2005年/日本/カラー/35mm/104分/ヴィスタサイズ/DTS/ 配給:東芝エンタテインメント

2006年03月08日よりDVDリリース 2005年9月23日、銀座シネスイッチ他で全国順次ロードショー公開

公開初日 2005/09/23

配給会社名 0008

解説


君は神様がくれた
   最高のプレゼントでした。
限られた命だとしても、
あなたを愛する気持ちは止められなかった。

切ない想いに温かな涙が溢れ出す、
珠玉のラブストーリー。

人を愛することの大切さに気付かせてくれる、
感涙のラブストーリー
父親から引き継いだ、古ぼけた写真館で働く寿俊(山崎まさよし)。
彼の毎日は平穏そのもので、写真館にやって来る人々の幸せな時間を写真に刻みつけることや、家族との団欒、学生時代からの親友・亮二(大倉孝二)との他愛のないおしゃべりなどで、静かに過ぎていた。
 しかし、寿俊には周囲に秘密にしていることがあった。
 それは彼の身体は病に侵され、残された時間がわずかしかないということ。寿俊はそんな運命を取り乱すことなく受け入れ、静かに消えてゆこうと心に決めていた。
 そんなある日、彼の写真館に小学校の臨時教員の由紀子(関めぐみ)が飛び込んできたことから、彼の毎日が変わり始める。
 由紀子は初恋のような、まっすぐな気持ちで寿俊を慕い、寿俊もそんな由紀子の生き生きとした輝きを前に、どうしても彼女への想いを止められなくなってゆく。しかし本当の気持ちを言葉にできない寿俊と由紀子は、次第にすれ違い始め・・・
 寿俊と由紀子の切ない恋が、やがてたどり着く感動のラストシーン。限られた命だとしても、由紀子を愛し続けた寿俊の愛情の深さが胸を打ち、誰の心にも人を愛する素晴らしさが湧き上がる、感涙のラブストーリーが誕生した。
平穏な暮らしの美しさと、
写真館を訪れる人たちとの温かなエピソードに彩られた、
人を愛する切ない想い
寿俊の仕事、それは写真館を訪れる人たちの幸せな時間を、思い出として写真に焼き付けること。人生の様々な瞬間を切り取る作業は、死を目前に控えて、それでもすべてを受け入れて静かに生きている寿俊にふさわしい仕事の様に見える。しかし、妹(西田尚美)と縁側で西瓜の種を吹き飛ばしあったり、父親(井川比佐志)の作った料理が並ぶ食卓を家族で囲み、親友と他愛のない会話を楽しむ、そんな平穏な毎日が放つ輝きが丁寧に描かれることで、反対に寿俊の寂しさが、観る者に痛いほど伝わってくる。
 そんな寿俊が恋に落ちたのは、生きる輝きに満ちた由紀子。彼女とともに生きていたい、という寿俊の最後の願いは、生きることへの希望を彼に与えると同時に、残された時間の短さを感じさせてゆく・・・。そんな言葉にならない想いのすべてを、寿俊は一通の手紙に残して旅立ってゆくのだが、そこに綴られた大きな愛情は、誰かを愛する喜びと切なさに溢れて涙を誘う。しかし、本作が描いているのは、愛する人を失う喪失感ではない。寿俊の愛が由紀子に伝わり、由紀子が新しい道を力強く歩みだす姿からは、未来への大いなる希望をすべての人が感じることになるだろう。

8年ぶりに映画に主演した、ミュージシャン・山崎まさよし
そして期待の新人女優、関めぐみ
寿俊を演じるのは『月とキャベツ』(97篠原哲雄監督)での主演以来、長らく映画への出演が待ち望まれていた人気ミュージシャンの山崎まさよし。ナチュラルな存在感だけではなく、物静かな寿俊の心の動きを確かな芝居で演じ切った。さらに本作では8年ぶりの主演だけではなくサウンドトラックも担当。ラストシーンで流れる主題曲「8月のクリスマス」では温かな歌声を聴かせてくれる。デビュー10周年を記念する今年、彼のアーティストとしての活動を代表する映画がまたひとつ誕生した。
 相手役の由紀子には瑞々しい魅力を放つ、関めぐみ。『恋は五・七・五!』(05荻上直子監督)で主役に抜擢され女優デビューを果たし、近頃はCMへの出演も相次ぐ注目の女優。彼女の笑顔は本作の感動とともにいつまでも印象に残ることだろう。そんな二人を確かな演技で支えるのは、温かく寿俊を見守る父親・雅俊に井川比佐志、兄思いの妹・純子に西田尚美、寿俊のかつての恋人・佳苗に戸田菜穂、そして寿俊の親友・亮二に大倉孝二。それぞれに泣けるエピソードで物語に奥行きを与える。長崎俊一監督の抑えた静かな演出が、珠玉のラブストーリーを生み出した。

ストーリー



古く美しい街並みにふさわしい風格と、温かな佇まいの鈴木写真スタジオ。
 父から譲り受けた写真館で鈴木寿俊(山崎まさよし)は、訪れる人々の幸せな瞬間を写真に刻み付ける、そんな仕事を楽しんでいた。

 ある日、友人の葬式に参列した寿俊は、店主の帰りを待ちわびて写真館の前に佇んでいる高橋由紀子(関めぐみ)と出会う。近所の小学校の臨時教員である由紀子は、焦って写真の現像を頼む。しかし寿俊の喪服に気付くと、そっと店の外へ出てゆく。
 寿俊は、夏の強い日差しを避けながら向かいの公園で、写真の完成を待っている由紀子の元に缶ジュースを持ってゆく。由紀子の豪快な飲みっぷりに笑いあうふたり。それから由紀子はたびたび写真館を訪れ、寿俊との他愛のない会話を楽しんでは帰ってゆくようになる。
 寿俊が帰宅すると、妹の純子(西田尚美)が洗濯物を取り込んでいる。父、雅俊(井川比佐志)と兄とのふたり暮らしを心配して、時折家事を手伝いにやって来るのだ。縁側に座り西瓜を食べる純子と寿俊。ふと、地元に帰ってきた純子の友達、佳苗(戸田菜穂)の事が話題に上る。佳苗は寿俊のかつての恋人だった。

 佳苗が写真館を訪れ、思い出話をしていると由紀子がやって来る。佳苗の存在に驚いた由紀子は、慌てて写真館を立ち去る。佳苗はショーウィンドウに飾られた、学生時代の自分の写真を捨てるように頼んで帰ってゆく。

 小学校へ写真を届けに行った寿俊。ふと体育館を覗くと、そこにはバスケットボールの指導をしている由紀子がいた。バスケットボールを始めるふたり。ボールを取ろうとする寿俊の足を引っ掛けて、意地悪をする由紀子。翌日、寿敏の筋肉痛を心配した由紀子は、アイスクリームを持ってお見舞いにやって来る。ひとつのアイスクリームを分け合って食べるふたり。

 学生時代からの親友、宮田亮二(大倉孝二)を誘って、居酒屋へ出かける寿俊。すっかり酔った寿俊は、冗談に見せかけて、自分が病気でじきに死ぬと初めて口に出す。

   飲みすぎてケンカを起こした寿俊と亮二は、警察署に座っている。おとなしく眠っている様に見えた寿俊が突然、自分は何もしていない、と泣きながら暴れだす。

 バイクショップの軒先で雨宿りする寿俊。そこへ傘をさして由紀子が通りかかる。相合い傘で送るお礼にお酒をおごってほしいと頼む。
 鼻歌を歌いながら、由紀子がやって来るのを待つ寿俊。 
 約束の時間が来ても由紀子は現れない。不意に写真館のドアが開く音がして振り返ると、そこには昼間、喜寿のお祝いの記念写真を撮ったおばあさんが立っている。お気に入りの着物を着て、お葬式に使う写真を撮り直しにやって来たのだ。その優しい笑顔を撮影する寿俊。

居間にいる父親から、DVDを再生してほしいと頼まれる寿俊。思いついたように、DVDの使い方を教え始めるが、覚えの悪い父親に苛立ち怒鳴ってしまう。夜、寿俊は父親のためにDVDの使い方をノートに書きつけた。

 遊園地へ出かけた帰り、寿俊はお気に入りの場所に由紀子を案内する。高台の石階段に腰掛けて、広がる街並みを見るふたり。母を亡くした子供の頃から、寿俊はここで物思いにふけるのが好きだった。雪が降ると静かでいい、と言う寿俊に、今度の冬にまたここに来ようと答える由紀子。寿俊はふざけることしかできない。

 夜、様態が急変し病院へ運び込まれる寿俊。入院をしたことも知らずに、毎日写真館を訪れる由紀子。いつまで経っても戻らない寿俊に宛てて手紙を扉に挟み込む。
いつまでも置き去りの手紙を持ち帰ろうとするが、誤って手紙は写真館の中へ。新しい小学校へ新任教師として赴任することを決心した夜、由紀子は写真館の窓に向けて小石を思いっきり投げつけた。

 夏が終わりを告げる頃、寿俊は退院してくる。机の上に置かれた郵便物の中には、由紀子からの手紙。  

 由紀子が赴任した、海沿いの小学校を訪れる寿俊。少し大人びてはいるが、いつも通りの生き生きとした由紀子の姿を遠くから眺め、声もかけずに帰ってゆく。写真館へ戻った寿俊は、由紀子へ宛てて手紙を書く。しかし書いた手紙は投函されることなく、小箱の中に大切な写真とともにしまい込まれた。身なりを整え、スタジオで自分の写真を撮る寿俊。
  海辺の小学校。由紀子の元に手紙が届く。妹の純子が、写真館の整理をしていて手紙を見つけたのだ。期待と不安に満ちた表情で手紙を読む由紀子。様々な感情が押し寄せて床にに座り込んでしまう。

 冬。写真館にはクリスマスの飾りがされている。ポインセチアの鉢を持った由紀子が、久しぶりに写真館へやって来る。ショーウィンドウには寿俊が撮影した由紀子の写真が。
微笑を浮かべながら由紀子は写真館を後にする。

スタッフ

監督・脚本 長崎俊一
エグゼクティブ・プロデューサー 三宅澄二
                森川欣信
プロデューサー 小松万智子
        千村良二
音楽プロデューサー 穂苅太郎
音 楽 山崎まさよし
主題歌 「8月のクリスマス」
       山崎まさよし(ユニバーサルミュージック)
作詞・作曲・編曲  山崎将義
ラインプロデューサー 田中敏雄
アシスタントプロデューサー 望月泰江
              齋藤勇司
撮影監督 長田勇市(J.S.C.)
美 術 花谷秀文
録 音 武  進
編 集 阿部亙英
照 明 祷 宮信
装 飾 田口貴久
音響効果 佐々木英世
VFXプロデューサー 石井教雄
スクリプター 呉 美保
キャスティング 狩野直人
助監督 黒川礼人
製作担当 傳野貴之

配 給 東芝エンタテインメント

ノベライズ ソニーマガジンズ/CDC
オリジナルサウンドトラック ユニバーサル ミュージック
ビジュアルブック 宝島社

キャスト

山崎まさよし
関 めぐみ
大倉孝二
戸田菜穂
大寳智子
草村礼子

大石継太   山崎大輔
西野まり   岡村洋一
相川裕滋   松崎早人
猫田 直   氏家 恵
福原拓也     暁
山本浩司   才藤了介
永島謙二郎  坂寄卓士
金子裕太   平田秀典
斉藤瑠花   今野順貴
大久保 蒼 
稲生雅美   樹下尚美
大嶋美月   中村久美子
江口 實   明野 茂

野口雅弘
諏訪太朗
西田尚美
井川比佐志

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