原題:Das Fliegende Klassenzimmer

2002年/ドイツ/カラー/35mm/ドルビーSRD/ヴィスタ/114分/ 提供:メディア・スーツ、パノラマ・コミュニケーションズ、プログレッシブピクチャーズ 配給:メディア・スーツ 後援:ドイツ連邦共和国大使館、東京ドイツ文化センター

2004年08月25日よりDVD発売開始 2003年11月22日より、恵比寿ガーデンシネマにてロードショー

公開初日 2003/11/22

配給会社名 0066

解説


ドイツの国民的作家エーリヒ・ケストナーの最高傑作
「飛ぶ教室」がついに映画化!

本国ドイツで180万人という観客動員を記録し、熱狂的な人気を得た『点子ちゃんとアントン』(99)、『エーミールと探偵たち』(01)で大成功を手にしたウッシー・ライヒとペーター・ツェンクの名プロデューサーコンビが、いよいよエーリヒ・ケストナーの最高傑作を映画化した。
全世界30カ国以上で出版され、親から子へと70年の時を超えて読み継がれてきた永遠のベストセラー。日本では児童文学の巨匠として有名なケストナーは、ドイツの芸術の町ドレスデンに生まれ、第二次世界大戦中は持ち前の反骨精神でナチスに抵抗した文化人の一人として活躍したり、若き映画監督ビリー・ワイルダー(オードリー・ヘップバーン主演の『麗しのサブリナ』『昼下がりの情事』)と共にシナリオを執筆した。児童文学作家、脚本家としてだけでなく、演劇評論家、小説家、詩人、エッセイストとして多方面で活躍する、時代を先がけた存在だった。
時代の流れに敏感だったケストナーが21世紀の今、もし自作を映画化したら…。原作者のモダン・スピリットを忠実に再現した『飛ぶ教室』。児童文学の枠を破った極上のエンタテインメントが誕生した。

本国ドイツで今なおロングラン上映が続く大ヒット作!

2003年1月に本国ドイツで公開され、『ロード・オブ・ザ・リング』『レッド・ドラゴン』といったハリウッド大作を押しのけて大ヒット。7ヶ月以上ものロングランを続け、観客動員数180万人を超えるシリーズ最大のヒット作となっている。
転校生ヨナタンを中心に寄宿舎(ギムナジウム)生活を送る個性あふれる5人の仲間が、偶然隠れ家で見つけた古い芝居の台本”飛ぶ教室”をクリスマスの校内発表劇の為に、ラップやダンスでリメイクし、ミュージカルとして上演するまでを描いた物語。
通学生グループとの雪合戦によるケンカや、夜の寄宿舎での枕投げ、女の子との淡い恋模様など、子ども時代に誰もが一度は経験したに違いない懐かしい場面は、まさにあの「ハリー・ポッター」の世界そのもの。学校の規則より友情がなによりも尊いというケストナーのメッセージは、人を愛することの大切さを、今、私たちに温かく伝えてくれる。

ストーリー


ヨナタンは寄宿学校を6つも替え、いずれも逃げ出したという前歴のある少年。今度はライプチヒにある少年合唱団で有名な聖トーマス校の寄宿舎へ入ることになったが、ここも長くはいられないという印象。ところが指揮者のベク“正義”先生は優しく、何かと理解を示し、ルームメイトの少年たちともすぐに意気投合し、彼はここがすっかり気に入った。そのメンバーは、頭が良くて冷静なマルティン、体のきゃしゃなウリー、実験精神旺盛で校長の息子のゼバスティアン、いつもお腹をすかしていて力自慢のマッツの4人。彼らはヨナタンが連れてきた犬を自分たちの秘密の隠れ家で飼うことにした。そこは空き地に放置されたままの古い汽車の禁煙車両。ところが、そこに怪しい男がやってきた。男は汽車の持ち主だと名乗り、その証拠に昔自分達がバンドをやっていた頃の写真を見せた。バンドは禁煙車輌に因んで”禁煙クラブ”といい、自分のあだ名は”禁煙”だったという。5人は自分達だけの秘密の隠れ家がなくなってがっかりしたが、”禁煙”はいつでも来ていいと言ってくれた。自分達が寄宿生だというと、とても懐かしそうで、ベク先生の事を知っているようだった。

次の朝、ライプチヒで最も由緒あるニコライ教会での彼らの合唱団公演がテレビ中継されることになっていた。ところが、ゼバスティアンが寄宿舎に入っていない通学生に、先生から預かった大事な楽譜を盗まれ、地下室に閉じ込められてしまった。この二つのグループが対立するのはこれが初めてではなかった。事あるごとにぶつかっていた。マルティンの作戦でゼバスティアンを救出することは出来たが楽譜は燃やされてしまった。おかげでコンサートはさんざんな結果に終わったが、ベク先生は怒るどころか、訳を聞いて、友達を助けるためにやったのなら良いことをしたのだと誉め、自分がかつて寄宿生だった頃の話を聞かせた。そして、クリスマス劇を大成功させ、名誉を挽回するように言った。

先生が気に入りそうな劇もやりたい劇もなく困っているところに、隠れ家の中でマッツが古い芝居の台本を見つけた。タイトルは「飛ぶ教室」。読んでみるとこれがすごく面白い。彼らはすっかりこの台本に夢中になってしまう。踊りをつけてミュージカル風にし、3001年の宇宙船と飛行士の話にしようと張り切る。

ところがベク先生が舞台稽古を覗き見ると、たちまち上演を禁止してしまったのだ。ヨナタンは怒って舞台装置を蹴飛ばして壊してしまい、はずみで火がつき、炎があっという間に広がった。寄宿舎が火事!消防隊が出動するという騒ぎになり、どうにか火事は消し止めることが出来た。ヨナタンは全てが自分の過失から起きたことを認め、謝るが、ベク先生もまた自分にも責任の一端があることを認めるのだった。彼は自分が何の説明もせず、この劇の上演を禁止したのが悪かったのだと謝罪するが、実はこの「飛ぶ教室」は先生の寄宿舎時代のつらい思い出を呼び起こすものだったのである。それは、この台本を書いたのが大親友だったローベルトで、彼はドイツが2つの国に分断されていた頃、東ドイツから逃亡し、それ以来会っていなかったのだ。

ところが最後に子供たちは、先生に思いもかけないプレゼントをする。かつての寄宿舎時代の大親友との再会を実現させたのだ。というのは、言わずもがな、あの“禁煙”こそ、その大親友ローベルトだったのだ。そして素晴らしいフィナーレ、即興で再現されたクリスマス劇では、寄宿生と通学生が共に仲良く歌い、ヨナタンはこの学校にこれからも長くいられることが嬉しかった。なぜなら彼はついに真の友達を見つけることができたからだ。

スタッフ

監督:トミー・ヴィガント
脚本:ヘンリエッテ・ピーパー、フランツィスカ・ブッフ、ウッシー・ライヒ
プロデューサー:ウッシー・ライヒ、ペーター・ツェンク
原作:エーリヒ・ケストナー「飛ぶ教室」(岩波書店刊)
撮影監督:ペーター・フォン・ハラー
美術:インクリット・ヘン
衣装:ブリギット・ミサール
編集:クリスチャン・ナウハイマー
音楽:ニキ・ライザー、ビーバー・ギュラッツ(挿入歌)、モーリッツ・フライゼ
製作:ババリア・フィルム、ルナリスフィルム
共同製作:クリストフ・ホルヘ、スザンヌ・ファン・レッセン、ZDF(ドイツ第二テレビ)

キャスト

ヨーハン・ベク先生:ウルリヒ・ノエテン
ボブ・ウトホフト(禁煙):セバスチャン・コッホ
クロイツカム校長:ピート・クロッケ
カトリン:アーニャ・クリング
ヨナタン・トロッツ:ハウケ・ディーカンフ
モナ・エーガーラント:テレザ・ウィルスマイヤー
マルティン・ターラー:フィリップ・ペータース=アーノルズ
ウリー・フォン・ジンメルン:ハンス・プロイヒ・ヴトケ
ゼバスティアン・クロイツカム:フランソワ・ゴシュケ
マッツ・ゼルプマン:フレデリック・ラウ
テオ:ニコラス・カントール
ヴァヴェルカ:ヤイメ・クルスト
ハッケ:ティルマン・ズース

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