原題:The Miracle of Bern

信じていれば夢はかなう

2003年ロカルノ映画祭観客賞受賞作

2003年10月16日ドイツ公開

2003年/ドイツ/カラー/117分/ビスタ/ドルビーデジタル 配給:エレファント・ピクチャー 提供:エイベックス/特別協賛:アディダス ジャパン 後援:東京ドイツ文化センター 文部科学省選定(少年、青年、成人、家族向け)

2005年10月19日よりDVDリリース 2005年4月16日、シャンテ シネにて感動のロードショー

公開初日 2005/04/16

配給会社名 0244

解説


信じていれば夢はかなう

“皇帝”ベッケンバウアー 絶賛!
僕は当時6歳で決勝戦が終わったとたん、通りに飛び出して、友達と一緒に試合を再現してみたんだ!
この映画はとても感動した。そして子供時代を思い出させてくれた!

ドイツの歴史のなかで、2つの偉大な出来事がある。ひとつは1989年ベルリンの壁の崩壊、
もうひとつは、1954年7月4日、サッカーWカップでのドイツの勝利だ。それは、敗戦国の人々に生きる勇気を与えてくれ、“ベルンの奇蹟”として神話となっている。
同じ日、11歳のマチアスは、Wカップに夢を託していた。ソ連抑留帰りで、自信と誇りを失っているお父さんと、仲直りできますように——信じていれば夢はかなう。
ワールドカップサッカーを通して父と子の絆の再生を描くファンタジック・ストーリー。
adidas創始者アディ・ダスラー、伝説的FWヘルムート・ラーン、スポーツ実況アナの元祖ツィンマーマンなど、歴史的なヒーローが多数登場するのも見所。
日本もドイツと同じ敗戦国として昭和29年、復興期だった。力道山見たさに街頭テレビに人だかりができた。マチアスと同じように・・・
2004年ロカルノ映画祭観客賞受賞

ドイツ興収3週連続第一位、360万人動員。興行収入26億円達成。
ロカルノ映画祭で6000人が熱狂 観客賞受賞!

1954年、ドイツは国際的に孤立し、国民の大多数は1945年の5月の戦争の終結を大いなる敗北として受け止めていた。当時はまだ、瓦礫の山。新生ドイツの社会は始まっていなかった。工業都市の灰色の風景、労働者階級の人々の質素な暮らしぶり。
ヴォルトマン監督は、ワールド・カップを背景にしながら、時代と、人々の幸福について、たいへんな繊細さで、感動的に描いている。ロカルノ映画祭のピアッツァ・グランデでの上映で6000人以上の人々を熱狂させ、観客賞を受賞。ついに家族みんなが心から感動する映画が完成した!

11歳のマティアスの望みは、ワールドカップにいくこと。

エッセンの近くに住む労働者階級の一家は第二次世界大戦でソ連軍に捕らえられた父の消息について何も聞いていなかった。母は居酒屋を営んできた。娘は手伝ってくれるが、11歳のマティアスの興味はサッカーだけだ。マティアスはサッカー選手ヘルムート・ラーンに父の面影を見ていた。ラーンは父親がわりであり、人生のお手本でもあった。不思議と、マティアスがそばにいるときはいつも、ラーンは重要な場面で得点するのだ。
そんなとき、父がソ連から送還されてきて、彼はかつて就いていた炭鉱の仕事に戻り、家庭のなかに伝統的で厳格なドイツの規律を再構築したいと思う。父は最初、マティアスのサッカーへの興味を認めない。スイスのベルンで開催されるワールド・カップなどなおさらだ。しかし、マティアスはドイツ・チームのメンバーに選ばれた彼の憧れの人とともにそこに行くことを切望している。その情熱とファイティング・スピリットで、マティアスは父の心のなかに人生への愛情を再びかきたてる。そして、1954年7月4日、ワールド・カップの決勝戦が始まったとき、新たな奇蹟を呼び起こす——

総制作費700万ドル!大掛かりな撮影に、国中は大騒ぎ。

ボンの町北部のボルンハイム。スイス・ベルンの「ヴァンクドルフ・サッカー・スタジアム」セットが組まれた。2年以上にわたる膨大な準備期間。7.5Mユーロ(7百万ドル)という大規模予算。最近取り壊されたヴァンクドルフ・スタジアムはCGの助けを得て、再構築された。デジタル・カラー調整プロセスを採用した初のドイツ映画だ。
監督・製作・脚本のヴォルトマンはもとブンデス・リーガのサッカー選手。それゆえ、撮影されたサッカーのシーンは息をのむほどの迫力だ。ゆるぎない演出、マルセル・バルゾッティの交響楽的な楽曲、ウーリ・ハーニッシュ(『ヘヴン』『es[エス]』)の巧緻なプロダクション・デザインで、観る者をすぐさま物語に引き込む。
演技はあらゆる面で素晴しい。ベテランのペーター・ローマイヤーは父親役に禁欲的な厳粛さをもたらした。息子役のルーイ・クラムロートは実の息子であり、本作のみごとな演技で各賞を総なめした。
細やかな愛情とそれに匹敵する暖かなユーモアのある美しいシーンに思わず引き込まれる。
実際にこの優勝に多大な貢献をした「アディダス」創始者アディ・ダスラーの新スパイク発明秘話、アナウンサーのヘルベルト・ツィンマーマンの伝説的名実況など見所も満載だ。2006年ワールド・カップはドイツで開催される。監督にとって<Vゴール>のような、情感ゆたかな壮大な作品となった!

ストーリー


1954年夏。西ドイツの炭鉱の町エッセンの近くルールに住む労働者階級の一家は第二次世界大戦でソ連軍に捕らえられた父の消息について何も聞いていなかった。
母のクリスタ・ルバンスキー(ヨハンナ・ガストドルフ)は居酒屋を営んできた。娘のイングリット(ビルテ・ヴォルター)は手伝ってくれるが、11歳のマティアス(ルーイ・クラムロート)の興味はサッカーだけだ。そんなとき、父のリヒャルト(ペーター・ローマイヤー)がソ連から送還されてきた。
彼はかつて就いていた炭鉱の仕事に戻り、家庭のなかに伝統的で厳格なドイツの規律を再構築したいと思う。リヒャルトは最初、マティアスのサッカーへの興味を認めない。
長い間、自分のことをマスコットとして“息子のように可愛がってくれる”サッカー選手ヘルムート・ラーン(サーシャ・ゲーペル)に父の面影を見出していた。マティアスにとって、ラーンは父親がわりであり、人生のお手本でもあった。ラーン選手からもらったかばんが唯一の宝物だ。
不思議と、マティアスがそばにいるときはいつも、ラーンは重要な場面で得点するのだ。
父リヒャルトの帰還は長年の捕虜生活で壊れてしまったかつて幸せだった家族に影を落とすこととなる。リヒャルトは絶望し、感情を示すことが出来ない。戦後のドイツで発展してきた新しい価値観に完璧に打ちひしがれ、帰還後、家族とも距離を置き、積極的に振舞うことを控えてきた。特に、初めて会うこととなった一番下の息子マティアスはその冷淡さの犠牲となる。
母クリスタは夫の帰還とともに幸せな生活も戻ってくるだろうと当初抱いていた望みは叶えられない。彼女は家族間の軋轢に悩まされながらも、辛抱強く夫との関係を修復していくのだ。
ブルーノ(ミルコ・ラング)は長男だが、父親とは心が離れてしまっている。ブルーノのあからさまな政治的思想やアーティストとして生きたいという希望は状況を解決する足しにはならない。ワールド・カップの期間、ブルーノは家族の元を離れて東ベルリンへ行き、共産党のユニフォームを着て最終戦を応援するのだった。
姉イングリットは父親の厳しい監視のもとでの生活というだけでなく、父親と兄との諍いの仲裁に入ったりもする。しかし決して夢は諦めていない。この点では彼女は母親、のみならずこの時代に生きた強い女性たちと良く似ているのである。
リヒャルトにとって、サッカーは無意味なものだ、スイスのベルン「ヴァンクドルフ・スタジアム」で開催されることになっているワールド・カップなどなおさらだ。しかし、息子マティアスはドイツ・チームのメンバーに選ばれた彼の憧れの人とともにそこに行くことを切望している。その情熱とファイティング・スピリットで、マティアスは父の心のなかに人生への愛情を再びかきたてる。
そして、1954年7月4日、ワールド・カップの決勝戦が始まった。
西ドイツは着実に決勝に進み、1次リーグで敗れたハンガリーと再び対戦した。観客は、ハンガリーが再び力を発揮すると予想しており、実際ハンガリーがたちまち2点を先制した。しかし、西ドイツは10分間の反撃で同点に追いつき、さらに攻勢を加えた。ハンガリーのシュートがポストに跳ね返された後の残り6分、ボールに飛びつこうとしたハンガリーのゴールキーパー、ジュラ・グロシチが濡れた芝生に足を取られたすきにヘルムート・ラーンが決勝点を叩き出し、ドイツの勝利を呼び込んだ。ベルンのワンクドルフ・スタジアムは、1954年6月2日の日曜日、FIFA ワールドカップ™史上最大の驚きに包まれた。
マティアスの起こした小さな奇蹟が、全国民を勇気付ける新たな奇蹟を呼び起こす——

スタッフ

監督 :ゼーンケ・ヴォルトマン
プロデューサー:トム・シュピース、ゼーンケ・ヴォルトマン、
        ハンノ・ヒュース
脚本:ゼーンケ・ヴォルトマン、ロッフス・ハーン
音楽:マルセル・バルゾッティ
編集:ウーリ・クリステン
美術:ウーリ・ハーニッシュ
衣裳:ウルズラ・ヴェルター
撮影:トム・フェーアマン
原作:クリストフ・ジーメンス

キャスト

マティアス・ルバンスキー 役:ルーイ・クラムロート
父 リヒャルト・ルバンスキー役:ペーター・ローマイヤー
母 クリスタ・ルバンスキー役:ヨハンナ・ガストドルフ
兄 ブルーノ・ルバンスキー 役:ミルコ・ラング
姉 イングリッド・ルバンスキー役:ビルテ・ヴォルター
記者 パウル・アッカーマン役:ルーカル・グレゴリヴィチ
アネット・アッカーマン役:カタリーナ・ヴァッカーナーゲル
アディ・ダスラー役:ヨアヒム・カップル
実況アナウンサー: ヘルベルト・ツィンマーマン役:アンドレアス・“オーベル”・オーベリング

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