原題:THE BLACK DEATH/PEST

最!終!感!染! ペスト(黒死病):法定伝染病の一種。鼠、蚤によって媒介され、感染すると高熱を発し、 皮膚が乾燥、黒色と化す。死亡率絶対。 壮大なスケールで放つ細菌パニック超大作!

2001年/ドイツ映画/116min(DVD180min) DVD発売:クリエイティブアクザ・販売:パイオニアLDC(税抜:4,700) ビデオ発売:コムストック、クリエイティブアクザ・販売:マクザム(税抜:16,000)

2002年2月22日DVD発売/2002年2月8日ビデオ発売&レンタル開始

(C)RTL

サブ題名 最!終!感!染!

解説


『アウトブレイク』に代表される人気ジャンル、細菌パニック最新作!
中世のヨーロッパ全土で猛威を振い、壊滅寸前に追い込んだ悪魔の病原菌、黒死病が現代に復活。突如、蔓延した殺人ウィルスに人類は立ち向かえるのか?
壮大なスケール、息つく間のない緊迫感、そして濃密な人間ドラマ。従来のパニック映画にはない、荘厳な感動と、人類の終末を描くディザスター巨編!

【チェック・ポイント!】

 先月リリースの『ファングス』に続くかのような、ドイツ製伝染病=鼠パニックドラマの力作。勿論両者は正・続の関係にあるわけでもないし、見せ場や物語で比重を置いている部分とかは全然異なるわけですが、その生真面目な作りとか、市長を務めているのがどちらもオバチャンでゴミ対策を巡って揉めてたり(実際の所は知りませんが、これってドイツの現状なのかな?)とか、共通する要素がチラホラ見受けられます。何より、エボラとかラッサとかアンドロメダ(ちょっと古いかな)やサタン・バグ(さらに古いか−笑−)といった、より強力だったり架空の存在だったりするものじゃなく、下手すりゃアナクロな印象も与えかねない…けど実際凶悪な威力を持つことは間違いない黒死病=ペストを題材にしているあたり、中世に経験した災禍が民族の歴史として刻み込まれている証左でしょう。
 本作で蔓延するペストは『カサンドラ・クロス』等のように軍が秘密裏に兵器として開発していたものではなく、細菌研究所がシベリアで採取し撲滅のための研究を進めていたというもの。それを研究員の一人が、保菌していたマウスとともに持ち去り、街に放つと本人も自殺していた。このあたり、『機動警察パトレイバー劇場版』で凶悪なコンピュータ・ウィルスをレイバーのOSに仕掛け、自らは準備を整えるとオープニング早々に自殺してしまった犯人に通じるものがあり、そんな不在でありながら不気味な影を落とす存在が、破滅的世界感を感じさせるスパイスとなっています。とは言え、本作は基本線ではフィクショナルな要素は抑え目に、舞台となるケルン市の病院の実直な医師、若く才能豊かだが学会から認められない細菌学者、ペストを放った男の上司だった女性研究者と立場・性格はそれぞれ異なる3人が絶望的な状況下で病魔に挑む姿を軸に、防疫のために軍により隔離された市街でのパニックと闘いの日々がドキュメンタリー・タッチで描かれていく。ことに、防疫のために封鎖された橋で、逃亡しようとする市民に止む無く発砲する軍を、ビデオ画質のニュース映像として捉えた部分など、リアルな恐怖感が伝わってきます。ビデオ版では登場人物個々のドラマが、ちょっと…いや結構かな(苦笑)駆け足な感もあるけれど、DVD版は60分長い完全版とのことなのでより重々しく深いものを味わいたい方にはそちらがオススメかも。
(殿井君人)

ストーリー



ケルン総合病院に、高熱を発し、正体不明の腫瘍を持ったホームレスが運び込まれた。担当医のプルーガーは、この患者の培養菌を疫病学者のリンデンタール博士に見てもらうことに。
すると、その病原菌は、かつて猛威を振った病原菌ペスト(黒死病)だった。2人は市長に報告するが、市長は、市民がパニックに陥るのを避けるため、非常事態宣言を見送ってしまう。そして性急な隔離策を行わなかった為に、多数の死者が出てしまった。次第に蔓延し始めたペストに、二次感染を恐れた市側は、発生源の巨大都市全域に戒厳令を布き、町ごと隔離する策に出た。不安に駆られた市民は暴動を起こし、鎮圧のための軍隊が出動、事態は一刻の猶予もなくなっていた。
一方、感染源を探っていたリンデンタールは、感染者の隣りに住む男の家から、手掛かりになりそうなモンハイム研究所のフランケ博士の名前を発見。フランケ博士はリンデンタールに、その男がかつて彼女の助手で、研究材料として飼っていたペスト菌の宿主であるネズミを持ち出していたことを打ち明ける。男はネズミを町に放し、自殺していたのだ。そのネズミを見つければ、抗生物質を作ることが出来る。正義感溢れる医師たちは、人々を救おうと、あらゆる可能性にかけるが…。

スタッフ

製作:サム・デイピス、マイケル・ソーヴィグナー、マーク・ホーナ
脚本:マイケル・ベルクマン、ダグラス・ウェルバット、マーク・タージュング、ニキ・ステイン
撮影:アーサー・W・アーウィラー
監督:ニキ・ステイン

キャスト

ティム・ベルクマン『デスゲーム』『絶体絶命2001』『クラッシュ2000』
アンチェ・シュミット
トーマス・サーバチャー
ジャン・グレゴール・クレンブ『23 トゥエンティースリー』

LINK

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