2005年/日本/カラー/103分 配給:東芝エンタテインメント

2006年07月28日よりDVDリリース 2005年12月10日、シネセゾン渋谷ほか全国順次ロードショー

(C)2005「東京ゾンビ」製作委員会

公開初日 2005/12/10

配給会社名 0008

解説


(1)ゾンビVS柔術コンビ!
 今までの常識を超えたとてつもない映画がやってくる!!浅野忠信、哀川翔をはじめとする超豪華なキャストが集結、カルト的な人気を誇る花くまゆうさくのオリジナリティ溢れるマンガ原作をベースに日本映画界きっての鬼才佐藤佐吉が監督。浮世の憂さを吹き飛ばす、愛と感動のサバイバル・ロードムービー!!それが「東京ゾンビ」だ!!
多くの人がどこかで見たことがあるのではないだろうか。かなりシンプル且つユル〜イ線で描かれたアフロとハゲのキャラクターを。あのキャラが大活躍する、人気漫画家・花くまゆうさく氏の「東京ゾンビ」が、なんと実写化を果たしてしまった!
 しかもアフロのフジオには浅野忠信、ハゲのミツオには哀川翔と、ちょっと考えられない豪華なキャスティングが実現!そのメガホンを取るのは、『殺し屋1』や『極道恐怖大劇場 牛頭』の脚本家として知られる、鬼才佐藤佐吉。毎作、奇想天外なアイデアを繰り出す頭脳ゆえ、長編監督デビューを待つ声も多かったが、この映画で、その常識を超えた世界を満を持して実現! 強烈な個性の集結は、当然のように奇跡を生んだ。
 地味に強い柔術でゾンビに立ち向かうという、世界初のこの物語。アホらしく見えてそこにピッタリと寄り添うテーマは人間の強い絆。二人の友情は一見子供じみて映るが、そこには大人になると失われてしまう、眩しいような純粋さがある。しかも単なる”男の友情”だけではない。いつまでもミツオを心の拠り所にしてしまうフジオが、真の意味での強い男へ成長してゆく姿もしっかりと描かれている。
 観ると思わず血涌き肉踊る、愛と感動のサバイバル・ロードムービー。そんな、かつてない映画が今、堂々ここに誕生した!

(2)浅野忠信×哀川翔、夢の最強タッグが実現!
 フジオとミツオを演じるのは、いまや日本映画界を代表し、出演作も多数にのぼる二人でいながら、今回が初顔合わせとなる浅野忠信と哀川翔。今、一番見たいと思われていたであろう、この二人のありそうでなかった最も豪華なタッグが実現した。
 さらに、ビジュアル的にもかつての出演作品では見たことのない浅野&哀川が見られる。原作の特徴的なキャラクターに忠実に、浅野は大きなアフロのカツラを被り、そして哀川は精巧なハゲメイクを施して果敢に挑んでいる。特に哀川は佐藤佐吉監督からもらった自分の顔と、ミツオのハゲ頭の合成写真を眺めて、3ヶ月間、千々に乱れる心を吹っ切る為に悩んだという。
 計算された自然体を演じる高い実力を持つ浅野だからこそ出せる、純粋にミツオを慕う感じ。そしていまや国民的な”兄貴”となった哀川だから醸し出せるミツオの懐の深さ。フジオとミツオの友情以上の空気感は、この二人だからこそ説得力をもって感じられる。
 また忙しい二人だが、柔術を駆使する役どころの為に一ヶ月間、道場に通って指導を受け、しっかり柔術の基本を覚えて臨んでいるのも見どころの一つである。
 他、今回ヒロインに抜擢されたのは、多数のCMに出演し、現在、韓国で放送されているコスメブランドTHE FACE SHOPのCMで韓流スター、クォン・サンウと共演していることでも注目されている奥田恵梨華。そして、古田新太、楳図かずおをはじめとする個性派キャストの出演で脇を固める。

(3)闘う人気漫画家・花くまゆうさく、待望の初映画化&映画初出演!
 原作はヘタウマ漫画界で圧倒的な人気を誇る、花くまゆうさくの同名長編漫画。超絶的な人気がありながら、絵の持つ独特なイメージとその突飛な内容から、映像化は不可能だと思われていたが、今回、まさかの初映画化となった。
 花くま氏自らが柔術家であることから、作中にも格闘家役として本人が登場している。また、ヒクソン・グレイシー本人から黒帯をもらった柔術家の渡辺孝真とともに、花くま氏も哀川と浅野の柔術指導に当たった。おかげで二人は、忙しい合間を縫ってビッチリと練習し、デラヒーバや回転三角絞めといった通常でも難易度の高い技が、作中にバンバン繰り出されている。柔術映画としても見劣りしない絵作りも見どころ。
 ちなみに二人がロシアに向かうのはミツオが「サンボとかやってる強いヤツがゴロゴロしてる。男ならロシア!」という理由だが、そのサンボとは一般的に旧ソ連各地で行われていた民族格闘技とモンゴル相撲、日本の柔道、柔術などを統一した格闘技。スターリン時代には軍隊格闘技の一種として訓練されたともいわれる、まさに男の格闘技だ。

(4)佐藤佐吉、満を持しての長編デビュー!
  日本映画界の鬼才が挑む、まったく新しい日本映画が誕生!!
 日本映画界に風穴を開ける、画期的なこの作品を産み出したのは鬼才、佐藤佐吉監督。多くは脚本家として知られる彼だが、長編の映画でメガホンをとるのは今作が初めてとなる。
 奇跡のキャスト陣を構えられたのも、監督のこれまでの功績が大きい。脚本家として三池崇史監督と組んだ『殺し屋1』では浅野忠信が主演、また浅野忠信監督作『トーリ』では佐藤監督が脚本を提供、また、脚本を務めた『極道恐怖大劇場 牛頭』では哀川翔が出演。二人は「佐藤佐吉ってなんか凄いものを作る人間だな…」という信頼感と持ち、「その彼が初監督、脚本をやるなら」と、この冒険作への出演に快諾した。
 また役者としても、一回見たら忘れない特殊な容貌で、クエンティン・タランティーノ監督の「キル・ビル」などにも出演しており、今回の演技指導も自らが熱心に演じて行った。フジオの顔芸や、ミツオが歌で自分の秘密を吐露する場面をワンシーンワンカットで撮影するなど、こだわりのシーンも多数。

(5)脱力しつつもゴージャスなCG。衣装、音楽でも強力なスタッフが脇を固める!
『アップルシード』や『ピンポン』で知られるデジタルフロンティアがCGを制作。映画の要となる黒富士や、5年後の東京にそびえ立つピラミッド型のマンション、ゾンビが人肉を喰らったり、荒廃した東京の街並みをリアルに作り上げた。
 そして主題歌にはTHE HOMESICKSが大抜擢。メンバーはほぼ20代前半という若いバンドだが、いわゆる”泣きロックバンド”として数多くのファンを持ち、年間150本以上の全国ツアーを成功させた実力の持ち主。歌謡テイスト溢れる16ビートの「ココロかよわせて」が爽快に物語を締めくくる。
 また音楽は『ピンポン』『恋の門』『約三十の嘘』の音楽監督を務めた二見祐志が担当し、荒廃した東京を表す独特な世界観を演出している。衣裳は『アカルイミライ』や『恋の門』、『メゾン・ド・ヒミコ』を手がけたトップスタイリストの北村道子。 撮影に三浦賞受賞経歴のある石井勲、美術にカンヌ国際映画祭で2度受賞をしている稲垣尚夫など、こだわりのアーティストたちが映画を盛り上げる。

ストーリー

ちょっと未来の東京。町の片隅にある消火器工場で、二人働くフジオとミツオは、毎日柔術の練習に明け暮れていた。柔術の師としてミツオを慕うフジオ、そんなフジオをかわいがるミツオ。二人は年齢を超えて兄弟のように親友のように、時にはそれ以上の絶対的な関係性で結ばれていた。そんな二人の前に現れたのは、産業廃棄物のゴミ山’黒富士’から現れてきたゾンビたち。そしてゾンビはどんどん増殖を始めていく…。ロシアに行って最強の男になるという夢を叶える前に、なぜかゾンビと戦い、人類滅亡の危機に立ち向かうことになってしまったフジオとミツオ。果たして彼らに地球は救えるのだろうか!?

 東京都江戸川区のとある消火器工場で、二人きりで働くフジオ(浅野忠信)とミツオ(哀川翔)。
 そばには粗大ゴミや産業廃棄物で出来たゴミ山がそびえ立っている。そこはいつしか処分に困った人間を埋める場所にもなっていた。その山は「黒富士」と呼ばれている。
 二人は毎日、時間の許す限り柔術の練習に明け暮れていた。ミツオはオヤジながら柔術の達人。フジオはそんな強いミツオを師匠と慕い、ミツオもまたそんなフジオを心底かわいがり、二人は年齢を超えて兄弟のように親友のように、時にはそれ以上の絶対的な関係性で結ばれていた。

 昼休み、いつものようにマットを敷いて柔術の練習をする二人。そこに本社から藤本が偵察に来る。仲良く、くんずほぐれつつ練習する二人を見て、藤本(志賀慶太郎)は妙にムカつく。
「大人のくせに仲良くしやがって…!」
 とミツオをボコボコに殴る藤本。キレたフジオは、つい消火器で藤本を殴り殺してしまう。
 …ひいては黒富士に埋めるしかない。
 藤本の死体を埋めた終わった二人は、そこでフジオの中学の時の担任、林に出くわす。林が埋めようとしていたのはズボンをはいていない少年だった。しばらく見つめていたフジオはおもむろに林に近寄り、スコップでめった打ちにした。それは彼の思い出したくない過去に由来する理由が…?それを険しい顔で見つめるミツオは、やがてニヤリと笑う。帰りの車中でからかうミツオ。
「やられたんだろ。やばいことされたんだろ、あの教師に」
「やめてよ!そういう話、一番嫌いなんだよ」
 と真顔でキレるフジオ。

   一方で、黒富士では異変が起きていた。死んで埋められていたはずの人間がゾンビとしてボコボコと蘇り、生きている人間に噛みつきはじめたのだ! さらにゾンビは人間を求め、街を目指していく。

 そんな事とはつゆ知らず、工場で寝泊まりする二人。いつものように並んで寝ているが、ミツオは密かに腹を押さえてもだえ苦しんでいた。フジオには隠しているが、彼は体に爆弾を抱えているのだ…。

ゾンビが出現し、混乱する東京。テレビではホラーセラピスト、秋山(楳図かずお)が、黒富士が原因だという説を唱えていた。
「ある企業のやばーい廃棄物、それにまだ使える粗大ゴミの魂、生き埋めにされた人間の無念の魂、死体の魂がブレンドされてゾンビになった。ゾンビは人に噛み付きますよ!噛まれた人もその歯から伝染するウイルスでゾンビになってしまいます!!」
 ゾンビになると地獄の苦しみに襲われ、人の肉を食らうと一瞬その痛みが和らぐらしい。

 工場にも黒富士に埋めたはずの藤本がフラフラと現れる。戸惑いながらも、柔術の実践もかねて戦う二人……しかしそれは始まりに過ぎなかった。膨大な数のゾンビが工場に現れたのだ。ついに車で逃げ出す二人。
「とりあえず北だな」というミツオの指示で、フジオは車を走らせた。
 道中、泊まった学校の体育館でフジオは、なぜ北に向かうのを問う。ミツオの答えは明解だった。
「ロシアにはサンボとかやってる強いヤツがゴロゴロしてる。男ならロシアなんだよ!」
 だったらアメリカに行きたい、と主張するフジオに譲らないミツオ。二人はまた子供のように喧嘩を始めるが、しかし途中でミツオにあの発作が起きた。腹を押さえて痛がるミツオ……。
 心配するフジオに、語りのミュージシャンように自作の歌で胃ガンであると告げるミツオ。残り僅かの時間でフジオに柔術の素晴らしさを伝えたいという。それを知り、フジオは誓った。
「練習して絶対みっちゃんより強くなるからさ、それまで生きててよ」
「ガンとかゾンビにやられるくらいだったら、お前にやられて死んだ方がいいよ」
 そしてまた練習する二人……。

 翌日、二人は食料を調達するためにコンビニに向かう。ミツオが囮になる間にフジオがもってこれるだけの食料を持ってくるという手筈だ。
「煙草と歯ブラシ忘れんな」
というミツオの声も忘れて、新発売されたスナック菓子のハートチップルに夢中になり、それのみを大量に持ってくるフジオ。怒ったミツオが再びコンビニに戻るとレジを抱えた女、ヨウコ(奥田恵梨華)がゾンビと戦っていた。ミツオは女を助けて車に乗せるが、その間に老婆のゾンビに足を噛まれてしまう。
「俺がハートチップル持ってきたばっかりに……」
自分を責め、ヨウコに「お前のせいだ!」とあたるフジオ。しかし達観したような顔のミツオは自分の鞄を預け、遺言のようにつぶやいた。
「ロシア行って揉まれて強くなれ。で、この子を守ってやれ。男だろ? さよならだけが人生だ」
 トラックを飛び降り、橋から川に落ちていくミツオ。フジオは車を止めて慌てて追うが、彼はカナヅチ…。
 それから5年の月日が流れた。
 都市として壊滅した東京のなかで、生き残った金持ちは高い城壁で固められた場所にマンションを建て、貧乏人を奴隷として働かせていた。そんな金持ちたちの唯一の娯楽は、ゾンビと人間を戦わせる「ゾンビファイト」。
 フジオはそんなゾンビファイター、無敵のポン・フジオとして生き続けていた……が、柔術の地味すぎるワザは観客には大不評。なんとか生活できる程度に糧は得ていたが、人気ファイターとしてマンション暮らしをするにはほど遠かった。フジオはそれを不満に思うヨウコと、マンションの横の長屋に暮らしていた。娘のフミヨ(松岡日奈)を儲けながらも、しかしミツオの遺影を飾り、ミツオに話しかけてばかりのフジオ。妻子を持ちながらも、フジオの心はいまだにミツオと柔術のことでいっぱいで、ヨウコとも喧嘩ばかりだ。
 そんなある日、ミツオの前に最強のファイター、ハゲでオヤジのゾンビ、オハゲゾンが敵として立ちはだかる!しかしそのゾンビは見覚えのある顔……ミツオだった!
 予想もしなかった再会。果たしてミツオは本当にゾンビになってしまったのか!? そして、敵となったミツオを前に、最強のゾンビファイター、フジオはどんな選択をするのか!! 

スタッフ

監督・脚本:佐藤佐吉
原作:花くまゆうさく「東京ゾンビ 」
プロデューサー:豊嶋勇作
美術:稲垣尚夫
音響効果:柴崎憲冶

キャスト

浅野忠信
哀川翔
奥田恵梨華
松岡日菜
古田新太
中村靖日
高城マリア
谷村美月
楳図かずお
花くまゆうさく
森下能幸
橋本さとし
三浦誠己
曽根晴美

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