原題:Qu'est-ce qu'on a fait au bon Dieu ?

フランス映画祭2015 2015年 リュミエール賞 脚本賞受賞

2013年/フランス/97分/DCP/ビスタ/ドルビーSR 配給:セテラ・インターナショナル

2016年3月19日公開 2015年6月26日から29日までフランス映画祭2015にて上映「ヴェルヌイユ家の結婚狂騒曲」

© 2013 LES FILMS DU 24 – TF1 DROITS AUDIOVISUELS – TF1 FILMS PRODUCTION

公開初日 2015/06/26

配給会社名 0475

解説


フランスで2014年興収No.1の大ヒット
5人に1人が観た、笑いと涙に溢れた感動作!

4人の娘たちの結婚相手は、みんな外国人!?
毎日が異文化バトルの家族に、愛と平和は訪れるのか?

フランスのロワール地方に暮らすヴェルヌイユ夫妻には、他人には相談できない悩みがあった。3人の娘たちが次々とアラブ人、ユダヤ人、中国人と結婚、様々な宗教儀式から食事のルールまで、異文化への驚きと気遣いに疲れ果てていたのだ。そんな時、最後の希望だった末娘が、カトリック教徒の男性と婚約! 大喜びの夫妻の前に現れたのはしかし、コートジボワール出身の黒人青年だった。しかも、フランス人嫌いの彼の父親が大反対、妻に説得されて渋々承諾した結婚式を、スキあらばブチ壊そうと乗り込んでくる。果たして、色とりどりの家族に愛と平和は訪れるのか──?
笑って泣ける映画が大好きだからこそ、選択眼の厳しいフランスの観客の5人に1人が見たという大ヒット作。『マレフィセント』や『アメイジング・スパイダーマン2』などのハリウッド超大作に、口コミの力で圧勝して観客数は1300万人を突破、2014年ダントツの興収第1位を記録すると共に、フランス映画歴代動員記録ベスト10へのランクイン(6位)も成し遂げた。さらに国際結婚という、まさに今を生きるすべての人が向き合うべきワールドワイドなテーマを軽やかに描いたことが絶賛され、世界でも145カ国で公開された話題作が、いよいよ日本にも上陸する!

アップデートな世界の情勢が心に響く、
監督の実体験に基づいたリアリティに満ちた物語

大らかなユーモアのなかに大胆なスパイスをピリリと効かせた脚本と演出で、エンターテイメント界に新風を吹き込んだのは、フィリップ・ドゥ・ショーヴロン。フランスは異人種間結婚が世界1で、ある統計結果では20%近くに及ぶというが、監督自身もアフリカ系の女性と結婚したという実体験があり、本作にその時のエピソードを盛り込んでいる。さらに、フランスVS外国というありきたりな対立を避けるために、各々のキャラクターと同じバックグラウンドを持つ友人たちにアドバイスを求めたという。そうして完成した、生きて血の通った脚本は高く評価され、リュミエール賞オリジナル脚本賞に輝いた。
私たち日本人にとっては、オープニングでテンポよく説明される3人の娘たち全員が外国人と結婚したという設定は、奇想天外に見えるかもしれない。しかし、心当たりのある人種の特徴や歴史の違いによる異文化ギャップネタには大笑いしてしまうだろう。同時に、海外の信じられない習慣もたっぷりと紹介される。「あるある」と「まさか!」を楽しく行き来するうちに、グローバル化社会での振る舞い方や、世界で巻き起こっている争いの根源である、移民・難民問題と宗教問題をいつの間にか理解しているのだ。

“違い”を楽しむことができれば、人生は豊かになる
ロマンティックな古城の地を舞台にフランスコメディの名優が共演

ヴェルヌイユ家の父親を演じるのは、大ヒットコメディ『レ・ブロンゼ』シリーズの国民的名優、クリスチャン・クラヴィエ。母親には、コメディの女王と称えられる『ミッション・クレオパトラ』のシャンタル・ロビー。その他、世界的ヒット作『最強のふたり』のサリマタ・カマテとエミリー・カーン、リュック・ベッソン監督の『LUCY/ルーシー』のフレデリック・チョウなど国際色豊かなキャストが出演。互いのルーツをめぐってすぐに熱くなる、欠点だらけだけれど憎めない魅力的なキャラクターたちを創り上げた。
舞台は、世界遺産に登録された古城めぐりやワインの産地で知られるフランスのロワール地方。緑豊かな自然に囲まれたヴェルヌイユ家の瀟洒な屋敷で開かれるクリスマスパーティ、荘厳なカトリック教会でのミサやウェディングなど、フランスのブルジョワ家庭の華麗な暮らしが味わえる。
家族、友人、学校、会社、国家──地球に存在する大小様々なグループに幸せをもたらす一番の方法は、それぞれの“違い”を認めること。互いの“違い”を受け入れた時、そこに確かな愛が生まれる。ヴェルヌイユ家と花婿たちの新たな絆に、愛のパワーを素直に信じたくなる、あったかくて力強い感動の物語。

ストーリー





「黒人だって言った?」「言い忘れた」「君が家族に加われば虹色になる」

 「みなさん笑って。しかめ面がいる」と、娘の結婚式での記念撮影で、カメラマンから注意されてしまう、クロード(クリスチャン・クラヴィエ)とマリー(シャンタル・ロビー)のヴェルヌイユ夫妻。おめでたい日に暗い顔なのには、ワケがあった。長女はアラブ人、次女はユダヤ人、そして今日、三女は中国人と結婚。フランスのロワール地方のシノンに暮らす夫妻は敬虔なカトリック教徒で、異教徒の男と市役所で挙式した娘への落胆を隠せないでいたのだ。
 半年後、次女のオディル(ジュリア・ピアトン)の息子のユダヤ教の割礼式で、遂にクロードの不満が爆発する。軽い雑談のつもりでモンマルトルは外国人ばかりだと話しただけで、婿たちに「差別だ」と非難されて逆ギレし、三女のセゴレーヌ(エミリー・カーン)の婿シャオ(フレデリック・チョウ)が作った料理を放り出して帰ってしまったのだ。長女イザベル(フレデリック・ベル)の婿ラシッド(メディ・サドゥアン)と次女のオディル()の婿ダヴィド(アリ・アビタン)も、互いの民族の特徴を皮肉り合ううちに大ゲンカに発展してしまう。
 1年半後、マリーは娘たちと会えない寂しさに耐えられず、嫌がるクロードを説得し、クリスマスに娘夫婦たちを招待する。イスラム食の認証マーク付きの七面鳥を買い求め、北京ダックのレシピを教わるなど、和解策を練るマリー。クロードの方は、今や夫妻の最後の希望である末娘のロール(エロディー・フォンタン)を、知り合いのカトリック教徒の息子とくっつけようと画策していた。
 当のロールは恋人のシャルル(ヌーム・ディアワラ)と、各々の実家へ帰るために空港へ向かっていた。別れ際にひざまずいてプロポーズするシャルルに、満面の笑みで「“イエス”よ」と答えるロール。しかし、「婚約したって家族に言うんだよ」という彼の言葉に、途端に顔を曇らせる。実は──シャルルは宗派こそカトリックだったが、コートジボワール生まれの黒人なのだ。
 妻から宗教や文化など危ない話題は避けるようにと言い含められて、ヴェルヌイユ家の豪華な屋敷に集まった婿たち。同じくマリーからキツく釘を刺されたクロードが前回の非礼を詫びる。最初はぎこちなかった婿たちも、義父の掛け声で「家族に乾杯」し、3カ国の味付けの七面鳥を和やかに分け合う。心を開いた婿たちは人種が違ってもフランス国籍であることを誇示するかのようにフランス国歌を力強く歌い上げ、勢いで教会のミサにまで同行する。
その頃、ロールとの婚約を家族に報告したシャルルは、超不機嫌な父親に「フランス人は信用できん」と責められていた。翌朝、父は、結婚は許すが、白人に搾取のつけを払わせるために、式の費用は向こう持ちだと宣言する。一方、ロールも両親に打ち明けるが、カトリックだと聞いて大喜びする二人に、どうしてもその先が言い出せない。数日後、待ち合わせのカフェへやって来たシャルルを見て、唖然とするヴェルヌイユ夫妻。
クロードは荒れ、マリーはふさぎ込み、3人の姉と婿たちは自分たちのことは棚に上げて大反対、一家は大混乱を迎えるが、結局はロールへの愛で折れることになる。ようやく両家の両親がスカイプで結婚式の打ち合わせを始めるが、たちまち小競り合いになる。だが、それは新たなバトルの幕開けにすぎなかった──。

スタッフ

監督:フィリップ・ドゥ・ショーヴロン

キャスト

クリスチャン・クラヴィエ
シャンタル・ロビー

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