好きです。好きです。好きです。好きです。 その声は誰にも届かない———

2001年/日本/118min

2001年12月7日DVDレンタル開始&2002年3月21日DVD発売 2001年12月7日ビデオレンタル開始&2002年3月21日ビデオ発売 2001年6月23日より新宿東映パラス2ほか全国東映洋画系にてロードショー

公開初日 2001/06/23

公開終了日 2001/07/13

配給会社名 0144

公開日メモ "怖さ"は"本物の心霊恐怖"なのです。そして、本作で遂に、劇場に"本物の心霊恐怖"の決定版が登場します!

解説



ドラマ系邦画ホラー、虚構の恐怖を提供する時期は終わりを迎えました。それでも、観害が真に求めるものは、”怖さ”と”イベント”です。洋画の世界では内容的に従来のホラー映画のジャンルとして包括できる『ハンニバル』『ザ・セル』といったものの注目度は以前高く、『ブレアウィッチ2』のように実録風作品も生き残っています。観客は刺激=怖さをやはり求めているのです。洋画においては一層、映画のイベントとしての指向が際立ってきているのも確かです。そして、邦画ホラーブームが衰退したと言われる中で、以前根強いジャンルとして存在しているのが、心雪実録の世界です。つまり、”本物の心霊恐怖”です。映画以外のジャンルを見てみると、テレビ『奇跡体験アンビリーバボー』の高視聴率、ビデオ『ほんとにあった呪いのビデオ』の高売上と高回転率は目を見張るべきものであり、毎年夏には必ずメディアに登場する心霊写真、心霊体験の数々…。日本人の恐怖感覚の根本にある”怖いもの見たさ”を満たしつつ、”イベント=皆で怖がり楽しむ”として成立し、定番化ているジャンルなのです。そして、”怖さ”と”イベント”が共存しているにも関わらす、邦画が手を出さすにいたジャンルが正にこの”本物の心霊恐怖”の世界です。
ここ数年の劇場公開邦画ホラーをカテゴライズしてみると、

・都市伝説系=『リング』シリーズ     ・子供向け=『学校の怪談』シリーズ
・漫画原作系=『富江』『うずまき』ほか  ・エンタテインメント指向系=『狗神』『弟切草』『ISOLA』

となり、これら全てのドラマが基本にした”怖さ”は”本物の心霊恐怖”なのです。そして、本作で遂に、劇場に”本物の心霊恐怖”の決定版が登場します!

恐怖の核となるのは心霊現象=日本人の恐怖の根源たる日本的オカルトの世界。その中でも際立つ、情念、怨念、幽霊、生霊、死者の霊魂は生き続けているのではないか?といった霊的な恐怖。それを映画の表現手法で物語化した異色の心霊恐怖映画が本作です。ストーカーの恐怖は「好き」という普通の感情が異常な状態で発露する恐怖、だが、それがもう一人の自分=生霊だったとしたら・・・。死者の無念が場所にとどまり、何かを訴え続けるあまり、生きている者を怪現象へ引きずり込んでしまったら・・・。 

原作者のささやななえこ先生がご自身や友人の体験談をベースに描き続けた”本物の心霊恐怖”の世界、その中の「生霊 いきすだま」というコミックは角川書店ASKAコミック時代より現在までに10万部を突破するベストセラーで、根強いファン層を持っています。その”本物の心霊恐怖”を映画化したのが本作『いきすだま〜生霊〜』なのです。出演は10〜20代に人気を集めているDOGGY BAG(松尾雄一・光次)。この実の兄弟は韓国でのY2Kとしての活動も目覚しく、サッカーの日韓親善試合ではハーフタイムに韓国と日本の掛け橋として歌を歌うほどの人気と実力を持っています。その彼らが、日本で初主演映画に挑戦、等身大の若者が心霊恐怖に遭遇するさまを生々しく演じています。劇中のライブシーンだけでなく、主題歌も提供し、1万人に及ぶファン必見の初主演映画となっています。更に2人に絡む女の子の役で、若手ながら実力を付けてきている三輪姉妹が出演しています。松尾兄弟vs三輪姉妹の若手対決も見物です。姉・三輪ひとみは『D坂の殺人事件』でデビューし、『発狂する唇』で主演を果たした。妹・三輪明日美は『ラブ&ポップ』で確かな存在感を見せ、今や青春映画に欠かせない存在。この4人が高校生を演じ、”本物の心霊恐怖”に最も敏感な10〜20代の男女に共感を与えるの確実です。そして、監督は『死霊の罠』でオリバー・ストーンを驚愕させ、アメリカ公開をも実現させた池田敏春。原作者とのディスカッションの中から”本物の心霊恐怖”をフィルムに焼き付けています。怪談・ホラーではない、”本物の心霊恐怖映画”が誕生したのです。

ストーリー



一彦(松尾雄一)と良二(松尾光次)兄弟が足を踏み入れてしまった心霊恐怖の世界・・・。

《第1話『生霊・いきすだま』
    「好きです。好きです。好きです。好きです」その声は誰にも届かない・・・》
ある日、同級生・浅茅を同じ時間に違う場所で目撃した級友から「浅茅の生霊じゃないか」という噂が流れる。そんな幼稚な噂は止めろと良二は止める。そんな些細な浅茅への親切が、だんだんと浅茅の中で恋へと膨らんでいく。恋人の真理子やクラスメートが見ても奇妙なくらい良二にまとわりつく浅茅。良二自身も最初は無視していたが、どこにいても浅茅の視線が絡みついてくる。遂に夢にまで浅茅が出てくるようになる…。更に、兄弟のライブ会場で、いるはずの無い浅茅の姿を見付ける。が、その日、浅茅は病気で家で寝ているはず…。良二は一彦に聞く「生霊ってほんとにいるのか?」一彦は答える「いるよ」。遂に良二が浅茅を決定的に拒絶した夜、真理子が事故で死ぬ。それと呼応するように浅茅の行動は大胆になっていき、落ち込む良二を慰める同級生の女の子もまた、死ぬ。その死には浅茅が絡んでいるらしい。良二は浅茅の家に1人向かうのだが…。

《第2話「空ほ石の・・・」
     ひと夏に三つのお葬式が続いた。同じ並びの家だけで、次は私の家の番・・・》
一彦がある日、姉のマンションを写真に撮っていると、505号室に引っ越してくる人々に遭遇する。その中に転校生の菜穂子がいた。菜穂子も団地の写真を撮る一彦を不思議に見ていた。次の日、転入したクラスで一彦に会った菜穂子は昨日の写真の件を聞いてみる。が、一彦は「誰にもしゃべるな」と言う。そして、「あそこの団地は気を付けたほうがいい」と言う。不審に思う菜穂子。だが、近所では飛び降り自殺の多い団地として有名であり、105、205、305号室と自殺、事故が相次いで起こる。そして、菜穂子の母も押し入れが気味悪いと言い出し、突然、倒れる。出張で父親もいない団地に菜穂子は1人にな
るが、一彦が姉の家に来いと助けてくれる。その夜が明け、学校が終わり、自分の荷物を取りに入った菜穂子は505号室に閉じ込められる。ドアも空かず、窓は割れ、何かが足を掴む…。何が起こっているのか解らない中、助けを呼ぶが誰にも聞こえない。一彦は菜穂子の部屋で押し入れを撮影したフィルムに何も映っていないのを不審に思い、505号室へ向かうのだが…。

スタッフ

企画:黒澤満/中川好久
プロデューサー:結城良煕/久保田雅美
脚本:尾崎将也/池田敏春
監督:池田敏春
撮影:田口靖久
照明:井上幸男
美術:西村徹
録音:林大輔
編集:川島章正
操演:岸浦秀一<ローカスト>
特殊メイク:若狭新一<モンスターズ>
視覚効果:橋本満明
音楽プロデューサー:津島玄一
原作:ささやななえこ(角川書店)
製作協力:セントラル・アーツ
宣伝協力:角川書店
企画協力:ソーマオフィス
音楽協力:ポリドール
製作:トスカドメイン株式会社/東映ビデオ株式会社

キャスト

吉野一彦:松尾雄一(DOGGY BAG)
吉野良二:松尾光次(DOGGY BAG)
吉野恭子:中村由真
浅茅優子:三輪ひとみ
仲田菜穂子:三輪明日美

吉野恭子:中村由真
仲田君江:広岡由里子
武見亜子:柱亜沙美
倉本真理子:鮎瀬梢
白井和美:藤井真喜子
若い医師:大沢樹生

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