原題:HOUSE ON TERROR TRACT

IQ−180を持った殺人猿!! 人・間・が・裂・か・れ・る・!

2000年/アメリカ映画/96min/発売・販売:エスピーオー(税抜:16,000)

2001年9月7日ビデオ発売&レンタル開始

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解説


凶暴さと知性を持ち合わせた殺人猿に一家が、そして街中がパニックに…。全米を震撼させたアニマル・パニック最新作!

【チェック・ポイント!】

 おっと〜!今度は“猿”だ!ですか。いやぁ、やっぱり動物は人間に牙を剥き襲いかかってこそなんぼってもんでしょう。パッケージから想像すると群れ系というよりは、単独殺人猿系って感じだね。種類的には『モンキー・シャイン』(88)等にも出てきた、一見可愛い風で実は憎々しげな顔つきの小ザルかぁ…と期待に胸を膨らませた全国1千万の動物襲撃映画ファンの御同輩には、ちょっと期待はずれかも。本作は、3話構成のオムニバス作品で、実はお猿さんエピソードは第2話目だけなのだ。またまた、JAROに言っちゃうぞ的ジャケットですが、物語の紹介部分にはそれとなく他の2エピソードの内容も触れてあって、予防線も張ってあるぞ。実に巧妙だ(笑)。
 ところでこの作品ですが動物ホラーとしては物足りなさもちょっと感じますが、所謂作品本来の姿であるオムニバス・ホラーとして観れば、なかなか悪くない作品です。原題は、“恐怖地区の家”ってところでしょうか。アメリカならどこに行っても見られそうな、典型的な郊外住宅地。庭先の芝生にズーム・インしてくとそこでは蚯蚓がのたくっていて、それを鳥が啄ばみ以下、その鳥は猫に喰われ、猫が車に轢かれその死骸を犬が…というD・リンチに通じる郊外生活に潜むスモール・ストレンジ・ワールドな世界を思いっきりベタにしましたって感じです。新居を探しに来た幸せ一杯、だけど何も考えていない中産階級若夫婦。不動産屋のセールス・マンが案内する家は、どこも素敵で手ごろな家ばかり。お買い得だけど、どうして廉いの?するとセールスマンは「情報開示ですから」といって語り出す、3軒の家に纏わる3つの惨劇。一軒目の家では、浮気がばれ殺されそうになった妻とその愛人が夫に逆襲し殺害、その死体を家の裏手の湖に捨てるが、妻は夫の水死体が戻って来る悪夢に悩まされ…という『クリープショー』の“みち潮”を思わせる幽霊譚“Nightmare”。夫の亡霊は“みち潮”の溺死幽霊に比べるとグロ度は気持抑え目。2軒目が邦題になっている、迷い込んできた小が幼い娘と夫婦の家族を恐怖に陥れる“Bobo”。なお、エピソード中では物語にあるように、猿の被害が街中に広がって…とは発展しないのですが、実はそ……おっと、ここでは書かずにおこう。バカ夫婦がニの足を踏んだ上で、3軒目に案内された家の元住人の息子は、その街を恐怖に陥れていた老婆のマスクを被ったシリアル・キラーの殺害現場を幻視する。少年から相談を受けた精神分析の女医は、少年こそがシリアル・キラーなのではないかと疑うが…“Come To Granny”。青や緑の人工的な色使いが、懐かしのECコミックっぽさも気持醸し出している。そしてオムニバス形式の肝ともいうべきプロローグ、ブリッジ、エピローグ部分からなり、3軒の家を断られたセールス・マンが夫婦に対し、「どうしても買ってくれ、さもないと…」という“Make Me An Offer”は、街そのものの破天荒な秘密と凶行が暴かれ楽しいぞ。。
 なお、監督はランス・ドーリセン、クリント・ハッチソンが共同でクレジットされていて、1・3話をクリントが、また2話と全体の繋ぎ部分をランスがそれぞれ監督している。またこの作品は、今年のブリュッセル国際ファンタスティック映画祭での、準グランプリ受賞作とのこと。
(殿井君人)

ストーリー



ロス近郊の高級住宅街−。一見平和そうに見えるこの街には、さまようずぶ濡れの死体やシリアル・キラーの出現など、住民を恐怖に陥れる事件がたびたび発生していた。今日も一匹の猿がどこからともなく現れた。ロンの一人娘ジェニファーは、この猿をペットとして飼うことを望んだが、犬を可愛がっているロンに反対されてしまう。目を盗みジェニファーは猿を飼いはじめたが、ある日犬が何者かに噛み殺されてしまった。猿の仕業だと気づいたロンは猿を追い出そうとするが、猿は牙を剥きロンや人間たちに逆襲を開始。ロン一家、そして街全体までもが恐怖のどん底へと陥っていく…。

スタッフ

監督:ランス・ドリーセン、クリント・ハッチスン『AREA51』
脚本:クリント・ハッチスン
編集:スコット・スカリス
製作:グレッグ・ダニエル、ランス・ドリーセン
製作総指揮:スティーブン・カプラン、リチャード・ミックス

キャスト

ジョン・リッター『チャッキーの花嫁』『スリング・ブレイド』
ブライアン・クランストン『プライベート・ライアン』
レイチェル・ヨーク『ビリー・バスゲイド』
ウィル・エステス『U-571』

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