サウンド・オブ・サイレンス
原題:Don't Say a Word
・・・絶対に教えない
2001年/アメリカ/シネマスコープ/ドルビーSR・SRD・DTS/上映時間:1時間54分/日本語版字幕:松浦美奈 配給:20世紀フォックス
2007年11月21日よりDVDリリース 2005年04月28日より特別編DVDリリース 2002年11月08日よりDVDレンタル開始 2002年5月25日より日比谷スカラ座ほか全国東宝洋画系にてロードショー!!
公開初日 2002/05/25
配給会社名 0057
公開日メモ 誘拐された娘。監視されている家。迷っている時間は無い!午後5時——タイムリミットまでにパスワードを聞き出さないと幸せな家庭は消滅する
解説
《誘拐された娘。監視されている家。迷っている時間は無い!午後5時——タイムリミットまでにパスワードを聞き出さないと幸せな家庭は消滅する》
複雑に絡み合う謎、息をつかせぬ展開、タイム・リミットヘと高まるテンション、そして親子の愛情——あらゆる要素を凝縮したサスペンス・アクションの新たな金字塔が誕生した。
『サウンド・オブ・サイレンス』は、2001年10月2日付けの全米週末興行成績で初登場No.1を獲得。原作は全米探偵作家協会のエドガー賞を受賞したアンドリュー・クラヴァンのサスペンス『秘密の友人』。ハリウッドを代表する俳優兼プロデューサーで、『ウォール街』『トラフィック』などの作品で25年以上も活躍を続けるマイケル・ダグラスの最新主演作だ。
この作品は2時間弱のストーリーの中に3つの柱を用意し、膨大な情報を受け取ることに慣れた現代の観客にすら息つく間も与えない。まず、主人公のネイサンをめぐる物語。犯人の影はおろか目的すらわからないまま、ネイサンは娘を救うためにニューヨークの街を駆け回る。践された時間はあと僅か。タイム・リミットを目前にして、彼がとった行動とは?
2つ目はネイサンの妻アギーにしのびよる恐怖。彼女はスキー旅行で足を骨折し、ベッドから動くことができない。しかし、犯人たちの魔の手はアギーをも襲う。体を切り刻むような恐怖の足音が刻々と近づく中、アギーは果たしてこの窮地を脱することができるのか?
そして最後は女刑事サンドラを中心に描かれるポリス・ストーリー。美しいだけでなく明晰でタフな彼女は、一見関係なさそうな殺人事件を追ううちに、ネイサンをめぐる事件の核心に急速に迫る。世の中が感謝祭の休日に興じる中、ダラけ気味な鑑識課員の尻を叩き謎を追いかける彼女の努力によって、犯人グループは徐々にその全貌を現していく。
事件の鍵を握る少女エリザベスは『クルーレス』『17歳のカルテ』でハリウッド注目の新星ブリタニー・マーフィが演じる。ネイサンの妻アギーは『X-メン』『ラウンダーズ』をはじめとする多彩な映画での出演歴を誇るファムケ・ヤンセン。誘拐犯のリーダー、コスターを演じるのは『パトリオット・ゲーム』『ゴールデンアイ』などの悪役で強烈な印象を残すイギリスの演技派ショーン・ビーン。
ニューヨーク市警のサンドラ・キャンディ刑事は『サマー・オブ・サム』『ドラキュリア』のジェニファー・エスポジートが演じる。エリザベスの主治医サックス医師役は『サイモン・パーチ』のオリバー・プラット。そしてネイサンの娘ジェシーを『サイダーハウス・ルール』でデビューした天才子役スカイ・マッコール・バーツシアクが演じる。実力派から個性派、ベテランから期待の新人まで揃った豪華キャストで、『サウンド・オブ・サイレンス』は超一級のエンターテインメントとなった。
監督は『デンバーに死す時』『コレクター』などで窮地に陥った主人公の奮闘する姿を描いてきたゲイリー・フレダー。力強く、かつスタイリッシュな映像は、まさにこの作品にぴったりと言っても過言ではない。全米探偵作家協会のエドガー賞を受賞したアンドリュー・クラヴァンの「秘密の友人」を原作に、アンソニー・ペッカムと『ダイヤルM』のパトリック・スミス・ケリーにより、様々な脚色を加えられながら台本が執筆された。当初からプロデューサー陣、脚本家の頭の中には、主人公としてマイケル・ダグラスのイメージがあった。
製作のアーノルド&アン・コペルソンは『プラトーン』『逃亡者』をはじめとして、17回のアカデミー賞ノミネートを受け、全世界で20憶ドル以上の興行収入を稼ぎ出している。この2人とニュー・リージェンシー・プロダクションズの産みの親であるアーノン・ミルチャンが手を結び、この映画は誕生した。
製作総指揮には、『デンバーに死す時』でプロダクション・スーパーバイザーを務めたジェフリー・ダウナーと、ワーナー・ブラザースと40本の劇場用長編映画を製作する契約を結んでいるビレッジ・ロードショー・ピクチャーズの会長兼最高経営責任者であるブルース・バーマンが共同であたった。また、原作者のアンドリュー・クラヴァンは共同プロデューサーの一人として名を連ねている。
撮影はイラン出身で『ジョイ・ラック・クラブ』『コヨーテ・アグリー』などを手掛けたアミール・モクリが担当。プロダクション・デザインはゲイリー・フレダー監督のすべての長編作品を担当しているネルソン・コーツ。ニューヨーク大学付属のベルヴュー病院をモデルに、トロントにこの物語のメインの舞台となるブリッジヴュー病院を作り上げた。
衣裳を担当したのは『氷の微笑』『ダイヤルM』などでマイケル・ダグラスとチームを組んだエレン・ミロジニック。編集は『トッツィー』『愛と哀しみの果て』『恋のゆくえ/ファビュラス・ベイカー・ボーイズ』でアカデミー賞に3度ノミネートされたウィリアム・スタインキャンプとアーメン・ミナセインが共同であたった。音楽は『リバー・ランズ・スルー・イット』でアカデミー賞とグラミー賞にノミネートされたマーク・アイシャムが担当し、映像に緊迫感を与えている。
ストーリー
事件の予兆は一本のコールサインからだった。
感謝祭を翌日に控え、街も人も浮き足立った気分に満ちているニューヨーク。アッパー・ウェスト・サイドで精神科を開業しているネイサン・コンラッド医師(マイケル・ダグラス)は美しい妻アギー(ファムケ・ヤンセン)と8歳になる愛らしい娘ジェシー(スカイ・マッコール・バーツシアク)が待つ家へと車を走らせていた。今や1時間の診察料金が200ドルのネイサンは、裕福な顧客を数多く持つ、ニューヨークで最も成功を収めた精神科医の一人だった。
911(緊急)とディスプレイされたそのコールサインは、ネイサンの古巣、ブリッジヴュー病院の元同僚のルイス・サックス医師(オリバー・プラット)からだった。家族との約束を破ることに舌打ちしながらも、医者としての義務感から、ネイサンはブリッジヴュー病院へと向かった。
病院で彼を待っていたのはエリザベス・バロウズ(ブリタニー・マーフィ)という少女だった。緊張型分裂症の患者として、およそ10年もの間閉鎖病棟に収容されている彼女は、最近看護士に重傷を負わせたのだという。週明けまでに治療に進展が見られなければ、州立の収容所に送られてしまうということで、サックスはネイサンに最後の希望を託したいというのだ。
エリザベスのカルテには彼女が起こした数々の暴力事件の記録と、一貫性のない診断、そして見当はずれの治療方法が満載されていた。それは同時に有能な医師であるネイサンの助けが無くては、エリザベスの治療はかなわないということでもあった。
エリザベスのような難しい患者を治療することこそ、開業医となる前のネイサンが本来情熱を傾けていたことだった。ネイサンはすぐさま彼女の病室に入り、面談治療を開始する。ネイサンの優れた技量によって、この初めての面談でエリザベスの口を開かせることに成功した。しかし、彼女が語ったのは「狙いは奴らと同じ…そうでしょ?言うもんですか…誰にも…誰にも…」という意味不明の言葉だった。たとえ真意が掴めなくても、これは診療の突破口となる。わずかな成果ではあるが、初日としては十分でもある。だが、このときのネイサンには知る由もなかった。翌日にはエリザベスが心に秘めている”秘密”をどうしても聞き出さなくてはならなくなることを。
そのころハドソン川では、ニューヨーク市警のサンドラ・キャンディ刑事(ジェニファー・エスポジート)が見守る中、若い女性の死体が引き上げられていた。この身元不明の女性は、一昨日変死体となって発見された札付きの前科者と同じ殺され方をしていた。彼女の第6感は”これはただの殺人ではない”ことを告げていた。
コンラッド家の感謝祭の朝は、スキーで足を骨折したアギーがベッドから起き上がれないことを除いて、いつも通りの平和な朝であるかのようだった。だが、姿の見えないジェシーを探すネイサンが見つけたのは切断されたドアチェーンと廊下に片方だけ落ちていたジェシーの靴下だった。”誘拐”——。すぐさま警察に通報しようと受話器を取った時、ネイサンの耳にとびこんできたのは、犯人グループのリーダー、コスター(ショーン・ビーン)の声だった。
「ルール1、要求はするな、命令に従え。昨夜診た患者のエリザベスから6桁の数字を聞き出せ。それができたら娘は返してやろう」。既にこの時、彼らはネイサンとアギーの一挙手一投足を監視していた。「ルール2、誰にも知らせたりするな。知らせたら娘は殺す」。窓の外を見やるネイサンだが、そこには摩天楼がそびえたっている。高層ビル群のおびただしい窓という窓が、犯人たちの姿がかいま見えないかと必死に目をこらすネイサンをあざ笑っているかのようだった。「ルール3、期限は今日の午後5時だ」。意を決したネイサンは感謝祭のパレードをつっきってブリッジヴュー病院へと向かう。
コスターたちはコンラッド家の要所要所にモニターを仕掛けていた。リーダーのコスターが監視と指示を出し、ドーレン(ガイ・卜ーリー)はその補佐役、マックス(コンラッド・グッド)はジェシーの監視だった。ブリッジヴュー病院へと向かったネイサンを尾行する仲間から刻一刻連絡が入る。そして、あろうことか、彼らの監視の目はエリザベスの病室まで及んでいた。
ネイサンが病院に到着してまず行ったことは、過去のエリザベスのカルテの詳細な再検討だった。そして彼はエリザベスは父親の死により精神的なダメージを負っているが、決して心が病んでいるわけではないと確信する。父親の死を目撃した恐怖と、死を賭けても守った秘密を自分もまた守ろうとする”2重の鍵”が彼女の心にかかっているのだ。そして、精神病患者を装うことによって自らの身を守っているのだった。
エリザベスが強い意志の持ち主であるばかりでなく、明晰な少女であるとネイサンは確信する。そして、エリザベスの心の奥底にあるはずの”ある数字”を聞きだすことは、ジェシーを救うのみならず、エリザベスを暗い穴の奥底から引き出すことになることに気付くのだった。
ネイサンの治療が再び始まる。自らの弱さをエリザベスに隠すことなく語ることで、彼女の心を開こうネイサンは自分の身の上に起こっていることをエリザベスに語った。そして彼はジェシーの書いた絵や玩具をエリザベスに見せるのだった。とその時、エリザベスはジェシーの人形に反応した。だがそこまでだった。タイムアップは近い。そしてネイサンは決意する。エリザベスの父が殺されたという地下鉄のカナル通り駅に向かうことを。
まさにその時、ブリッジヴュー病院に駆けつけたのはキャンディ刑事だった。ハドソン川の死体はサックス医師の愛人だったのである。サックスと事件の関わりが明らかになることで、彼女は今やキーパーソンはネイサンたちであることに気付く。だが一瞬遅かった。ネイサンとエリザベスの乗る車を追いかけて、キャンディは再びニューヨークの喧騒の中へと飛び出してゆく。
一方、アギーの身にも危険が迫っていた。彼女はある”ヒント”によって犯人たちの居場所を直感した。そしてそのことは瞬時にコスターに見抜かれてしまったのである。今やアギーは、コスターたちにとっては単なる邪魔者でしかない。凶器を片手にしたドーレンが、蹟踏いの片鱗すら見せずに彼女のもとへと向かう。
夕闇が迫るチャイナタウンの雑踏を急ぐネイサンとエリザベス。今やネイサンは良識ある精神科医ではなく、ただひたすら2つの魂を救うために必死にあがこうとしているひとりの男であり父親だった。そして、エリザベスは時間を遡っていく。彼女の心の鍵が開いたとき、事件はさらに大きく展開するのだった。
時計の針はまもなく午後5時を指そうとしている
スタッフ
監督:ゲイリー・フレイダー
製作:アーノン・ミルチャン、アーノルド・コペルソン、アン・コペルソン
脚本:アンソニー・ペッカム、パトリック・スミス・ケリー
原作:アンドリュー・クラヴァン
製作総指揮:ジェフリー・ダウナー、ブルース・バーマン
撮影監督:アミール・モクリ
プロダクション・デザイナー:ネルソン・コーツ
編集:ウィリアム・スタインキャンプ,A.C.E.、アーメン・ミナセイン
衣裳デザイナー:エレン・ミロジニック
共同製作:アンドリュー・クラヴァン、ナナ・グリーンウォルド
音楽:マーク・アイシャム
音楽スーパーバイザー:ピーター・アフターマン
サントラ盤:カルチュア・パブリッシャーズ
原作:角川文庫(「秘密の友人」)
キャスト
ネイサン・コンラッド医師:マイケル・ダグラス
パトリック・B・コスター:ショーン・ビーン
エリザベス・バロウズ:ブリタニー・マーフィ
ジェシー・コンラッド:スカイ・マッコール・バーツシアク
マーティン・J・ドーレン:ガイ・卜ーリー
サンドラ・キャンディ刑事:ジェニファー・エスポジート
ラッセル・マドックス:ショーン・ドイル
シドニー・サイモン:ヴィクター・アルゴ
マックス・J・ダンレビー:コンラッド・グッド
ジェイク:ポール・シュルツ
アーニー・カーター:ランス・レディック
アギー・コンラッド:ファムケ・ヤンセン
ルイス・サックス医師:オリバー・プラット
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