自分にたどり着くまで BOXER飯泉健二 ボクシング、ボクシング、ボクシング。 先の見えない孤独な闘いが始まった。

2001年／ビデオ／90分 配給：グループ現代

2001年3月31日よりBOX東中野にて、夜9時よりレイトショー公開

公開初日　2001/03/31

公開終了日　2001/04/20

配給会社名 0142

公開日メモ　連続KOを築き上げていくサウスポーのハードパンチャー、飯泉健二　19歳。打たれても打たれても前に出るため、相手のパンチも多く受ける。網膜剥離．．．突然の出来事であった。

解説

本作品『ＮＯ　ＳＵＲＲＥＮＤＥＲ—自分にたどり着くまで—』を制作するにあたり、「２１世紀に向けて、私達に何が出来るのか」というキーワードを足掛かりに、これからの世界を担っていく若者に向けて、この作品を立ち上げました。その素材として、あえて日本ではなかなかメジャーな域に達しないボクシングというスポーツの世界から、一人のボクサーの行き方を通して、今日の社会が失いかけている肉体的な痛みと経験、そこから生まれる想像力を培うことを目標に取り組みました。この作品を一人でも多くの方に見ていただければ幸いです。

ストーリー

連続KOを築き上げていくサウスポーのハードパンチャー、飯泉健二　19歳。デビューからわずか2年で日本フェザー級1位となり、ずば抜けた強さで観客を魅了した。「Keep on attacking」攻め続けること。それがボクサー飯泉のポリシー。彼の強さを印象付けたのは、鍛え上げた体だけを武器に、相手の力を真っ向から受け止めて、それ以上の力で相手を凌駕するファイトスタイル。単純明快だが、誰もが真似出来ることではなかった。打たれても打たれても前に出るため、相手のパンチも多く受ける。スーパーフェザー級に階級を上げて、さらにKOの山を築き波に乗っていた時、網膜剥離．．．突然の出来事であった。

網膜剥離になったボクサーはJBC（日本ボクシングコミッション）からライセンスを取り消され、試合をさせてもらえない。事実上の引退である。しかし、飯泉は当たり前のようにジムに現れては、黙々とトレーニングをこなしていく。再びリングに上がることだけが、唯一不安を遠ざけてきたと言うだけあって、飯泉のストイックな生活がその鋼鉄のような肉体から伝わってくる。先の見えないハードなトレーニングがいつまで続くのだろう。
　それから9年という特を経て、飯泉に奇跡が起こる。IBFという新興の団体が復帰を認めたのである。３０歳を迎えた飯泉には家族がいた。ファイトマネーもたかが知れていた。なによりも失明の危険性。それでもボクシングが出来る、ただそれだけで充分だった。不器用だが素朴で力強い飯泉の生き様は、無駄なく要領よく生きることに慣れている現在の社会では異彩を放つ。だからこそ魅力的なのだ。忘れ去られたボクサー飯泉健二が今、よみがえる。ボクシング、ボクシング、ボクシング。ボクシング漬けの男の生き様をシャープに描いたドキュメンタリー作品。

スタッフ

プロデューサー：川井田　博幸
撮影：高橋 葉弥、塚田 有紀、坂野 貴弘、永伊 智一
音声：白鳥 正巳
照明：松岡 英夫
ナレーター：永伊 智一
編集：永伊智一
編集協力：芹田 洋、竹内 京
整音：東京テレビセンター、門倉 徹
助監督：桃井 治郎
制作進行：二宮 大輔
資料提供：フジテレビ、日本テレビ、TBS、ワールドボクシング
制作協力：アトレ企画
挿入曲：『聖母の御子』
演奏：岩永善信
制作／配給：株式会社グループ現代
監督：永伊 智一

キャスト

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