永遠などない…。だから私はエンバーミングを続ける。

みちのく国際ミステリー映画祭'99出展作品::http://www.lantecweb.com/mystery/index.html

1999年日本映画/96分/35ミリ/ヴィスタサイズ/R-15指定 製作:GAGA・コミュニケーションズ/配給:ビターズ・エンド

2001年7月25日DVD発売 1999年7月31日より新宿ジョイシネマにてレイトロードショー

サブ題名 遺体処置

公開初日 1999/07/31

配給会社名 0071

解説

傷ついた遺体に消毒・修復を施し、生前のままに保存する技術…エンバーミング。そのエンバーミングが世界的な注目を集めたのは南北戦争の時でした。兵士たちの遺体を遠く離れた故郷へ搬送するために利用せれ、その後、時には権力者の威光を後世に伝えるため、時には絶世の美女の美貌を残すためアメリカ中でエンバーミングが行われました。現在、北米大陸での普及率は既に90%を超え、100年でも生前の面影を保つほどの技術革新がなされています。しかし本来、それは旅立つ者との別れに対する遺族の愛情をこめた演出なのです。死と向き合い、死者の尊厳を守るエンバーミング技術者_彼らはエンバーマーと呼ばれています。この題材をもとに故松田優作の元妻である松田美智子が、“雨宮早希”のペンネームで執筆したベストセラー小説がこの映画の原作である『EM/エンバーミング』(幻冬舎文庫刊)です。
沈着冷静なエンバーマーでありながら、トラウマを抱えた不完全な人間である村上美弥子を演ずるのは、今が旬の高島令子。『陽炎』シリーズや、『極道の妻たち』など、これまでの妖艶路線とは異なり、クールでシャープな新しいヒロイン像を創りあげ女優としての幅を広げることに成功しています。美弥子と組んで事件の捜査を進める平岡刑事役は、個性派俳優の松重豊。『アドレナリンドライブ』や『カリスマ』など、作品に奥行きを作り出せる希有な人材です。そして『ラブ&ポップ』の三輪ひとみ、『がんばっていきまっしょい』の松尾政寿と、難しい役どころに果敢に挑戦する若手俳優を、鈴木清順、本郷功次郎、柴俊夫らのベテラン勢が脇でガッチリと支えています。

ストーリー

今日も刑事・平剛(松重豊)の電話で仕事に向かう村上美弥子(高島礼子)。彼女はEM・エンバーミングセンターに勤めるエンバーマーだ。ビルの屋上から落ちた由樹(松尾政寿)の遺体をEMセンターでエンバーミングを施す美弥子。他殺の線はないと思われたが、由樹の体の中から1本の針が検出される。さらに霊安室に置かれていた由樹の遺体から頭部が切断され、紛失した。一体誰か何の目的で_。
エンバーマー・久留米溝一(鈴木清順)から「遺体売買組織」の存在を知らされる美弥子と平岡。そしてドクター・フジ(傑俊夫)という凄腕のエンバーマーかいるということ…。“組織”に乗り込みドクター・フジと対面した美弥子はそこでフンから由樹は殺され,しかも相手は“ガキの女”だと告げられる。さらに由樹そっくりの男・大里邦昭(松尾政寿/二役)と由樹の彼女だった篠原里香(三輪ひとみ)との関係が浮かび上かってくる。平岡の捜杳で、里香は「多重人格者」で、すくなくとも4つの人格(里香、アユミ、クニコ、テツヤ)が存在していることがわかった。さらに由樹と邦昭は、双子の兄弟ということが判明する、美弥子はフシと再会し彼が米軍の従軍医師としてヴェトナムヘ行って、それきり行方不明になった自分の父親ではないかと思いはじめていた。さらに由樹と里香が通院していた精神科の病院のオーナーで、信者10万人を束ねる大徳院慈恩総(本郷功次郎)が、“針”で精神障害を治す人体実験をやっていたことを知る。これは一時的に全身の筋肉組織を停止させ、パソコンのように、人間の精神もリセットできるかという実験だった、はたして由樹を殺し、頭部を持ち出したのは里香なのか!? 一体それはなんのために…。

スタッフ

監督・編集・音楽: 青山真治
脚本: 橋本以蔵、青山真治
音楽: 山田勲生
撮影: 西久保維宏
原作: 雨宮早希{EM/エンバーミング}(幻冬舎文庫刊)
製作: 田中和彦
企画: 坂井洋一
プロデューサー: 竹本克明、小椋悟
照明: 赤津淳一
美術: 塩田仁
録音: 湯脇房雄
編集: 上野聡一
助監督: 七宇幸久
製作担当: 岩本勤
製作: ギャガ・コミュニケーションズ
制作: 小椋事務所

キャスト

高島令子
松重豊
鈴木清順
三輪ひとみ
本郷功次郎
柴俊夫
松尾政寿

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