原題:Fermo posta Tinto Brass

『カリギュラ』巨匠:ティント・ブラス監督作品

1995年/イタリア/90分/35mm/カラー/モノラル/ビスタサイズ/R-18/ 配給:アルバトロスフィルム

2001年10月5日DVD発売/2001年10月5日ビデオ発売&レンタル開始 2001年6月2日より銀座シネパトスにて”興奮”のロードショー

公開初日 2001/06/02

配給会社名 0012

公開日メモ 官能巨編『カリギュラ』などエロティック問題作を世に送り出したティント・ブラス監督とヨーロピアンエロス大ヒット作『肉屋』のアウレリオ・グリマディ監督が脚本を担当した話題作

解説


この作品は、マスコミに対して堂々と送られてくる女性たちの手紙や写真、ビデオテープから発想を得たものである。
女性たちの話(と心理学者が称する患者の抑圧された空想の表現)を映画化するにあたっては、彼女たちの語る自信や告白、情事、記憶、夢、欲望そして空想を様々なエピソードに盛り込んで、この女性たち自身の姿を描き出すことを心がけた。
とりわけ、この作品では、女性たちのエロチックな空想と、その空想がどんどん強くなり、自信たっぷりに、差恥心すら忘れて赤裸々に語られる様子を取り上げ、いわゆる”弱き性”と呼ばれる女性たちの変貌ぶりを正確に描き出している。つまり、この作品で、世紀末に生まれようとしている新たな男女間の役割と行動パターン(そして必然的に男女の関係や習慣、性道徳自体の変化も伴う)のひとつの例が、映像化されることになる。
人は誰しも程度の差こそあれ、禁じられた性愛、人目を忍ぶ情事、密かなセックスとの出会いを空想する。これは私たち誰もが認識している明白な事実だ。とはいえ、臆病だったり、因習にとらわれていたり、あるいは周囲の事情から、この空想を実行に移すことはまずないのだ。それに、少し前までは心の奥深くに抑圧されていて、この空想が声に出して語られることも決してなかった。そこで、実際に体験した話や心の中に渦巻く欲望や空想を語る女性たちの生の声を取り上げたら、もっと興味深く驚きも大きいと考えたのである。
世紀末を記念する映画が、ある意味で万人が半ば無意識に抱く総体的な夢の具現化であるとするなら、この”バーチャル・リアリティ”のお話をフィクションという虚構の世界に転化するには、または少なくともこのエロチックな空想を象徴化するには、映像という媒体はまさしくうってつけだと思われる。

映画化するにあたり、いわゆる文化人エリートによって未だに軽蔑され、さらには否定的扱いや無視すらされている主題に”芸術的意識”という筋を一本通そうと努めた。また現代の映画はこの主題を屈辱的あるいは低俗的に扱うことが多く、また活字媒体ではそのイメージにフィルターがかかり、そのため単なる性的描写というよりむしろ感情表現の手段になっている。

この作品では、確かにおどおどした唇や誇張した外陰部、むき出しのお尻、豊満な乳房、股間の奥まで映しだされているが、スクリーンの肉体におぼれて没我の境地に浸るのは素晴らしいことだ。しかし、これはすべて物語の設定上不可欠のものであり、かつ厳しい規制範囲内での表現であって、ポルノ映画のようにわざとらしい非現実的な設定とは違う。例えば、”ハードコア”と銘打つポルノ作品であれば、スクリーンに男性器の射精場面を映し出さなければならない。これはポルノ映画が——肉体そのものではなく、行為を映し出す——セックスを”売り”にしているからで、これで観客の快楽と好奇心を満足させるのである。今回の作品『郵便屋』では、陽気で、楽しくて、皮肉で、愉快で、明敏なスタイリスティックな手法でセックスを取り扱っている。この私がそう太鼓判を押す。
この姿勢により、私はセックスを異常で病的な淫乱の源というよりむしろ純粋で無垢な歓びの源ととらえた。つまり、セックスは罪悪や堕落ではなく、歓びであり、解放なのである。

こうした姿勢でセックスをとらえることで、映画でも現実の人生でも”セックスは軽く背負っていけるもの”と考えることができ、実際にそう扱うことができると私は信じるのである。——監督:ティント・プラス

ストーリー



『カリギュラ』巨匠:ティント・ブラス監督作品。

スタッフ

監督:ティント・ブラス
撮影監督:ダンテ・ダッラ・トッレ
美術監督:マリア・ルイジャ・バッターニ
衣装:イヴォ・クルノジェヴイク
音楽:リッツ・オルトラーニ
原案:ティント・ブラス
脚本:アウレリオ・グリマルデイ(『肉屋』)/クラウディオ・リッツァ/ティント・プラス
製作:ジョヴァンニ・ベルトルッチ

キャスト

チンツィア・ロッカフォルテ
クリスティーナ・リナルディ
エリカ・サフォ・サヴァスターニ
ガイア・ズッキ
カルラ・ソラロ
ガブリエラ・バルブティ
アレッサンドラ・アントネッリ
ラウラ・グアルティエリ
サラ・コスミ
クラウディア・ビアジョッティ
パオロ・ランツァ
パスクアレ・ペルジャーノ
ルカ・フラウト
ギブリィ・F・ロンバルディ
ジヤンニ・デ・マルティイス
マウリツィオ・プルデンツィ
アンドレア・サカタリーニ
クリスティアン・マラツィッティ
ティント・プラス

LINK

□公式サイト
□IMDb
□この作品のインタビューを見る
□この作品に関する情報をもっと探す