原題:SENRIGAN

“ミドリの猿”の正体とは!?

2000年/日本映画/上映時間100分/配給:東映

2001年3月21日DVD発売 2000年12月8日よりビデオレンタル開始 2000年6月10日より全国東映系にて公開

公開初日 2000/06/10

配給会社名 0004

解説

悲鳴さえも、見抜かれてしまう。

 もしも、あなたの親しい人の中に、周囲の人々の行動や考えを、完璧に見抜いてしまう能力を持つ人物がいるとしたら。そしてその人物が、すでにあなたの心を支配するために準備を着々と進めているとしたら……。

 その恐怖は突然やってきた。日本各地に降り注ぐ最新鋭ミサイルの雨。見えない力に憑かれ、次々と不可解な行動をとる大勢の子供たち。事件の裏に見え隠れする正体不明のテロ集団「ミドリの猿」……。
 航空自衛隊二等空尉でF15戦闘機のパイロット・岬美由紀は、鋭い感性と抜群の運動神経を武器に、相手の心を何でも見通すことから「千里眼」の異名を持つカリスマ的心理カウンセラー・友里佐知子と共に、ミサイルテロの危機から日本を救うべく巨大な組織に完全と立ち向かって行く。しかしその先に待ちうけていたのは、誰にも予測できない衝撃の事実だった。

この映画の原作は99年に公開された「催眠」の著者・松岡圭祐の本格長編第2弾。膨大な専門知識に裏付けられた精巧かつ斬新なストーリー展開は、観る者をスクリーンに釘付けにするはずだ。キャストはヒロイン・岬美由紀役に水野美紀。これまで演じてきた控えめな役柄とは異なる、アクティブなキャラクターに、「私しか出来ない美由紀を全力で演じたい」と熱意をみせる。千里眼・友里佐知子役には黒木瞳。崇高な雰囲気と知性、そして圧倒的なカリスマ性を併せ持つこの謎めいた役に、彼女以外のキャスティングは有り得ないだろう。さらに事件の謎を追う刑事・蒲生役には、様々な役どころを演じ、映画界に欠かせない存在となった柳葉敏郎。監督はかつて幅広いジャンルの作品で助監督を務め、その映像感覚を研ぎ澄ませてきた麻生学。満を持しての今回初メガホンで、斬新かつ大胆な演出に期待が高まる。

ストーリー

日本列島炎上!
テロから日本を救うため二人の女が立ちあがる。

 ある日の未明、原因不明の大規模な爆発が日本各地で同時発生し、国民を底知れぬ不安と恐怖に陥れる。正体不明のテロ集団「ミドリの猿」の反抗だった。政府の命で上官の仙堂と横須賀に向かった航空自衛隊二等空尉・岬美由紀は驚愕する。爆発の原因は、米軍基地から発射された最新ミサイルだった。何者かに操られ、発射システムを操作した謎の男は、美由紀らの前で自ら命を絶ち、第2波のミサイル発射を阻止する10桁の暗証番号は闇に葬られてしまう。次の発射まで残り時間は、僅か10分。

 基地には美由紀たちのほかにもある人物が招かれていた。メディアでも絶賛されている日本医学界屈指のカウンセラー兼脳外科医の友里佐知子・通称「千里眼」。友里は発射システムの前に立つと、100億通りもの組み合わせのなかから、侵入者が無作為に入力した唯一の暗証番号を導き出すという神業を完璧にやり遂げる。かつては心理学を専攻したこともある美由紀だが、一瞬の顔の筋肉の動きやしぐさから、その人物のすべての思考を見抜く友里の能力は想像を遥かに超えていた。美由紀はしだいに友里に惹かれていき、人を救うことの本当の意味を探すため、自衛隊を離れることを決意する。

 友里が院長を務める病院には、過去に親しい人を亡くして以来、自分を刑事だと思い込んでいる蒲生という男の患者がいた。「ミドリの猿」について調べている……そうつぶやいては美由紀たちをつかまえて、焦点の合わない目で取り調べをはじめる蒲生……。

 ある日、美由紀は友里にえりという少女を紹介される。担任に苛められ、両親から虐待されて、えりは完全に心を閉ざしていた。美由紀は過去の自分に似通った境遇のえりを、次第に救いたいと思い始める。えりには不可解な習慣があった。深夜に父親の上着を着てどこかに向かい、昼近くに戻ってくる。ほぼ毎日だった。美由紀がクルマに乗せると、えりは奇妙な場所に案内する。巨大観音像で知られる東京湾観音。そこで美由紀は表情を失った子供たちが次々と観音の胎内へ吸いこまれてゆくという光景を目撃する。

 そのころ都内では、衝撃的な事件が起こった。何者かに操られた男が、爆弾を抱えて、ある神社に立て篭もる。その神社へたった独りで説得に向かった友里が、その後を追ってやってきた美由紀の目の前で、凄まじい爆発に巻きこまれてしまう……。

 多発する事件の背後に、美由紀は人知を超えた強大な力の存在を感じていた。洗脳やマインドコントロールなどとは比較にならない力が全てを操っている。その力とは? そして「ミドリの猿」の正体とは? 秘密を知るために再び東京湾観音に向かった美由紀は、そこで驚愕の真実をまのあたりにする……。 友里の病院で美由紀が出会った、えりという不思議な少女。彼女に連れられてやってきた東京湾観音の胎内に次々と吸い込まれてゆく表情を失った子供たち。美由紀のまわりで次々と奇妙な事件が交錯していく中、ついに衝撃的な事件が起こる!「ミドリの猿」を連呼する謎の男が人質をとって爆弾を抱え神社にたて篭った。たった一人、説得に乗り込んだ友里。長時間の緊迫したにらみ合いの末、轟音と爆風の炎の向こうに犯人と友里は消えてしまう。多発する事件、洗脳、子供達の奇怪な行動、マインドコントロール…。果たして二人の勇敢な女性の前に立ちはだかる謎のテロ集団「ミドリの猿」の正体とは。驚愕の事実が今、明らかになる!!

スタッフ

原作:松岡圭祐(『千里眼』小学館文庫)
監督:麻生学
製作:佐藤雅夫、山下暉人
企画:遠藤茂行、伊藤満
プロデューサー:渡邊範雄
脚本:時中進、松岡圭祐
音楽:千住明
撮影監督:加藤雄大
美術:稲垣尚夫
照明:和栗一彦
録音:今井善孝
編集:川島章正
監督補:鬼頭理三
制作担当:榊田茂樹
主題歌:Chino
サウンドトラック:テイチクエンタテインメント
製作:東映、小学館、小学館プロダクション
製作協力:タイムズイン、東映東京撮影所
配給:東映

キャスト

水野美紀
黒木瞳
柳葉敏郎
矢島健一
深浦加奈子
田口トモロヲ
根津甚八

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