原題:Spirit: Stallion of the Cimarron

2002年5月24日全米初公開

2002年/アメリカ/カラー/カラー/84分/ 配給:UIP映画

2007年11月02日よりDVDリリース 2005年07月22日よりビデオリリース 2003年4月19日より日劇3ほか全国ロードショー公開

公開初日 2003/04/19

配給会社名 0081

公開日メモ シマロンの大草原を舞台に、伝説となった馬“スピリット”の荘厳な精神と冒険を『シュレック』のドリーム・ワークスが感動的に描く

解説




静かだが力強いナレーションで、この壮大なアドベンチャー・ロマンは幕を開ける。シマロンの大草原を舞台に、決して屈することのない魂を持った伝説の野生馬、スピリットの愛と友情の物語—。

ドリームワークス映画が、アカデミー賞最優作品賞(アニメ部門)を受賞した『シュレック』に続き、再びアニメーションの世界に革命を起こした。しかし、それは決して技術の進歩だけではなく、私たちの心の奥底で忘れ去られていた魂くスピリット>を呼び覚ますという奇跡。

この映画の主人公は、野生の馬という姿を借りた魂<スピリット>である。
同時に野生馬は自由で力強い者の象徴でもある。見た目の面白さや、キャラクターが先行したアニメーションとは一線を画し、彼ら=馬たちにはセリフが一切ない。スピリットの「心のセリフ」がナレーションとして最小限語られるだけである。言葉がなくても伝えられること…。それはまるで一流の俳優が小さな仕草だけで感情を表現するかのように、馬たちの目の動き、たてがみのそよぎ、足の運びのひとつひとつにメッセージが込められている。かつてこれほど繊細に描かれたアニメーションがあっただろうか。物を言わぬ彼らであればこそ、見ている方も言葉ではなく心で映画を感じることが出来る。

デリケートであると同時に、力強い描写も忘れ難い印象を残す。彼らの筋肉の雄々しさと、ひとたび走り始めた時の疾走感が、音響、映像、そして草の匂いや風を感じられるかのように、五感のすべてを刺激する。また馬たちの躍動感だけでなく、激流下りの場面、山火事のシークエンス等、これまでのアニメーション作品を超えた「映画的興奮」随所に散りばめられている。
そして物語の大きなテーマとなっているのが故郷への思いどんなに遠く離れていようと、いつも心の中にあり、スピリット<魂>がいつかきっと帰る場所・・・。誰にも侵されることのないシマロンの、目を奪われるほど美しい四季の移り変わりとともに、スピリットの冒険が始まる。

監督は、いずれも本作品がデビューとなるケリー・アスベリーとロアーナ・クック。アスベリーは『リトル・マーメイド』、『トイ・ストーリー』等の製作に携わり、クックは『ライオン・キング』のアニメーターとして名を連ねている。かつて2人は、同じくドリームワークス映画の『プリンス・オブ・エジプト』でストーリーボード・アーティストとして共同作業をした経験がある。

声の出演は、スピリットの「心の声」を『プライベート・ライアン』のマット・デイモンが担当。若さにあふれた語り口で、映像だけでは伝えきれないスピリットの勇気や内なる強さを十二分に表現している。また、リトル・クリーク役を映画初出演のダニエル・ステューディが、騎兵隊長役を『ディープ・インパクト』のベテラン、ジェームズ・クロムウェルがそれぞれ担当している。

さらに本作品がミュージカル映画的な一面を持っていることから、音楽は非常に重要な要素である。過去3度アカデミー賞にノミネートされ、『ロビン・フッド』ではグラミー賞を受賞したブライアン・アダムスが新作を6曲提供。スピリットの生き方そのものの力強い音楽が、映像との素晴らしいハーモニーを生み出している。

ストーリー




野生の馬が丘を駆け巡り、鷲が大空を飛び、木々が一斉に芽を吹く西部開拓前のシマロンの大地には、大自然の中で生きる力があふれていた。そんな大草原に、またひとつ小さな命が誕生した一野生馬の群れで生まれたスピリットは、その名の通り、母エスペランサから勇敢なスピリット<心>を受け継いでいた。しかも生まれた瞬間から好奇心いっぱいの彼にとって、シマロンの大地で生きていくことが何より楽しくて仕方がなかった。

やがて逞しく成長したスピリットは、群れの中で誇り高きリーダーとなる。満天に星の輝くある晩、スピリットは初めて「二本脚」=人間と出会う。それは近頃シマロンの地を荒らし、野生馬を捕らえているカウボーイたちだった。彼らを軽々と振り切って逃げるスピリット。ところが仲間たちにも危険が迫っていた。仲間を逃がすため、自分が囮となって縄を掛けられてしまうスピリット。連れ去られる彼の姿を見つめるエスペランサの叫びが大地に悲しく響き渡った。

スピリットは騎兵隊に売り飛ばされ、人間に従順になるよう調教されることとなった。しかし生まれてから誰も背中に乗せたことのない彼は、自らの誇りに賭けて次々と騎兵隊員たち振り落とす。やがて彼らはスピリットを恐れるようになるが、騎兵大佐だけは違っていた。睨み合う両者の視線が激しく交錯する。

罰として水も食べ物も与えられないスピリットは、杭につながれたまま星空を見上げ、故郷に思いを馳せる日々を送っていた。そんなある日、他の「二本脚」とは違う顔をした若者が連行されてくる。代々この土地に住む、ラコタ族のリトル・クリークだった。初めは人間など馬鹿にしていたスピリットだったが、優しく、どこか悲しげなリトル・クリークの笑顔に、大自然とともに生きてきた者だけが分かり合える魂を感じるのだった。気持ちが通じ合った時、彼らは決死の逃亡を企てる。柵を飛び越え、銃弾をくぐり、2人はだだひたすらに駆け抜けた。たどり着いた先は、リトル・クリークの故郷、ラコタ族の村だった。

スピリットはそこで、リトル・クリークに仕える美しい雌馬レインと出会い、恋に落ちる。秋が深まり、2頭の心の鼓動は次第にひとつになっていった…。しかしスピリットにとって、故郷もまたかけがえのないもの。「一緒に行こう…」スピリットはレインを誘うのだが、リトル・クリークを心から信頼し、彼とともに生きようとするレインは、首を横に振るばかりだった。その時、村に銃声が響き渡る1騎兵隊が追跡してきたのだ。火が放たれ、逃げまどう村の人々。そしてレインも銃弾に倒れてしまう。スピリットは傷ついたレインに寄り添い、命の灯火が消えないよう祈り続けるが、追っ手は容赦しなかった。抵抗する気力すらなくなったスピリットは、瀕死のレインを残し、再び捕らえられてしまう。

冷たい雪が降る中、生きる希望を失ったスピリットは貨車に乗せられ、鉄道工事の現場へと向かった。西部開拓のためには鉄道が必要であり、スピリットたち野生馬はそこで働かされるのだった。頭をよぎるのは故郷のこと、そしてレインのこと…。しかし今の彼には成すすべもなく、ただ巨大な機関車を山へ運ぶという過酷な労働があるだけだった。

やがて頂上が近づき、沈む太陽と遥かな山並みが見渡せた時、スピリットは確かに見たー「あれは故郷の山だ!」スピリットの目が輝きを取り戻した。「このままでは自分の故郷が壊されてしまう!」彼は鎖を引きちぎり、山を駆け下りた。しかしスピリットを追いかけるように、轟音をたてて山を滑り落ちる機関車。大爆発が起こり、炎に包まれたスピリットを救ったのは、駆けつけたりトル・クリークだった。炎の中から脱出する2人だが、執拗な騎兵隊が背後から迫ってくる。中にはあの大佐の姿もあった。行く手は断崖絶壁−自由のため、故郷のため、そして愛する者のため、スピリットとリトル・クリークは互いの友情と奇跡を信じて走るしがなかった…。

スタッフ

監督:ケリー・アスバリー、ローナ・クック
製作:ミレイユ・ソリア、ジェフリー・カッツェンバーグ
脚本:ジョン・フスコ
音楽:ハンス・ジマー
主題歌:ブライアン・アダムス
編集;ニック・フレッチャ−
プロダクションデザイナー:キャシー・アルティエリ
アートディレクター:リュック・デスマーチェリーアー、ロナルドW・ルーカス
アニメーション・スーパーバイザー:クリストフ・サランド

キャスト

スピリット(マット・デイモン)
大佐(ジェームス・クロムウェル)
リトル・クリーク(ダニエル・スタディ)
アダムス軍曹(チョッパー・バーネット)
リトル・インディアン・ガール(メレディス・ウェルズ)

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