原題:The Foul King

『シュリ』『JSA』のソン・ガンボ主演最新作

2000年第25回トロント国際映画祭 2000年第24回香港国際映画祭 2000年第4回富川国際ファンタスティック映画祭メイド・イン・コリア部門 2000年第19回バンクーバー国際映画祭 第1回TOKYO FILMeX 2000特別招待作品 2001年ニューヨークNDNF(New Directors, New Films)映画祭 2001年第51回ベルリン国際映画祭フォーラム部門

2000年1月29日韓国初公開

2000年/韓国/112分/カラー/ビスタ 提供:グルーヴコーポレーション 配給:GAGAアジアグループ

2001年8月11日よりシネ・ラ・セットにてロードショー公開

公開初日 2001/08/11

配給会社名 0025

公開日メモ ソン・ガンホ初主演作『反則王』は、2000年に旧正月の2月4日に韓国で封切られた。公開1週目で、早くも観客動員数1位にランク・イン。興行成績はソウルだけでも約85万人を記録し、2000年公開作品として、『JSA』に次ぐ成績を収めた。公開終了後は、ビデオ化されてもその人気は衰えず、今年5月にはソン・ガンホのサインが入った「ウルトラタイガーマスク」のマスク付きの特別編集版DVDが発売された。

解説



《韓国2000年上半期最大のヒット作》
ソン・ガンホ初主演作『反則王』は、2000年に旧正月の2月4日に韓国で封切られた。公開1週目で、早くも観客動員数1位にランク・イン。興行成績はソウルだけでも約85万人を記録し、2000年公開作品として、『JSA』に次ぐ成績を収めた。公開終了後は、ビデオ化されてもその人気は衰えず、今年5月にはソン・ガンホのサインが入った「ウルトラタイガーマスク」のマスク付きの特別編集版DVDが発売された。

《ラスト10分の迫カ!》
10分あまり繰り広げられるソン・ガンホとキム・スロのノンストップアクションは、この映画最大のクライマックスだ。撮影後は、両者とも失神状態になるほど、全身全霊を上げて挑んでいる。この大スペクタクルを実現させるため、3ヶ月間の綿密な調査が行なわれ、WWFの技術が導入されることとなった。
高感度カメラで写された華麗なまでに凄まじい映像は、まさに「映像の美学」という言葉に相応しい。これまでになかったプロレス・アクションは、韓国映画の新しい時代の扉を開けたと評された。

《凄まじくも美しい映像を実現した撮影スタッフ》
撮影には『マトリックス』でも使用されたカメラ、フォトソニック4ERが駆使された。
このカメラは、汗の一しずくまでも完壁に捉えることができる。撮影監督は、『ディナーの後に』、『ユリョン』のホン・ギョンピョ、照明監督は、『ペパーミント・キャンディー』を手掛けたチョン・ヨンミン、美術監督は、『ユリョン』のファン・インジュン。スピーディなアクションと、悲壮感漂うスローモーションを交互に織り交ぜ、息を呑むほど臨場感のあるプロレス場面を描いた。

《海外の映画祭でも大絶賛を浴びる》
第25回トロント国際映画祭、第24回香港映画祭、第4回富川国際ファンタスティック映画祭、第19回バンクーバー国際映画祭などに参加した他、日本では第1回TOKYO FILMeX2000に特別招待され、話題と人気を独占した。今年になってもニューヨーク、ニューディレクターズ・ニューフィルムズ映画祭、第51回ベルリン国際映画祭などの映画祭の参加が続いている。
今年3月には香港で公開されるや否や、忽ちボックス・オフィスのトップに躍り出た。ソン・ガンホ演じるイム・デホの声は、コメディ王の周星馳(チャウ・シンチー)が吹替えている。

《悲しくも暖かいサウンド》
音楽監督は、アングラ・バンドのオオブ・プロジェクトが担当。無骨で乾いた歌声や音楽は、プロレスに打ち込む男の日々を熱く盛り上げる。
また、カラオケ屋のシーンで、銀行の職場仲間が歌った曲「微笑みながら送るその姿のように」は、イ・ウナという歌手の曲で、バラードが得意なチョ・ソンモのアルバム「クラッシック」でもカバーされている。

《ソン・ガンホの魅力》
昼は平凡な銀行員、夜はプロレスラーとして脚光を浴びるイム・デホ。この人物を演ずるために、ソン・ガンホは撮影前に3ヶ月の集中トレーニングを受け、レスリング技術を完全にマスターした。『クワイエット・ファミリー』でも見せていた、興奮すると声が高くなる話し方やコミカルな演技は、今作品でさらに大きく開花。
迫力あるリング上の戦いから、『八月のクリスマス』でハン・ソッキュの父を演じたシン・グとの、イキのあった父子のシーンまで、デホを隅々まで演じきった。

ストーリー



イム・デホは要領が悪く、サエない銀行員。今朝もラッシュの人混みに押されて地下鉄から降りられず、遅刻してしまう。職場には、「この世はジャングルだ。生存競争には勝たなくてはならない!」と厳しく部下を叱咤する上司が待っていた。遅刻常習者で仕事ができないデホは、この上司にプロレス技のヘッド・ロックをかけられては、屈辱感を味わされていた。
職場の競争に勝ち抜く能力はなく、街の不良に立ち向かえるほどの腕力もない。恋人もいなければ、打ち込むものが何もないデホの毎日は、退屈そのものだった。なんとか上司のヘッド・ロックを破りたい、同僚の女性に好かれたいと夢見ている彼に、ある晩一陣の風が吹く。傾きかけたプロレス館の、寂しげな外灯に照らし出された館員募集のポスター。未知なる世界に吸い寄せられるように、デホは館を訪ねる。そこで子供の時から憧れていた「反則王」の写真を目にするが、館長には冷たく追い返されてしまう。
その後館長からの誘いがあり、デホは入門を決意。入門と同時に厳しいトレーニングを課され、運動不足のデホは毎日が筋肉痛との戦いとなる。しかし職場や家でもトレーニングに励み、いつしか上司のヘッド・ロックをかわせるようにもなる。緊張の中で迎えたデビュー戦はアクシデントはあったものの、インパクトのある戦いぶりは好評。生気のなかったデホの眼には輝きが生まれ、ゼイ肉だらけの肉体も引き締まってきた。そして館長の娘とは、淡い恋も芽生えていた。
その頃館長は、昔馴染みのプロモーターからある話を持ちかけられていた。人気レスラーの凱旋試合に、反則レスラーを登場させたいというもの。館長はしぶしぶこの反則レスラーの試合を引き受けたが、レスラーたちは気迫もなければ、ワザひとつまともにできず、館長をイライラさせるばかり。それでもデホは、試合に向けて淡々とトレーニングを続けていた。同僚の突然の退職、執勧な上司のイジメ。昼は平凡な銀行員としてどんな不愉快な目にあっても、夜はプロレスラー、アシュラXの顔を持っていたからだ。
ある晩、すっかり泥酔してしまった館長を介抱していたデホは、館長の机の奥に何かを見つける。それはウルトラタイガーマスクの覆面。デホにとって少年時代からの憧れだった「反則王」だった。
試合の当日、反則レスラーはいつまで経っても表れない。プロモーターは怒りまくり、他のレスラーは逃げ腰。しかしそこに、神秘のマントに包まれた一人のレスラーが突然登場する。それは往年の「反則王」、ウルトラタイガーマスクだった。そして、異様な熱気と興奮に包まれたリングの上では、今まさに、凄まじい戦いが繰り広げられようとしていた。

スタッフ

監督・脚本:キム・ジウン
撮影:ホン・ギョンピョ
照明:チョン・ヨンミン
美術:ファン・インジュン

キャスト

イム・デホ:ソン・ガンホ
チャン・ミニョン(館長の娘):チャン・ジニョン
プロレスラー・テペクサン:パク・サンミョ
チャン館長:チャン・ハンソン
プロレスラー・オデオン:イ・ウォンジョン
チェ・ドゥシク(会社の同僚):チョン・ウンイン
プロレスラー・ユ・ビホ:キム・スロ

ソン・ヨンチャン
キム・ガヨン
ミョン・ゲナム
シン・グ
イ・ギヨン
ハン・ソンシク

特別出演
不良少女:コ・ホギョン
不良:シン・ハギュン

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