に、白人以外の者を埋葬させてはなるものか、と数人の男がライフル、拳銃を構え、立ちはだかっていた。枢を乗せた馬車に乗り、墓地まで運ぶのを買って出たのは、黒ずくめの男クリス(ユル・ブリンナー)と、瓢々とした風貌を浮べるヴィン(スティーブ・マックィーン)だった。クリスはダッジシティ、ヴィンはトゥームストーンの町から流れてきていた。銃口が狙う中、2人は馬車を丘の墓地まで運び、立ちはだかる男どもを早撃ちでアッという問に蹴散らした。
クリスとヴィンの活躍を間近に見た3人の村びとは早速、クリスに苦しい胸のうちを打ち明け、協力を懇願する。やがて、クリス、ヴィンを中心に、4人の男が集められた。クリスの古くからの親友ハリー(ブラッド・デクスター)。ライフルの名手ながら、しがない薪割り仕事にクサっていたオライリー(チャールズ・ブロンソン)。牛追いの牧童として、あてどない暮らしを続けていたナイフ使いの名人ブリット(ジェームズ・コバーン)。銃で葬ってきた者たちの影にうなされ続ける居合い撃ちの達人リー(ロバート・ボーン)。
6人は村びとに案内され、イズトラカンヘと出発した。その道中、クリスら一行をどこまでもつけて来る一人の若者がいた。クリスにガンマン志願をし、一度は失格の烙印を押されたチコ(ホルスト・ブッフホルツ)だった。クリスはその粘り強さに根負けし、仲間に加えることにした。こうして7人の男たちが揃った。報酬はたったの20ドル。行く手に待ち受けているのは、野盗カルベラー味との命をかけた、文字通りの死闘だった。
7人は、村びとに銃の撃ち方を教え、野盗の襲撃に備えて村のあちこちに罠を仕掛けていく。そんなある日、山の上で見張りを続けていた子どもが合図を送ってきた。3人の野盗の斥候が近づいてきたのだ。ブリットとチコ、リーが斥候を追った。銃声が3発、村に響き、ブリットらが3丁の銃を手土産に戻ってきた。
それからしばらくして、カルベラが40人の野盗を率いて村へ現れた。クリスら7人に驚き、焦りの色
を浮かべる。ヴィンが放った一発をきっかけに、激しい銃撃戦となり、カルベラは必死に村から逃げていくのだった。ヴィンが追走、馬上からライフルを使ってカルベラめがけて撃つも、わずかに反れる。
クリスら7人は先手を打つため、野盗の野営地を襲うが、そこはもぬけの殻。村へ引き返した7人を待っていたのは、村びとを人質にした野盗一味だった。クリスらは銃を取り上げられ、国境沿いまで送られてくる。このまま国境を越えてアメリカヘ戻るのか。また放浪だけのしがない生活に戻るのか。…ハリーを除いた6人は命を捨てる覚悟で、村へ戻る決意をする。
村ではカルペラと野盗の男どもがクリスらを追い出したことを喜び、酒に酔いしれていた。そんな野盗に、7人が夜明けとともに奇襲をかけた。今度こそ、野盗を葬り去る最後の戦い。野盗の前に堪えるしかなかった村びとも反撃に出る。しかし、クリスを救うために駆けつけたハリーが、カルベラの銃弾を受け絶命。オライリーもまた、親しくなった村の子どもたちを守って命を落とし、リーとブリットは野盗が放った銃弾を浴び、壮絶に散っていくのだった。激しい銃撃戦のなか、クリスとヴィンはついにカルベラを追いつめ、仕留めるのだった。
生き残ったのは、クリス、ヴィン、チコの3人。が、勝ったのは3人ではない。村を守るため、家族を守るため、命を投げ出して戦った村びとこそ、勝者だった。テキサスヘと戻るクリスとヴィンに、チコが別れを告げる。村の美しい娘ペトラ(ロゼンダ・モンテロス)と生きていくことを決意したのだ。
再び2人になったクリスとヴィン。荒野の彼方へとその姿を消していった…。

スタッフ

製作・監督:ジョン・スタージェス
製作総指揮:ウォルター・ミリッシュ
原作:黒澤明、橋本忍、小国英雄
脚本:ウォルター・ニューマン
撮影:チャールズ・ラング・Jr
音楽:エルマー・バーンスタイン

キャスト

ユル・ブリンナー
スティーヴ・マックィーン
チャールズ・ブロンソン
ジェームズ・コバーン
ロバート・ヴォーン
ホルスト・ブッフホルツ
ブラッド・デクスター
イーライ・ウォラック
ウラジミール・ソコロフ
ロゼンダ・モンテロス
ビング・ラッセル

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