博多ムービー「ちんちろまい」とは、・・・・・・”てんてこまい”という方言

2000年度製作/ビスタサイズ/カラー/ドルビーSR/107分 企画●マルチメディア・アライアンス福岡(MAF) 製作●博多ムービー製作委員会 配給●ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

2000年10月21日よりワーナー・マイカル・シネマズ板橋ロードにてほか全国ロードショー 2000年9月23日より福岡・九州地区先行ロードショー〜全国順次ロードショー 2001年5月11日ビデオ発売

公開初日 2000/09/23

配給会社名 0042

解説

●博多より愛をこめて。
文化も経済も東京から、これは一般常識な考え方。でも、日本全国は北は北海道から南は沖縄まで眺めてみると、その土地に方言があるように、独自の文化がある。
最近では沖縄を舞台に描かれた『ナヴィの恋』のように、地方都市の個性が満載の作品が注目されている。
そして今、アジアの玄関口であり、九州最大の都市・福岡を舞台に、全編で博多弁が炸裂する超おかしなエンタテインメント映画が作られた。
それが博多ムービー『ちんちろまい』である。”ちんちろまい”とは博多弁で【てんてこまい】の意味で、本作の登場人物たちが事件や出来事に巻き込まれて右往左往していることから命名されている。

●アジアの玄関・福岡で、何かが起こる、げな!?
福岡県観光協会に勤める貝原善哉は、どんたく・山笠の博多2大祭を担当する博多っ子。だが今、東京へ単身赴任するかもしれないリストラ同然の危機に見舞われていた。
一方、貝原家では、妻・睦子には毎日の生活に倦怠期が訪れ、長女・直子には突然の結婚話が、そして次女・純子は音楽をやるために東駅へ旅立つか、一家にとって人生最大の選択に迫られていた。
ある日、睦子の父・高尾幸介が、海から謎のCD-ROMを拾ったことから、彼らは人生最大の事件に巻き込まれてしまう…。
リストラ、恋愛、思い出の出会い、そしてCD-ROMをめぐる陰謀へと展開し、ホームドラマと思いきや、インド映画や香港映画同様に、歌と踊り、笑いにアクション満載という、最近の日本映画にない、究極のエンタテインメント作品に仕上がっている。
特に出演者たちが初めて挑戦するミュージカルは、あっと驚くシーンといっても過言ではない。

ストーリー

空港の格納庫、闇の中で迷彩服の男たちがトランクを持って歩いている。そこへ黒装束の女が現われ、男たちをカンフーで倒し、トランクを奪うとセスナ機に乗って飛び立った。
だが、エンジンが止まり、女はパラシュートで脱出。セスナ機とともにトランクは海の底へ消えていった……。
四月、博多の春は、どんたく祭の準備で明け暮れる。
福岡県の財団法人観光振興協会でどんたくと山笠の2大祭を担当している貝原善哉(武田鉄矢)は大きな悩みを抱えていた。
インターネットの普及で、観光協会も人員削減を考えており、東京出張所行きを命じられている善哉にとって、東京へ行くか、辞めて地元に残るか選択を迫られていた。
貝原家の、妻・睦子(床嶋佳子)は、毎日宝探しで海に出かける父親・高尾幸介(小松政夫)が経営する能古島の喫茶店レティシアを手伝っているが、変化のない毎日の生活に飽き飽きしていた。
長女・直子(牧瀬里穂)は県庁の広報課に勤務しているが、どんたくイベントの大道芸人オーディションで出会ったアメリカ人アル・スプリンガー(ブライアン・ホルス)の芸に魅力を感じ、いつしか恋に落ちていた。
そして高校生の次女・純子(後藤理沙)は同級生の正木輝(ARATA)とロックバンドを組んでライブハウスで活躍していたが、輝だけがスカウトされ、作曲担当の純子は、新しい曲ができれば一緒に東京へ行けることになっていた。

善哉は、県庁メディア情報室室長小桜花美(高樹濡)を中心に行われるデジタルドンタクに向けて、県の観光案内CD-ROMの制作を命じられた。
もちろん東京転勤を阻止するために、小桜の部下・田淵(田口浩正)と共に率先して携わる。
そこにウッディ・ワン(松重豊)率いるアメリカのコンピュータ会社パイナップル社が、ハリウッド映画を製作するために博多へやって来た。
世界に博多を知らせることができると小桜はおおはしゃぎ。だがパイナップル社が博多へやって来た理由には裏の目的があった。
自社ソフト開発中にひょんなことでできてしまったCD-ROM(人間もハードも中毒を起こしてしまうドラッグウィルス・ソフト)がアジアン・マフィアに盗まれ、それを追っていた世界コンピュータ監視機構のエージェント、フェイ・イエン(シンシア・ラスター)がソフトを奪還したが、博多湾に沈めてしまったのだ。
ワンは彼らより早くソフトを回収するために、映画のロケ隊を隠れみのにして捜索隊を送り込んだのだった。
映画の監督は米在住の日本人オスカー花城(高杢禎彦)が担当することになった。ところが偶然にも、睦子とは高校時代の映研の先輩後輩の間柄だった。
睦子は花城との思い出に心寄せるが、善哉には面白くない。撮影は開始され、主演に抜擢されたつもりのハリウッドを目指す日本人俳優の黒田(千葉真一)は、自らが考案したサーベルを使って一人張り切っている。そんな中、ついにCD-ROMが発見される。
偶然にも宝探しに夢中の睦子の父・幸介が海から引き上げており、CD-ROMは直子、純子が持っていったのだった。
そして問題のドラッグウイルスが入ったCD-ROMは、直子がアルの大道芸用小道具として持っていった中に入っており、それがなぜか善哉の持っていた博多観光用のCD-ROMとすり変わっていた。
そうとは知らず善哉は、デジタルドンタクの会場へそれを持っていく。
博多の街はどんたく祭で賑わっていた。
睦子は花城と高校時代に撮り残していた映画のエンディングを撮り、純子は新曲をひっさげてライブ会場で輝たちと演奏。
そして直子はアルと共にどんたくパレードに出場していた。それらを見て善哉はなぜか心の安らぎを感じていた。
だが、目の前で直子たちがアジアン・マフィアに襲われる。直子たちがCD-ROMを持っていることを嗅ぎ付けたのだ。
そこにはイエンもワンも現れ、娘の一大事に善哉も駆け付ける。だが問題のCD-ROMはなかった。それがデジタルドンタク会場にあると気付き、善哉、イエン、ワンが会場に駆け付けると、時すでに遅し、県庁のマザーコンピュータはウィルスで大暴走、会場は大パニックとなっている。この大事態を善哉たちは果たして止めることができるのか……。

スタッフ

監督:大森一樹、祭主恭嗣、中嶋竹彦、渡辺謙作(アイウエオ順)
プロデュース:森島恒行、野見山実
協力プロデューサー:黒木照美
プロデューサー:森重 晃、小橋孝裕
プロデューサー補:横手 実
脚本:藤村磨実也、大森一樹
撮影監督:渡部眞(J.S.C)
照明:和田雄二
美術:沖山真保、三浦伸一
装飾:山田好男
録音:林大輔
編集:普嶋信一
スクリプター:津崎昭子
ダンス振付:坂見誠二、中島元治
演技事務:佐藤冨宏
助監督:中村隆彦
製作担当:鎌田賢一
VFXスーパーバイザー:田中敦彦、石川智太郎
音楽:加藤和彦
音楽プロデューサー:石川光

キャスト

貝原善哉(父親)……武田鉄矢
貝原直子(長女)……牧瀬里穂
貝原睦子(母親)……床嶋佳子
貝原純子(次女)……後藤理沙
オスカー花城(映画監督)……高杢禎彦
高尾幸介(睦子の父)……小松政夫

小桜花美(福岡県庁デジタルメディア推進課室長)……高樹 澪
田淵広政(福岡県庁広報課室長)……田口浩正
ウッディ・ワン(パイナップル社社長)……松重豊
アル・スプリンガー(大道芸師)……ブライアン・ホルス
正木輝(純子のボーイフレンド兼バンドリーダー)……ARATA(新人)
フェイ・イエン(秘密エージェント)……シンシア・ラスター

黒田武士(ハリウッドを目指す日本の映画スター)……千葉真一

出口(小桜の部下)……出光秀一郎
METAL GLUE……椛島謙介/高崎了輔/長谷川慎吾
デジタルドンタク係員……山崎銀之丞
カメラマン……上野 淳
アジアンマフィアA……四方堂亘
アジアンマフィアB……山形清貴
アジアンマフイアC……左 明建
アジアンマフィアD……太田昌孝

●ゲスト出演(登場順)
博多駅の駅員……でんでん
鞄を渡す男……舛添要一
ディレクター……光石 研
審査員A……鶴久政治
審査員B……柴山俊之(BLUES L10N)
審査員C……鬼平
屋台の女将……西川峰子
居酒屋のマスター……浦田賢一
クラブのママ……伊佐山ひろ子
ホステス……稲田千花
酔客……中村有志
屋台の店主……尾形大作
輝の父親……大川栄策
ケイタリングスタッフ……山口紗弥加
デジタルドンタク室員……森口博子
デジタルどんたくの客……財津和夫
ゴッドコンピューター……天本英世

福岡県知事……麻生渡(特別出演)

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