原題:新古惑仔之少年激闘篇 YOUNG AND DANGEROUS:THE PREQUEL

香港新世代スター競演。 孤独と雑踏の街・香港で、悲しみと怒りの青春が始まる。

1998年度香港電影金像奨最優秀新人賞受賞(ニコラス・ツェー)

1998年/香港/1時間55分/ヴィスタサイズ 配給:ギャガ・コミュニケーションズ

2000年9月23日よりキネカ大森にて公開 2001年4月25日DVD発売/2001年4月6日ビデオ発売

公開初日 2000/09/23

配給会社名 0025

解説

 学校から青春という自由を奪われ、行き場のなくなった少年たち。彼らが生きるために向かったのは、黒社会(ヤクザ)の世界だった。日本でも17歳の少年たちがひき起こす犯罪が多発する今、暴力と犯罪の世界へ堕ちてい少年たちの姿を描き、香港の人々に衝撃を与えた作品、それが『硝子のジェネレーション〜香港少年激闘団〜』である。もともとはカウ・マン&ディッキー・ヤウ原作の人気漫画をイーキン・チェン主演で描いた大ヒット映画『欲望の街・古惑仔』シリーズの番外篇として製作され、主人公たちの少年時代を描いた作品であった。
 時は1989年、それは激動の90年代の幕を開けるプロローグであった。香港返還という大きな問題を抱えていた香港人にとって未来への不安や焦りが高まり、下級層の人々にとっては逃げ場もなくあきらめの境地へとなっていた。そして6月4日、天安門事件が起こり、香港人の間に不安が爆発する。そんな状況下で下層地区に住みながらも恋や音楽で青春を楽しむ17歳の少年たちが、学校の無理解、警察の差別と、理解しない大人たちによって行き場を失っていく様を描いた本作は、香港のありのままの姿を描いた作品でもある。50人に1人が黒社会との関わりを持っていると言われる特殊な社会状況の香港で、行き場のない若者たちが行き着く先は暴力やドラッグと犯罪渦巻く世界であり、香港返還された現在でも少年犯罪が激増して、今なお社会で大きな問題となっている。『硝子のジェネレーション〜香港少年激闘団〜』は、そんな香港の少年たちの現実を描いた作品でもあり、日本においてもあまりのハードな内容に衝撃を与えるのには間違いないであろう。

 17歳の繊細な心を持ち、純粋な恋や音楽への愛情を持ちながらもチンピラへと堕ちていく主人公ナンを演じるのは、新世代スターの代表格として活躍し、東南アジアでトップスターとしての人気を誇るニコラス・ツェー。アメリカで育ち、日本にも留学していた経験を持っている彼は、広東語、北京語、英語、日本語が話せ、ポスト金城武として日本でも脚光を浴びつつある。本作で香港電影金像奨最優秀新人賞を受賞し、最近日本でも公開された『ジェネックス・コップ』では、ジャッキー・チェンから次世代を背負うスタートしての指名を受け、名実ともにスター街道を爆進中である。またアーティストとしても人気を誇り、2000年8月19日に日本でビュー(ロックレコード)も果たし、今後は日本での活動も見据えている。

 共演は『ジェネックス・コップ』で共演し、『メイド・イン・ホンコン』で香港電影金像奨最優秀新人賞を受賞しているサム・リー、『美少年の恋』『玻璃の城』でニコラスと同様に新世代スターの主役として活躍するダニエル・ウー、『ゴージャス』『玻璃の城』と香港で現在最も出演作が多い女優スー・チー、『愛は波のかなたに 愛情夢幻号』の清純派リリアン・ホー、そして『欲望の街・古惑仔』シリーズなどベテラン俳優として活躍するフランシス・ンといった顔ぶれが揃った。監督・撮影は『欲望の街』シリーズ、『風雲 ストームライダーズ』のアンドリュー・ラウ。ウォン・カーウァイ監督作品の『欲望の翼』等の撮影監督を担当していたことからも、少年たちの揺れ動く心情を斬新な感覚の映像美で見せている。製作は『ゴッドギャンブラー』など香港のヒットメイカーとしてお馴染みのバリー・ウォン。脚本はバリー・ウォンと共に活躍する『風雲 ストームライダーズ』のマンフレッド・ウォンが担当した。

ストーリー

 激動の90年代の幕が開ける直前の1989年・香港。東洋の“ヘルスキッチン”と恐れられている街・藍田(ランティン)で、新興住宅団地に住む17歳のナン(ニコラス・ツェー)、サンカイ(サム・リー)、ボウパン(ユー・カーホー)、チョウパン(ユエン・ワイホー)ら幼馴染みの少年たちは、ロック音楽や恋に憧れ、青春を謳歌していた。ある日、ナンたちは、思いを寄せるクラスメイトのケリー(リリアン・ホー)が、チンピラに絡まれている所に遭遇。ナンたちによって事なきを得るが、この事件をきっかけに、彼らに暗い影が忍び寄るとは、その時、知る由もなかった。
 折しも学校ではクラス対抗の音楽コンクールが開催され、ナンたちもバンドを組み、ケリーへの思いを込めて作った曲を演奏するが、ロック音楽調のその曲が、校長から構内の風紀を乱すとの理由で中止させられ退学を命じられる。大人の理不尽を感じた彼らは、学校を立ち去った。やるせない気持ちに苛まれたナンたちに、更に追い打ちをかけるかのごとくチンピラたちが報復。大乱闘の末、チンピラ共々警察に逮捕されてしまう。留置され絶望の渕に立ったナンたちを救ったのが、以前、暴力団組織・洪興社のカン(フランシス・ン)とのトラブルを助けてくれた同会幹部のB兄貴(ン・チーホン)だった。釈放されたが行き場の無いナンたちは、すでにB兄貴の舎弟であるサンカイの勧めで組織に入会する。夢や希望を失った少年たちは大事にしていたギターを捨てると暗黒街へ身を投じるのだった…。

 組織のチンピラとなったナンたちは、すでに入会してボクサーとして活躍するタイトウ(ダニエル・ウー)らと共に、組織の仕事に手を染めていく。ある日、B兄貴より対抗組織・東星社の幹部暗殺を命じられ、非情な指令に心揺れる中、ナンは初めて自らの手で人を殺めてしまうが、同時にカンの子分たちの襲撃に遭い、瀕死の重傷を負わされる。薄れゆく意識と死への恐怖の中でナンが見たのは、仲間たちと彼に別れを告げたケリー、そしていつも悲しみに暮れているタイトウの恋人フェイ(スー・チー)の姿だった。一命を取り留めたナンはあ、組織で生きていくことを決意した。

 一ヶ月後、街で偶然にフェイと再開したナンは、彼女がタイトウとの関係に疲れ、心に安らぎを求めていることを知り、心を寄せる.恋人のように甘い時間を過ごした後、フェイは彼らの前から姿を消す.ナンと彼女の関係を疑ったタイトウと、フェイの事で憤りを感じるナンは、深夜のリングで拳を交える……。

 その頃、建設現場の利権をめぐり、洪興社と東星社との抗争が激化。その決着をつけるためにナンたちは建設現場へ向かうが、東星社と手を組んだカンの罠にはまってしまう。チンピラたちの大乱闘が始まり、若者たちは次々と血に染まり傷つけ合う。命からがら逃げ帰ったナンは、最愛の母の突然死を知らされ、病院で亡がらを見てショックを受ける。病院の玄関で呆然と立ち尽くすナンの目の前に、東星社のチンピラが現れ、ナンは拉致されてしまう。それを命令したのはナンが殺害した東星社の幹部の兄で、ナンは壮絶なリンチを受ける。それを知ったB兄貴、サンカイらは、絶体絶命のナンを救うべく、東星社の本部へと単身乗り込む。待ち受ける数十名のチンピラたちと、東星社最高幹部たち。果たしてナンの運命は?

スタッフ

製作総指揮:レイモンド・チョウ、アルバート・ヤン
製作:バリー・ウォン、マンフレッド・ウォン
監督・撮影:アンドリュー・ラウ
脚本:マンフレッド・ウォン
美術:リー・ピククヮン
音楽:ロナルド・ン
主題歌:ニコラス・ツェー
アクション指導:リー・チャンチー
配給:ギャガ・コミュニケーションズ

キャスト

ナン(チャン・ホーナン):ニコラス・ツェー
サンカイ:サム・リー
タイトゥ:ダニエル・ウー
フェイ:スー・チー
ケリー:リリアン・ホー
カン:フランシス・ン
B兄貴:ン・チーホン
チョウパン:ユエン・ワイホー
ボウパン:ユー・カーホー

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