世界を一瞬で消す方法がわかりました。

2005年/日本/117分 配給:オフィス・シロウズ=シネカノン

2007年05月05日〜05月18日、シネマ・ジャック&ベティにてロードショー!! 2006年03月24日よりDVDリリース 2005年10月8日、渋谷シネ・アミューズ、新宿K's cinemaほか全国順次ロードショー

(C)2005『スクラップ・ヘブン』パートナーズ

公開初日 2005/10/08

配給会社名 0220/0034

解説


「想像力があれば俺も世の中も、もうちょっとマシになってるはず」
ディープなテーマをシニカルに笑い飛ばす、新世代バディムービー!!!

“正義の味方”を夢見て警察官になったシンゴ(加瀬亮)は、デスクワークにうんざりする日々。ある日、シンゴはバスジャックに遭遇する。乗り合わせていたのは、テツ(オダギリジョー)とサングラスをかけた女、サキ(栗山千明)—-。

3ヶ月後に偶然再会したシンゴとテツ。バスジャック犯に対して無力だったシンゴは、テツに向かって、日ごろの鬱憤を「クソだろ?」とぶちまける。
「想像力が足んねえんだよ」「クソどもに想像力を植えつけてやろう!」
テツの言葉をきっかけに、とある公衆トイレで復讐請け負いゲームをはじめる2人。医療ミスを隠ぺいする医者へ、子どもを虐待する母親へ次々舞い込む“復讐依頼”。自由奔放なテツに引きずられて、2人のゲームはエスカレートしていく。一方、サキは薬剤師をしながら自室で1人秘密の実験をしていた。
そして憂さ晴らしのはずの2人のゲームは、いつしか想像もしなかった方向に転がりはじめる。
本当に“想像力”があれば、もっとマシになるというのか?

加瀬亮×オダギリジョー×栗山千明

今、日本映画界で最も多忙な3人が集結した豪華なキャスティングが実現!繊細かつ大胆な演技で魅せる実力派俳優・加瀬亮が主人公の警察官・シンゴを、何ものにも縛られない自由な男・テツに『血と骨』で各映画賞を総ナメにし、出演作品が相次ぐオダギリジョー、コンプレックスと深い絶望を抱えた女・サキを「キル・ビル』で国際的女優となった栗山千明がクールに演じている。この3人の魅力を全開に引き出すのが、『69sixty nine』でメジャーデビューし、その才能が最も注目される李相日監督。「今このとき、このメンバーでしか出来なかった」とストレートな思いを本作にこめた。旬な4人のコラボレーション、新世代のバディムービーが誕生した。

フジファブリックが映画初参加!

エンディング・テーマ曲書下ろし!1stアルバム「フジファブリック」以降、最新シングル「虹」も大好評のフジファブリック。映画初参加となるエンディング曲「唇気楼」(東芝EMI)は本作のために書き下ろしたもの。フジファブリック独特のメロディと歌詞が、本作品の世界観にマッチし、さらに印象深いエンディングになっている。加えてサウンドトラックをEL-MALOの會田茂一が手がけるなど、若いクリエイターたちのセンスが凝縮された作品となった。

ストーリー

それなりに“正義の味方”を夢見て警察官になった粕谷シンゴ(加瀬亮)は、事後処理ばかりのデスクワークにうんざりした毎日を送っている。
そんなある日、シンゴはバスジャックに遭遇する。乗り合わせていたのは、若い男とサングラスをかけた女。夢見ていた完壁なシチュエーションのはずなのにシンゴは手も足も出ない。犯人の発砲に若い男が倒れ、女の片目から義眼が転がっていく…。そして犯人は自ら銃身をくわえた。

3ヵ月後—-。シンゴは、バスで撃たれた若い男・テツ(オダギリジョー)に偶然再会する。テツに向かって、日ごろの鬱憤を「クソだろ?」と、ぶちまけるシンゴ。
「想像力が足んねえんだよ」と、テツが言う。
「それそれ!想像力があれば俺も世の中も、もうちょっとマシになってるはずだと思うんだ」と、身をのりだすシンゴ。
テツが“クソを洗い流そう”とシンゴを誘い出したのは、とある公衆トイレだった。「クソどもに想像力を植えつけてやろう」とテツが提案したのはあるゲーム。復讐の代行業だった。ルールは簡単。依頼者は身分を明らかに。もちろん他言無用。誰も傷つけない。連絡は主にトイレの落書き—-。

早速やってきた依頼人は母親を医療ミスで殺された看護士。事故を隠蔽している院長へ復讐してほしい、と言う。清掃員姿で院長室へ潜入したふたりは、院長を縛り上げてデタラメな特大注射を突きつける。院長の狼狽ぶりと大絶叫に笑いが止まらないふたり。
続いては小学生の男の子からの依頼。虐待するママへの復讐だ。誘拐事件を装って「子供を助けてほしければ…」とふざけた指示を連発する。あたふたと走り回る母親の様子に大爆笑。母と息子の関係回復にも一役買った。

次々と舞い込む「復讐依頼」に忙殺され、のめりこんでいくシンゴ。そんな折、「今度こそ助けてもらえるんですよね」と電話してきたのは、バスに乗り合わせた義眼の女・サキ(栗山千明)だった。事件のとき何もできなかった負い目から、シンゴはたびたび彼女の勤め先に出向いていたが、いつもすげなく追い返されていた。サキのSOSは、親からの縁談話をかわすために恋人のふりをしてほしい、というもの。ひそかに心躍らせて駆けつけたシンゴは、何とか無事に役目を果たす。それでもサキはつれない態度。撫然とするシンゴに冷笑しながらサキは言う。「あたしとヤリたいの?」。
なしくずし的に関係を持つふたり。薬剤師のサキが自室で爆薬を精製していることをシンゴは、まだ知らない。

シンゴは警察の仕事にますますやる気をなくし、周囲にも疎まれて居場所を失っていく。一方そのころ、精神を病んで入院していたテツの父親が自殺する。

ふたりのゲームはますます加熱しようとしていた。警察組織という「クソ」の目を覚ますには、拳銃でも盗むしかないな、と冗談混じりに愚痴るシンゴに、テツが乗ったのだ。
ふたりは、どしゃぶりの雨の中、交番の前に潜んでいた…。
逡巡するシンゴの背中を押すように、テツが言う。
「思い出せよ。拳には拳を、世の中には想像力を、だろ?」

スタッフ

監督・脚本:李相日
製作:オフィス・シロウズ
企画:佐々木史朗

キャスト

加瀬亮
オダギリジョー
栗山千明

光石研
森下能幸
田中哲司
鈴木砂羽
団時朗
山田辰夫

柄本明

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