原題:sixty nine

1969年。青春の いちばん あつい夏。

2004年/日本/カラー/1時間53分 配給:東映

2004年12月21日よりビデオレンタル開始 2004年12月21日よりDVD発売開始 2004年7月10日より全国東映系ロードショー

(C)2004「69 sixynine」製作委員会

公開初日 2004/07/10

配給会社名 0004

解説



芥川賞作家・村上龍の100万部ベストセラー小説『69 シクスティナイン』が映画化される。1969年の長崎・佐世保を舞台にしたヤンチャな高校生たちの青春グラフティ。1984年の小説発表以来、多くのテレビ局や映画会社が映像化を熱望したが、原作者はこの自伝的ストーリーのそれにOKを出さなかった。今回、映画『GO』で数々の賞を受賞した人気脚本家・宮藤官九郎のシナリオと、万全のスタッフ、キャストを配したことから、遂に完全映画化の道が開かれた。
1969(昭和44)年、世はモーレツ時代。翌年には70年安保、大阪万博を控えていた。経済大国への道を突き進む日本人はエコノミックアニマルと呼ばれた。東大は安田講堂で学生と機動隊による攻防戦を繰り広げ、入学試験を中止した。東名高速道路が開通、アポロ11号の月面着陸が成功した。
学生たちの間では漫画ブームが起き始め、女性のファッションはミニスカートにかわってパンタロンが流行に。“あっと驚くタメゴロー”“ニャロメ”が流行語になり、巷にはGSブームとともに岸洋子の『希望』、森進一の『港町ブルース』が流れた。映画はアニメ『長靴をはいた猫』(東映)、『風林火山』(東宝)、『男はつらいよ』(松竹)などがヒット。
洋画は『ローズマリーの赤ちゃん』『おかしな二人』『真夜中のカウボーイ』などが上映された。
つまり、映画『69 sixty nine』は「ビートルズはホワイトアルバムとイエローサブマリンとアビーロードを発表し、ローリング・ストーンズは最高のシングル『ホンキー・トンク・ウイメン』をリリースし、髪の長い、ヒッピーと呼ばれる人々がいて、愛と平和を訴えていた。パリではドゴールが退陣した。ベトナムでは戦争が続いていた。女子高生はタンポンではなく生理綿を使用していた」(原作より)、そんな年のお話。“モノはなかったが、希望があった”若者たちのバイタリティあふれる姿を笑いとペーソスでくるんだ直球の青春ストーリーが展開する。
キャストは、主演のケン役に妻夫木聡、その仲間のアダマ役を安藤政信、イワセ
役に現役高校生の金井勇太。ヒロインの松井和子役は、高校生カリスマモデルの
太田莉菜が抜擢され、スクリーン・デビューを飾る。ケンの両親に柴田恭兵、原日出子のほか、岸部一徳、嶋田久作、水川あさみらが出演する。撮影は8月20日に原作の舞台である長崎県佐世保市内でクランクイン。オールロケされ、10月上旬にアップ。
完成は11月末。2004年、全国東映系でロードショー公開される。

ストーリー



1969年。九州の西の端、長崎県佐世保市にある佐世保北高の3年生・矢崎剣介(愛称・ケン)は、教師に目を付けられている問題児。県下随一の進学校で、教師たちの締め付けに常に反抗的態度をみせているからだ。今日も掃除をサボり、校舎の屋上で仲間の山田正(アダマ)、岩瀬学(イワセ)と校庭でマスゲームの練習をしている女子生徒たちを眺めていた。
「17歳の少女の体は地味な体操着で行進させられるもんじゃなか。よし、彼女たちを開放しよう」口が達者で行動力が伴わないケンのいつもの戯言と思いきや、本気の様子。長崎の高校生で初めてロックコンサートと映画と演劇の大イベント≪フェスティバル≫をやろうというのだ。アマダたちはケンの思いつきにまんまと乗せられた。
これにはケンに不純な魂胆があった。「人生は楽しくなければならない」がモットーの彼は、北高一の美少女、松井和子(レディジェーン)を映画に出演させ、ちゃっかり恋のアプローチをしようという思惑が……。
ところが、8ミリカメラを調達しようと北高全共闘のアジトに行くと長崎大学の先輩から映画のテーマを聞かれ、ケンが思いつくままに軟弱な内容を口ばしるとカメラの貸し出しを拒否されてしまった。そのとき、ケンの頭の中に勝手にレディジェーンの声が鳴り響いた。≪ウチ、デモやらバリケードやらする男、好いとるもん≫悪ノリのケンが叫んだ。「学校の屋上をバリケード封鎖する」
ひょんなことから、バリ封決行。ケンたちは「跋折羅(バサラ)団」(梵語でエロティックな怒りの神々の意味)を結成、1学期終業式の前夜、北高に忍び込んだ。闘争的目的とは何ら関係なく女子更衣室の「検索」も敢行、椅子や机で屋上の入口を封鎖し、校舎の至る所をペンキで落書き。
ケンたちの「闘争」は計画通り順調に進んだが、後輩の中村が校長室の前で突然、腹痛に。「穴からピュピュって顔の出よっとです」笑いをこらえながら、ケンが校長の机を指差した。「あそこ(校長の机)でウンコしてこい」中村の真っ白い尻が机の上に悲鳴とともに浮かび上がった。「あひぃ〜〜〜」
ケンたちはやり遂げた。校舎に掛かる垂れ幕を見上げた。そこには≪想像力が権
力を奪う≫の文字。一同は抱き合って喜んだ。
翌日の北高は大騒ぎ。ケンたちの仕業だと疑う者もいたが、証拠がない。ニンマリのケン。ところが、ドジなイワセの行動で警察に犯行がバレてしまった。ケンたちは全員、無期停学の謹慎処分。それでも懲りないのがヤンチャな面々。
「楽しく生きたモンの勝ちや、退屈な奴らにおれたちの笑い声を聞かせてやるぞ!」
ケンたちは次の目的、≪フェスティバル≫開催に向かって突っ走る……。

スタッフ

原作:村上 龍
脚本:宮藤官九郎
監督:李 相日(リ サンイル)

キャスト

ケン<矢崎剣介>:妻夫木聡
アダマ<山田正>:安藤政信
イワセ<岩瀬学>:金井勇太
松井和子:太田莉菜
佐藤ユミ:三津谷葉子
ケンの母:原日出子
相原先生:嶋田久作
フミ子先生:峯村リエ
川崎先生:豊原功補
生活主任:千葉哲也
吉岡先生:小日向文世
アダチ・独裁者:森下能幸
中村 譲:星野 源
フク<福島清>:与座嘉秋(ホーム・チーム)
白井:宮内陽輔
江崎:澤田俊輔
大滝良:加瀬 亮
成島五郎:三浦哲郁
増垣達夫:柄本 佑
書記長:瀬山俊行(ナイーブ)
城串裕二:桐谷健太
工業の番長:新井浩文
ジャガーの女:井川 遥
ハーフの極道:川村 淳
長山エミ:水川あさみ
松永先生:岸部一徳
佐々木刑事:國村 隼
ケンの父:柴田恭兵

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