原題:Mad Love/Juana la Loca

狂女と呼ばれてもいい。あなたへの愛をつらぬくために。

2001年9月28日スペイン初公開

2001/スペイン/カラー/117分/シネマスコープ/Dolby SRD/原題:JUANA LA LOCA 後援:スペイン国大使館

2004年3月6日より銀座テアトルにてロードショー 2004年9月15日よりビデオ・DVDがポニーキャニオンより発売

『女王フアナ』(原題:JUANA LA LOCA) 銀座テアトルシネマ他2004年正月第二弾全国ロードショー

公開初日 2004/03/06

配給会社名 0058

解説


大航海時代、スペインを統一したイサベル女王の娘にして、神聖ローマ帝国皇帝カール5世の母。
イサベル亡き後はコロンブスの庇護者であり、長くイスラム・ユダヤ・キリスト教徒が混在していたスペインで、ユダヤ教徒追放を行った女王。
歴史・政治的に重要な位置にありながら後世に名を残したのは、女王としてではなく一人の女性としての、一途な愛ゆえであった…。
主演は、スペインで絶大な人気を誇るピラール・ロペス・デ・アジャラ。
海外での活動はまだ少ないものの、初主演となる本作での迫真の演技でゴヤ賞、サンセバスティアン映画祭の主演女優賞の二冠を受賞。
これにより早くも海外でも注目を集め、ヨーロッパ資本の映画では最大規模と言える製作費24億ドルの”THE BRIDGE OF THE SUN LUIS REY”に主要キャストとして出演中。
ロバート・デ・ニーロ、キャシー・ベイツ、ハーヴェイ・カイテル、ガブリエル・バーンと肩を並べている。
狂気なまでの一途な愛をつらぬいた女王として、さまざまな伝説を残す女王フアナ。
彼女の真実の生き様に迫った本作は、現代に生きる我々に時代を越えて愛することの意味を問いかけてくる。

ストーリー



機知と可憐さで、イサベル女王の誇りでもあった16歳のフアナ(ピラール・ロペス・デ・アジャラ)は、スペインの国家を代表して4,000人を越える大艦隊を従え、フランドル(=フランダース)のハプスブルク家に嫁ぐ。国と国との絆を深め、スペインの影響力を拡大する、という使命を帯びた国同士の結婚だった。
しかし、美貌の貴公子、フェリペ(ダニエレ・リオッティ)と対面した瞬間、フアナはすべてを忘れ、身も心もフェリペに捧げてしまう。出会った瞬間、互いに熱く求め合う二人。しかし、国の結婚であることは、フェリペにとっても同じであり、女性あしらいに長ける不実なフェリペとは、徐々に温度差が生じてくる。愛すれば愛するほど、心が離れていく夫。若き女王は、辛苦をなめる日々を送ることになる。フェリペはもはや、出会った頃のような情熱を彼女に抱いてはいなかった。
そんな折、女帝イサベルが死ぬと、その遺言で王位を継ぐことになったのは、父フェルナンドではなく、若干22歳のフアナだった。この時、その王位を手中にせんとする夫フェリペ、父フェルナンド、そしてフアナという三者が対立することになる。
ド・ヴェイル伯爵(ジュリアーノ・ジェンマ)は、この機に乗じ、フェリペを操り実権を握ろうと画策する。そして、その方法は嫉妬深く、気性の激しいフアナを「狂女」として失脚させることだった。議会を招集したフェリペはド・ヴェイル伯爵以下、権力に目がくらんだ貴族の助勢を得て、フアナを「狂女」と認定することに成功する。それによって彼は妻から女王としての権利を剥奪することができるはずだ。フェリペを後押しする貴族たちは、彼を王と呼ぶようになった。すべてが思惑通りに進んだかにみえたその時、フアナが現れた。
女王としての称号を讃えられながら、煌びやかに着飾ったフアナの堂々たる登場だった。戸惑うフェリペを尻目に、躊躇なく玉座へと進むフアナ。すべてを見抜いていたフアナは、その怒りを陰謀者たちに向け、自らの正当性を知らしめたのだった。
群衆は熱狂した。彼女は美しい正当なスペインの女王だ。そしてフェリペは妻から与えられた打撃に、ただ打ちひしがれるだけだった。しかしそれは失意による打撃だけではなかった。すでにフェリペは死の病に冒されていたのだ。
陰謀を知りながら、愛ゆえに夫を許したフアナ。死の直前、フェリペは、自分の犯した罪を悔い自分を愛し続けたフアナに繰り返し許しを請うのだった。
最愛の夫は死んだ。しかしフアナは夫の死を認めることができずにいた。フェリペはただ寝ているだけだと信じようとした。彼女は数週間カスティーリャの荒野を、棺を伴い彷徨いつづけた。まるでフェリペが生きているかのように話しかけ、彼の傍らで休んだ。彼女の狂気は、もはや手の施し様がなかった。カスティーリャ女王フアナの愛の狂気・・・しかし、それはこの世で最も美しい狂気だった。

スタッフ

監督・脚本:ビセンテ・アランダ
製作:エンリケ・セレッソ
撮影:パコ・フェメニア
美術:ホセップ・ロセル
編集:テレサ・フォント
録音:ダニエル・フォントロダナ
衣装:ハビエル・アルチニャノ

キャスト

フアナ:ピラール・ロペス・デ・アジャラ
フェリペ:ダニエレ・リオッティ
アイサ:マニュエラ・アーキュリ
アルバロ:エロイ・アソリン
エルビーラ:ロサナ・パストール
ド・ヴェイル伯爵:ジュリアーノ・ジェンマ

LINK

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