彼女はリンゴを買いに出かけ、そのまま姿を消した…

2003年/日本/カラー/118分/ビスタサイズ 配給:シネカノン

2004年11月26日よりビデオレンタル開始 2004年11月26日よりDVD発売開始 2004年5月8日(土)よりテアトル新宿、ヨコハマ・シネマ・ソサエティにて公開!

(C)『ジャンプ』パートナーズ

公開初日 2004/05/08

配給会社名 0034

解説


その夜、三谷純之輔は奇妙な名のカクテルを飲んだ。
ガールフレンドの南雲みはるは、酩酊した三谷を自分のマンションに残したまま、明日の朝食のリンゴを買いに出かけた。
「五分で戻ってくるわ」と笑顔を見せて。しかし、そのまま彼女は消えてしまった。三谷は、わずかな手掛かりをもとに行方を探し始めた。みはるの、そして関係した人々の足跡をたどっていく。
わずかなヒントで少し謎が解決されるが、また新たな謎が生まれる。そして三谷は、みはるが自分の意志で姿を消したことを知る。

原作は恋愛小説の名手として名高い佐藤正午の同名小説。
「本の雑誌」が選ぶ2000年度ベストテン第一位に輝いた話題作だ。
失踪の「理由」という強烈な疑問にぐいぐいと引き込まれるミステリーでありながら、切ないラブストーリーとして結実する本作は「映画にするべきだ!」という熱烈な支持を受け、ついに映画化が実現した。
監督は、根岸吉太郎、大林宣彦、エドワード・ヤン作品などの助監督としてキャリアを積み、自身も佐藤正午作品をこよなく愛する竹下昌男監督。
その独自の浮遊感、観察描写、かみ合わない会話のユーモアなど、佐藤正午ワールドを熟知した演出で堂々の監督デビューを果たした。

主人公・三谷を演じるのは映画初主演の原田泰造。
佐藤正午作品の“優柔不断な現代男性”=“僕”の心理をリアルに、そしてナチュラルに体現し、三谷の「何故だ?」という、心の絡まりが、もどかしさが手に取るように伝わってくる。
そして、謎めいて凛とした美しさを持つみはる=失踪する“彼女”に、韓国でも「ユミン」の名で人気の笛木優子。
一方、失意の三谷を静かに、力強く見守るもう一人の女性=鈴乃木早苗を『ターン』『花』の牧瀬里穂が演じている。

一年間に10万人以上の人が「ここではないどこか」を目指して失踪している。(※)

携帯電話だけの希薄な人間関係に陥りがちな現代社会で、誰もが思わぬきっかけで消える可能性を持っている。
『ジャンプ』は“残された側の物語”だ。
失踪という身近な事件をテーマに「何故人は消えるのか?」
「人は自分の大切な人のことをどれほど知らないのか?」そんな疑問を投げかける。そして、みはるを探す三谷の道程は、誰しもが持っている生きていることへの不安感、流される日常からかいま見える切なさと喪失感を刺激する。
もしも、あなたの“いちばん好きな人”が突然消えてしまったら?

※警視庁によれば、全国で一年間に「家出人捜索願」が出される数10万2130人(平成13年)

人生を左右する出来事は、ほんの些細なことだったりする。三谷が無理に飲んだカクテルや、みはるが買いに行ったリンゴのように…。
もしもその時、別な選択をしていたら、人生は変わっていただろうか。
人生とは無数の分岐点で、無意識にそれを選んでいく行為だ。誰もが正解の見えない日常を生きている。
三谷とみはるの運命を変えた出来事とは?そして三谷は何を選択するのか?

『ジャンプ』は現代人にとって“しあわせ”がどこに存在し、いかにそれが見過ごされ、また再び掬われるかを、ミステリーの手法を取って描いた新しいラブストーリーだ。

ストーリー

スタッフ

製作:安田匡裕、川城和実、高野 力
企画:根岸吉太郎、藤本俊介、河野 聡
プロデューサー:加藤悦弘、秋枝正幸、田辺順子
原作:佐藤正午(光文社刊)
脚本:井上由美子
監督:竹下昌男
撮影:丸池 納
照明:山川英明
録音:白取 貢
美術:磯見俊裕、林 千奈
編集:奥原好幸
音楽:大友良英
音楽プロデューサー:佐々木次彦
製作:「ジャンプ」パートナーズ
エンジンネットワーク/バンダイビジュアル/IMAGICA
配給:シネカノン

キャスト

三谷純之輔:原田泰造
鈴之木早苗:牧瀬里穂
南雲みはる:笛木優子
松永:光石 研
天笠みゆき:鈴木砂羽
バーのママ:金久美子
濱口瑠美子:唯野未歩子
コンビニ店長:寺島 進
江ノ旗耕一:伊武雅刀
管理人:上田耕一
宣伝部部長:平泉 成
営業課課長:中井貴一
みはるの同僚:吉瀬美智子

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