原題:Intolerable Cruelty

2003年10月10日全米初公開

2003年/アメリカ/1時間42分/ビスタビジョン/DTS/SRD/SDDS/SR 配給:UIP

2010年11月26日よりDVDリリース 2008年03月13日よりDVDリリース 2007年08月09日よりDVDリリース 2004年09月29日よりDVD発売開始 2004年4月24日よりみゆき座他ほか全国一斉ロードショー 2004年4月10日より日劇1他ほか全国一斉ロードショー

公開初日 2004/04/10

配給会社名 0081

解説



ハリウッドで最もチャーミングな独身スターのジョージ・クルーニーと、ハリウッドで最もグラマラスな美貌を誇るキャサリン・ゼタ=ジョーンズ。いま最高に脂ののってるふたりが、あのコーエン兄弟のメガフォンのもと、白熱した駆け引きを繰り広げるパワフルで筋金入りのラブストーリーがやって来た!

クルーニーが演じるマイルズ・マッシーは、ロサンゼルスで活躍する離婚訴訟専門の弁護士。セレブなクライアントを数多く抱える彼は、どんな不利な裁判も逆転勝訴に持ち込むことで知られる凄腕の持ち主だ。かたやゼタ=ジョーンズが演じるマリリンは、離婚によって財産と自由を手に入れようと目論むキレモノの美女。不動産王の妻の座におさまった彼女は、結婚当初の目的どおり、夫の浮気の証拠をガッチリつかんで離婚に持ち込む作戦を実行に移す。かくして、法廷でぶつかりあうことになったふたり。夫側の弁護人となったマイルズは、証人席で涙を流すマリリンの名演技に大苦戦。かと思いきや、隠し球証人の登場によって形成は一発逆転。財産狙いの結婚であることがバレてしまったマリリンは、夫から1セントももらえずに路上へ放り出されることになる。

が、それは、ふたりの戦いのほんの始まりにすぎなかった。すかさず石油王をゲットしたマリリンは、婚前契約書の作成を依頼することでマイルズを挑発し、勝負を第2ラウンドにもつれこませる。おたがいに成功への野心と、相手を出し抜くワザにかけては、誰にも負けていないマイルズとマリリン。そんなふたりが、猛烈な裏のかきあいを繰り広げるドラマは、第3、第4とラウンドを重ねるごとにヒート・アップ。二重三重のドンデン返しが待ち受けたラストまで、最高にエキサイティングな頭脳ゲームを楽しませてくれる。

そんな映画の魅力を何倍にもふくらませているのが、クルーニーとゼタ=ジョーンズの息のあった競演ぶりだ。スマートなトークで猛烈なツッコミを入れるクルーニーと、それを嫣然とした笑みでかわすゼタ=ジョーンズ。キレモノ同士の駆け引きの面白さを、とことん極めたふたりの演技は、まさに絶品。ゼタ=ジョーンズがクールなキャラクターにオスカー女優の貫禄を光らせれば、クルーニーはキルト姿を披露するオチャメぶりを発揮……と、それぞれの個性を十二分に活かした活躍を満喫させてくれる。

このふたりに絡む役者陣にも強力な顔ぶれが揃った。マイルズの手で人生のどん底に突き落とされる昼メロのプロデューサーには、『シャイン』のオスカー俳優ジェフリー・ラッシュ。マリリンが釣り上げるテキサスの石油王には、コーエン兄弟の『バーバー』でゴールデン・グローブ賞候補になったビリー・ボブ・ソーントン。その他、人気コメディアンのセドリック・ジ・エンターテイナー、『ニクソン』のエドワード・ハーマン、『チェンジング・レーン』のリチャード・ジェンキンスなど、脇を固めるキャストにも個性的な演技派が集結している。

結婚前に離婚の取り決めを行う婚前契約のブラック・ジョーク的な側面に着目した脚本の面白さを、最大限に引き出す演出を手がけたのは、『ファーゴ』でアカデミー賞脚本賞、『バーバー』と『バートン・フィンク』でカンヌ映画祭の監督賞を受賞したジョエル・コーエン。彼が監督と脚本、弟のイーサンが製作と脚本を担当するスタイルは恒例のものだが、今回はさらに、『ビューティフル・マインド』の名プロデューサー、ブライアン・グレイザーが製作に参加。2大スターの共演作というメジャーなフィールドに打って出た兄弟を、強力にバックアップしている。

撮影監督のロジャー・ディーキンズ、プロダクション・デザイナーのレズリー・マクドナルド、衣装デザイナーのメアリー・ゾフレス、音楽のカーター・バーウェルといったスタッフは、いずれもコーエン組の常連メンバー。サイモン&ガーファンクルをフィーチャーした音楽に加え、ヴェルサーチ、ディオール、フェラガモ、ブルガリなどのヨーロピアン・ブランドをフィーチャーした、ゼタ=ジョーンズの華麗なコスチュームも話題の的だ。

ストーリー



セレブリティの結婚&離婚がお盛んなロサンゼルス。マイルズ・マッシー(ジョージ・クルーニー)は、この街で大成功をおさめた離婚訴訟専門の弁護士。「挑み、戦い、敵を完膚なきまでに打ちのめす」ことをモットーに生きる彼は、どんな不利な裁判でも相手の弱みを探り出し、逆転勝訴に持ち込むことで知られる凄腕の持ち主だ。彼のせいで人生のドン底に突き落とされた人間は数知れず。たとえば、妻の浮気が原因で離婚訴訟を起こしたTVプロデューサーのドナリー(ジェフリー・ラッシュ)は、妻の弁護人となったマイルズにしっぺ返しをくらい、財産を身ぐるみはがされるハメに陥ってしまった。

そんなある日、マイルズのもとに、妻に離婚訴訟を起こされた不動産王のレックス・レックスロス(エドワード・ハーマン)が駆け込んでくる。探偵のガス(セドリック・ジ・エンターテイナー)に浮気の現場ビデオを撮られ、圧倒的に不利な立場にあるレックス。しかし、ショッピング・センターの開発計画で首まで担保につかっている彼は、夫人のマリリン(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)に1セントの慰謝料も払わず、ピンチを切り抜けたいと考えていた。この無理難題を「挑戦だ」と受け止めたマイルズは、マリリンをディナーに誘い出した隙に、ガスを彼女の家に忍び込ませて住所録の写しを入手。そこから反撃の手がかりを探る作戦を実行に移す。

まもなくやってきた裁判の日。ピンクの清楚なドレスに身を包んだマリリンは、浮気の証拠ビデオの上映に涙を流し、女性判事の同情をひきまくる。が、それも束の間、すかさず反撃に転じたマイルズは、住所録から探し当てた隠し球証人を召喚。マリリンが、最初から財産目当てでレックスと結婚した事実を暴き、完全な勝利をおさめた。結局、1セントの金ももらえず、屋敷から放り出されたマリリン。だが彼女は、そのままおめおめと引き下がるほどヤワな女ではなかった!

しばらくしてマイルズの事務所に現われたマリリンは、なんと新しい婚約者を伴っていた。彼ハワード・ドイル(ビリー・ボブ・ソーントン)は、テキサスの有名な石油一族のひとり。テンガロン・ハットが異常に似合うこの男とマリリンが結婚する理由は、財産目当て以外に考えられない。が、その目論見に反して、彼女は、「ハワードの財産を守る婚前契約書を作ってほしい」とマイルズに依頼し、彼をビックリ仰天させる。「いったい何をたくらんでるんだ!?」と、ふたりきりになるチャンスを狙ってマリリンを問いつめるマイルズ。思わずマリリンにキスを迫った彼の胸には、テンガロン野郎に彼女を取られたくやしさがムラムラとこみあげてきた。

ハワードとマリリンの結婚式の日。マイルズも、相棒のリグレー(ポール・アデルスタイン)と共に式に出席した。そんな彼らの目の前で、思わぬハプニングが起きたのは、新郎新婦が誓いの言葉を述べた直後のこと。あろうことか、「愛の強さを証明する」と息巻くハワードが、あの婚前契約書を破り捨ててムシャムシャと食べ始めたのだ。これで自動的に彼の財産の半分はマリリンのものになる。マイルズは、彼女のたくらみの巧妙さに舌を巻くばかりだった。

6ヵ月後。婚姻専門弁護士総会に出席するためラスベガスへやって来たマイルズは、ハワードとの離婚によって巨万の富を手にしたマリリンと、運命の再会を果たした。人生の目的を遂げたものの、どこか寂しそうなマリリンの様子に、マイルズの胸は高鳴りっぱなしだ。そんな彼のもとに、深夜、親友の死にパニックになっているマリリンからSOSの電話がかかってきた。彼女の部屋にかけつけたマイルズは、「孤独なまま死ぬのはイヤ」と涙するマリリンと手に手を取って、簡易チャペルへ直行。怒濤の勢いで結婚式をあげる。

ただし、そこは用意周到なマイルズのこと。事前に婚前契約を交わすことは忘れなかった。今度の契約書は、マリリンの財産を守る目的のもとに作られたもの。だが、マイルズの愛を信じると言うマリリンは、ハワードの例に倣い、初夜のベッドのなかで契約書を破り捨てた。思わず感動に目をうるませるマイルズ。そのとき、彼は気づいていなかった。これが、トンでもない事態を招くことになろうとは……。

スタッフ

監督:ジョエル・コーエン
製作:イーサン・コーエン、ブライアン・グレイザー
脚本:ロバート・ラムゼイ、マシュー・ストーン、
   イーサン・コーエン、ジョエル・コーエン
撮影:ロジャー・ディーキンズ
美術:レズリー・マクドナルド
音楽:カーター・バーウェル
衣装:メアリー・ゾフレス
配給:UIP

キャスト

ジョージ・クルーニー
キャサリン・ゼタ・ジョーンズ
ジェフリー・ラッシュ
セドリック・ジ・エンターテイナー
エドワード・ハーマン
ポール・アデルスタイン
リチャード・ジェンキンス
ビリー・ボブ・ソートン

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