原題:Vatel

フランス映画史上空前の制作費40億円! 3大スターの競演による一大スペクタクル・ドラマ

(初公開:全仏2000年3月10日公開)

2000年/フランス・イギリス合作/カラー/スコープサイズ/上映時間1時間58分/ドルビーSRD/ ゴーモン&レジャンド・アントルプリーズ提供 字幕翻訳:古田由紀子 オリジナル・サウンドトラック:ヴァージン・レコード 提供:テレビ東京、博報堂、テレビ大阪、アミューズ、日本ヘラルド映画 配給:日本ヘラルド

2001年6月22日DVD発売 2001年6月22日ビデオ発売&レンタル開始 2000年11月4日よりBunkamuraル・シネマ1,2にてロードショー公開

公開初日 2000/11/04

配給会社名 0058

解説

伝説となった男がいた。その才能と誇り高い生き方が後世まで語り継がれた実在の天才料理人フランソワ・ヴァテール。『宮廷料理人ヴァテール』は彼の3日間の饗宴に隠された愛と陰謀と欲望を描いた一大スペクタクル・ドラマだ。フランス映画史上空前の40億円の制作費を投じ、2000年カンヌ国際映画祭オープニング作品として上映され世界を唸らせた。また21世紀初のアカデミー賞受賞を狙い2000年12月に全米での公開も決定した今世紀最後の話題作だ。
監督、製作は巨匠ローランド・ジョフィ。ジョフィ監督は84年『キリング・フィールド』でアカデミー賞3部門受賞、そして、『ミッション』(86)でカンヌ国際映画祭パルム・ドール、並びに技術大賞を受賞。
そして、本作以外に『シティ・オブ・ジョイ』(92)、『スカーレット・レター』(95)他でプロデューサーとしても活躍している。オリジナル脚本は舞台、テレビの脚本を数多く手掛けるジャンヌ・ラブリュヌ。彼女は本作の脚本の映画化を熱望し、ジョフィ監督によってその念願を達成した。英語脚色にあたったのはトム・ストッパード。彼は『未来世紀ブラジル』(85)でアカデミー賞脚本賞にノミネート、『恋におちたシェイクスピア』(98)ではマーク・ノーマンの脚本を見事な台本に仕上げて絶賛され、アカデミー賞脚本賞を受賞した。撮影はアカデミー賞撮影賞にノミネートされた『愛人/ラマン』(92)、『セブン・イヤーズ・イン・チベット』(97)のロベール・フライセが担当。美術のジャン・ラバスは『ロスト・チルドレン』(95)でのユニークなデザインで、セザール賞美術賞を受賞している。彼は本作で歴史考証に基づきながら独創的でマジカルなセットをシャンティイ城、サン・クルーの庭園などに出現させ、見る者を呆然とさせた。衣装はイヴォンヌ・サシノー・ド・ネール。ド・ネールは『愛人/ラマン』(92)等を手掛け、今回の大役で絢燗たる衣装の数々を映画のためにデザインした。
衣装の製作はヴィスコンティ作品やスカラ座、最近では『理想の結婚』(99)などを手掛けた名門の工房ティレッリ・コストゥーミ。
音楽は『ミッション』以後4作品でジョフィに提供している巨匠エンニオ・モリコーネがあたり、典雅な雰囲気を盛り上げるために、コーラス、バロック楽器などを多用して絢欄たる世界を作りだしている。当時、宮廷はリュリの時代であったが、より華やかなものとするため、後の世代のラモーを3曲選んだ他、モリコーネもモリエールの「町人貴族」(実際はリュリが作曲し、後の70年に初演)の詩より2曲を書き下ろして、それらをコンデ大公夫人役のアリエル・ドンバールに歌わせている。

ストーリー

 饗宴1日目は”大自然の恵み”と”太陽の栄光”。シャンティイ城に国王ルイ14世と共に500人を越す臣下、女官たちが到着した。木と小鳥、蝶々とフルーツと花をテーマに宴が準備される。
だが、この豪華な宴を行うため借金がかさむコンデ大公のもとには、前金でないと品物を渡せないという商人たちが大挙する。この問題には「この豪華な宴を成功すれば国王から金が出て返済できる。」とヴァテールが機転を利かせ事態を切り抜ける。
鳥かごを抱えて停む美しい女官アンヌは、突然部屋に入ってきたヴァテールに驚き、鳥かごを落としてしまう。アンヌを驚かせたヴァテールは脅える鳥に、とまり木を差し出した。とまどいながらもその場を立ち去るアンヌと彼女を目で追うヴァテール。
 国王の到着後、コンデ公妃がサルに噛まれたり、ヴェルサイユ宮の工事で死んだ息子の母親が国王に直訴してきたり、ヴァテールに次々と問題が生じる。さらに厄介なことに、王弟、オルレアン公が厨房係の少年を自分の小姓に差し出せと要求する。だが、ヴァテールは断固として断ってしまったことで侯爵と取り巻きの人々の反感を買ってしまう。饗宴は始まる。舞台裏ですべてを仕切るヴァテールの姿を見つめていたアンヌは、思わずヴァテールに名を尋ねる。そしてヴァテールが10年前、フーケが催した晩餐会の料理長だったことを思い出す。ふたりはその何気ない会話で、お互いに心惹かれていった。”太陽の王座”と名づけられた晩餐会では、美しい南国風のエキゾチックな舞台装置が次々と現われ、美しい鳥たちが一斉に羽ばたき、コンデ公妃の華麗なアリアが披露される見事な演出の中、女官アンヌを見つめる3人の男、国王とローザン侯爵、そしてヴァテールがいた。アンヌに心惹かれた国王は早速、その夜の相手に彼女を指名する。国王に寵愛されれば、宮廷でのアンヌの地位は上がって行くことは間違いなかった。アンヌはヴァテールに惹かれながらも、女としての成功を手にするために国王の愛を受け入れる。

 饗宴2日目、”水の饗宴”は花火とランプと水の華やかな宴。古代ローマにつくられた”冬の万能薬”と呼ばれる最上の梨を用意し、饗宴を盛り上げていく。
一方、幼いアンボワーズ子爵は悪戯で、大公が持病の通風の治療に使う鳥を逃がしてしまう。アンボワーズ子爵を諫めたのはアンヌだった。ヴァテールは自分をかばってくれたアンヌのために、自ら細工した美しい花の菓子に丁寧な礼状を添えて届けた。アンヌは彼の優しさに胸を打たれ、いつまでもその手紙を読んでいた。
厨房に今夜使うランプが届く。だが中身は全て粉々に割れていた。
やがて晩餐会の直前に、急に突風が吹き荒れた。部かに指示を出し、奔走するヴァテールの様子を見守っていたアンヌが神に祈りを捧げると、突然、風が止まった。アンヌのヴァテールヘの想いが奇跡を起こしたのだ…。

 饗宴3日目、金曜日。”氷の饗宴”。ネプチューン、ヘリオス、海の神々から太陽の神に捧げる魚料理。厨房では銀製の皿やゴブレットのぶつかりあう音が響き、朝食の準備が始まっている。そこへ最後の晩餐の食材である魚が到着した。しかし、ヴァテールの目に入ってきた鮮魚はあまりにも少なかった。「これですべてか?」と気が動転するまもなく尋ねるヴァテール…。

後世に3日間の素晴らしい宴とヴァテールの死を伝えたのは、シャンティイ城の饗宴に同席していた当時の文化人、セヴィニエ夫人の書簡であった。

スタッフ

監督……ローランド・ジョフィ
脚本……ジャンヌ・ラブリュヌ
英語脚色……トム・ストッパード
音楽……エンニオ・モリコーネ
製作総指揮……アラン・ゴールドマン
製作……ローランド・ジョフィ
撮影……ロベール・フライセ
美術……ジャン・ラバス
衣装……イヴォンス・サシノー・ド・ネール
編集……ノエル・ボワソン
録音……パーヴェル・ヴドフチャック
フランソワ・グルー
コラン・カリオ
配役……ジェラール・ムレヴリエ(フラン)
カレン・リンジゼイ=スチュアート(イギリス)
メイク……ジャンネット・デ・ロッシ
ヘアー……ミレッリ・スフォルツァ
ライン・プロデューサー……パトリック・ボルディエ
共同製作……ティモシー・バリル
歴史考証……マリ=フランス・ノエル
卓上装飾&料理創作……マキシム・ルビエール
料理コンサルタント……ジャン=イヴ・パト
タピストリー作成……ジャック・カザンジャン
フローラル・デザイン……フランソワ—ズ・アルノー
ヴェロニク・ガレ
バロック音楽考証……ジャン=ミシェル・タヴェルニエ

キャスト

フランソワ・ヴァテール………ジェラール・ドパルデュー
アンヌ・ド・モントージェ………ユア・サーマン
ローザン伯爵………ティム・ロス
コンデ大公………ジュリアン・グラヴァー
国王ルイ14世………ジュリアン・サンズ
グルヴィル………ティモシー・スポール
オルレアン公フィリップ………マリー・ラクラン・ヤング
財務長官コルベール………ハウエル・ベネット
医師ブルドゥロ………リチャード・グリフィス
コンデ公妃………アリエル・ドンバール
アトナイス・ド・モンテスバン………マリーヌ・デルテルム
ロングヴィル公妃………フィリピ—ス・ルロワ=ボリュー
エフィア伯爵………ジェローム・プラドン
アルカレ………フェオドール・アトキーヌ
王妃マリー=テレーズ………ナタリー・セルダ
ルイーズ・ド・ラ・ヴァリエール……エミリー・オアナ
ドゥモリ………セバスディアン・ダヴィス
ルイーズのメイド………ナタシャ・クチュモフ
コラン………ニック・ロビンソン
ロシュフォール………パトリック・サヴェリオーニ
侍女………ジュリ=アンヌ・ロス
馬役ドヌー………アラン・ステルン
ロングヴィル公爵………ジェイムズ・ティエレイ
バルムール………ジェフリー・ベイトマン
ローザンの秘書………ニコラス・ハウトリー
ミラーユ伯爵………ポール・バンディ
債権者ギヨーム………デイヴィッド・ギブソン
債権者の妻………ルイーズ・ヴァンサン

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