原題:Calendar Girls

2003年12月19日全米公開

2003年/イギリス/カラー/108分/DTS / Dolby Digital / SDDS 配給:ブエナビスタエンターテインメント(ジャパン)

2004年10月20日よりDVD発売開始 2004年10月20日よりビデオレンタル開始 2004年5月29日より日比谷シャンテシネ公開

(C)Buena Vista International All rights reserved.

公開初日 2004/05/29

配給会社名 0069

解説


平凡な主婦のクリスは、“何も起こらない毎日”にうんざりしていた。クリスの親友のアニーは、最愛の夫を病気で失い、その心の傷を癒せずにいた。二人の女性に必要だったのは、人生をちょっとだけ輝かせてくれるハプニング。そこで二人は自分たちが所属する婦人会でヌード・カレンダーを制作しようと思い立ち、自らモデルとなる決意を固める。だが平凡な日常から抜け出そうとする彼女たちの勇気は、英国ヨークシャーの小さな田舎町に思わぬ嵐を巻き起こすのだった…。
1999年に発売され、30万部ものセールスを記録した、世界初の《婦人会ヌード・カレンダー》この驚くべき実話を基に、勇敢にしてキュートな主婦たちの心の冒険を描く感動のドラマが誕生した。あまりに突飛な主婦たちの“暴走”に、家族は戸惑い、町の人たちは眉をひそめる。だが、彼女たちは決してあきらめなかった。一生に一度だけ、自分の人生の主役になることを…。物語のベースとなったのは、実際のカレンダー作りの中心人物であったトリシア・スチュワートとアンジェラ・ベイカーのドラマティックな体験。映画ではトリシアがクリス、アンジェラがアニーという役名に変えられている。アニーは最愛の夫ジョンを白血病で失い、失意にくれる日々を送っている。そんなアニーを励ますため、長年の親友クリスは、毎年恒例の婦人会のカレンダーの売り上げでジョンのいた病院への寄付金集めをしようと提案する。これまでのカレンダーは、橋や教会といった無難で保守的なモチーフを選んできたが、そのわずかな収益では寄付など及びもつかない。そこで、婦人会のお竪いイメージをひっくり返す大胆なアイディアが生まれる。自分たち自身がジャムやケーキを作っている日常の姿を、カレンダーにしてみたらどうだろう。ただし、モデルは全員ヌードで…!
 何十年も夫や子供たちと静かな生活を送ってきた主婦たちによる、大胆不敵な挑戦。その突然の冒険に家族たちはとまどい、婦人会も難色を示すが、彼女たちの決意は固かった。紆余曲折を経て刷り上がった美しいカレンダーは、初刷500部からスタートし、信じがたいことにやがては世界中で30万部を売り上げるベストセラーとなる。
 女同士の友情に支えられた彼女たちの勇気ある行動は、英米のマスコミに大旋風を巻き起こし、中年女性の輝ける希望の星として脚光を浴びる。しかし、その華やかな成功の影には、思わぬ落とし穴がひそんでいた…。
 この奇想天外な実話を映画化したのは、ハーバー・ピクチャーズの製作者チーム、スザンヌ・マッキーとニック・バートン。
「40才すぎたら、もう、美しくないのでは、と不安がっている女性たちに勇気をあたえる物語で,世代を超えたすべての女性たちが共感してくれると思った」と、語るマッキー。そんな製作チームの狙いは見事に大当たりとなり、英国の有名紙〈デイリー・メール〉は「この映画は『リトル・ダンサー』以来、最高のイギリス映画」と大絶賛。2003年秋に公開された英国では№1大ヒットを記録し、『ターミネーター3』『マトリックスレボリューションズ』といった超人作を見事に抑えて同年公開作品中第8位という驚異的な興行収人を稼ぎだした。
 小さな町で暮す等身大の女性たちが、生涯一度きりの大冒険を経験することで、人生の新しい希望や女同士の友情を見つめ直す、というユニークで感動的な物語を、いかにもイギリス映画的なユーモアと温かさに満ちたタッチで描くために、映画や舞台で活躍中の英国を代表する実力派女優たちが集められた。活動的なヒロイン・クリスを演じるのは、『ゴスフォード・パーク』では2度目のアカデミー賞候補となり、本作でゴールデン・グローブ賞主演女優賞にノミネートされたヘレン・ミレン。最愛の夫を病気で失った慎重な性格のアニーを演じるのは、『リトル・ダンサー』でアカデミー賞候補となり、『ハリー・ポッター』シリーズのロンの母親役でもおなじみのジュリー・ウォルターズ。夫の不審な行動に戸惑うルース役に『アイリス』のペネロープ・ウィルトン。スポーツ・ウーマンのシーリア役に『ブリジット・ジョーンズの日記』のシーリア・イムリー。また、教会でオルガンを弾くコーラ役を『めぐりあう時間たち』のリンダ・バセットが演じている。
監督はブレンダ・ブレッシン主演の“Saving Grcw”が2000年のサンダンス映画祭で絶賛され、新しい実力派監督として大きな期待が寄せられているナイジェル・コール。撮影監督は『マリー・アントワネットの首飾り』のアシュレイ・ロウ。プロダクション・デザインは『恋におちたシェイクスピア』でオスカー受賞のマーティン・チャイルズ。編集は『僕の国、パパの国』のマイケル・パーカー、音楽は『ブリジット・ジョーンズの日記』の売れっこ、パトリック・ドイルが担当している。
 教会のオルガン弾きのコーラは、ヌード・カレンダー制作の誘いに真顔でこう答える。「私はもう55才よ−いま脱がなかったら、いつ脱ぐの?」…思わずクスリと笑った後で、ハッと気づかされる。それが「いつ」であろうとも、チャンスは常に「いま」しかないのだ。だからこそ我らがカレンダー・ガールズは、人生の脇役であることを辞め、主役としてカムバックする。どんなグラビア・アイドルにも負けない、本物の輝きに包まれて…。

ストーリー

 イギリスのヨークシャーにある小さな田舎町、ネイプリー。そこで平凡な主婦として暮すクリス(ヘレン・ミレン)とアニー(ジュリー・ウォルターズ)は、毎月、女性連盟のミーティングに参加していた。会のモットーは「自己啓発と娯楽と親睦」。その月のゲストが、乳製品やブロッコリーの作り方などをマジメくさった口調で話すのだ。そんな会に退屈しつつも、他にすることもなく参加し続けるふたりだった。
花屋の夫ロッド(シアラン・ハインズ)や思春期の息子ジェムと暮らすクリスは、活動的な性格で、考えるよりも先に動くタイプ。
女性連盟の品評会にスーパーで調達したケーキを出品して、まんまと賞を獲得するなど、田舎町にはそぐわない型破りな存在だ。一方、ひまわりの花をこよなく愛する夫ジョンと暮すアニーは、どこか控え目で、考えないと動き出さないタイプ。こんな正反対の性格だからこそ、ふたりは気が合い、長年に渡って、温かい友情をはぐくんできた。
 そんなふたりに人生の転機が訪れる。アニーの夫が白血病で他界してしまったのだ。クリスは悲しみにくれる友人を励ますため、女性連盟が毎年制作するカレンダーの収益で.ジョンのいた病院への寄付を提案する。しかし、昨年のカレンダーの収益はたったの75ポンドと60ペンス。カレンダーの売上げを伸ばす、画期的なアイディアはないものだろうか?やがてクリスは大胆な提案をする。カレンダーで女性連盟のメンバーたちがヌードになったら?
 女性連盟の友人たちは、この無謀とも思える企画に最初は大反発。しかし、アニーの一言が彼女たちの心を動かした。
「ジョンが言ってたの。“ヨークシャーの花は女性に似てる。満開の時が最も美しい”って。きっと彼も応媛してくれるわ」ひとり、またひとりと、有志が集まり始めた。教会でオルガンを弾くコーラは真顔でアニーに答える。「私はもう55才—今、脱がなくて、いつ脱ぐの」。
 女性連盟の支部長マリー(ジェラルディン・ジュームズ)は、ヌード・カレンダー制作をクリスが画策していることを知り、定例会でクリスを激しく非難するが、驚いたことに他の女性たちも次々にこの発案に賛同する。そう、誰もが今のままの人生に、少々退屈していたのだ。いよいよ、ヌード・カレンダーの企画が本格的に動き出した。
 カメラマンに選ばれたのは、他界したジョンの知人のローレンスだ。彼は、女性たちの勇気ある決断に応えるべく、カレンダーのためにユニークにして芸術的なアイディアを提供する。彼が撮影するのは、女性たちがジャムやケーキを作っている日常の風景。ただひとつ違っているのは、モデルたちがヌードだということだけ…。この酒落たアイディアに全員が大満足し、ジムに通ったり、美容院に行ったりと、必死に自分磨きに励み始める。彼女たちの顔は生き生きと輝き始め、生涯、一度きりのヌード写真の撮影に向けて充実感に満ちた日々を送る。
 そして、遂に運命の日がやってくる。赤ワインを飲みながら、なごやかに談笑し、撮影の瞬間を待つ。最初は男のローレンスがカメラマンとして部屋にいることに抵抗したメンバーだったが、やがては笑顔を取り戻してローブを脱ぐ。こうして、12ヶ月分の撮影は無事終了。一方、妻たちの大胆な決断に動揺を隠せない夫たちは、地元のパブに集まり酒をあおる。
ひとつだけ、大きな問題が残っていた。カレンダーの発行には女性連盟の認可が必要だった。クリスとアニーは、女性連盟の全国大会に乗り込み、「カレンダー作りは病院への寄付金集めが目的」と、会長を必死で説得する。ふたりの必死の訴えに、ふだんは保守的な女性連盟も出版を許可する。
一人でも多くの人にカレンダーの存在を知ってもらうため、クリスたちは記者会見の場を用意していた。しかし、女性連盟の説得に時間がかかり、30分も遅刻したクリスとアニーは、会見場に誰もいないことを知って、うなだれる。「私たちがヌードになっても、誰も見向きもしないのね」…その時、会見場のスタッフがふたりにポツリと告げた。「あんまり人が殺到したもんで、隣の大きな部屋に移ってもらったよ」。部屋に入ったふたりは、大歓声で迎えられる。女性連盟のヌード・カレンダー作りという大胆なアイディアは多くの報道陣の度肝を抜き、英国中の記者たちが会見に押しかけていたのだ。
この日から、一躍マスコミの話題の的となったクリスやアニーたちのもとには、一般の人から激励の手紙が次々に届く。「あなたたちのカレンダーのおかげで、私は笑顔を取り戻しました。みなさんの勇気に感謝します」。彼女たちは全国の中年女性たちの輝ける希望の星となり、カレンダーは順調に売り上げを伸ばす。
 こうした成功の陰で、これまで平凡な人生を過ごしてきた妻たちの予期せぬ活躍に、夫や子供たちはどこか複雑な思いを隠し切れない。彼女たち自身もまた、脚光を浴びることの恐ろしさを知るには無垢すぎた。華やかな成功の向こうには、思わぬ“落とし穴”が待っていたのだ……。

スタッフ

監督:ナイジェル・コール
製作:ニック・バートン
   スザンヌ・マッキ—
脚本:ジュリエット・トウィディ
   ティム・ファース
音楽:パトリック・ドイル
編集:マイケル・パーカー
撮影:アシュレイ・ロウ
プロダクション・デザイン:マーティン・チャイルズ
衣裳デザイン:フランシス・テンペスト

キャスト

ヘレン・ミレン
ジュリー・ウォルターズ
ペネロープ・ウィルトン
アネット・クロスビー
シーリア・イムリー
リンダ・バセット
シアラン・ハインズ
ジョン・アルタートン
フィリップ・グレニスター
ジェラルディン・ジェームズ

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