原題:6ixtynin9

非常に楽しいホラー&スリラー&コメディ!タイのタランチーノだ!

☆ベルリン映画祭'00ドン・キホーテ審査員特別賞受賞 ☆香港国際映画祭'00国際批評家連盟賞受賞 ☆ブルックリン国際映画祭'00最優秀長編作品賞受賞 ☆バンコク国際映画祭'99最優秀脚本賞受賞 ☆ノッテルダム国際映画祭出品'99 ☆トロント国際映画祭出品'99

初公開:ノッテルダム国際映画祭2000年01月30日公開

1999年度作品/タイ映画/カラー作品/1時間55分/ドルビーSRD/後援:タイ王国大使館 配給:ニューセレクト&アルバトロス・フィルム/宣伝:アルバトロス・フィルム/デザイン:フィッシュ・デザイン

2001年6月8日DVD発売/2001年6月8日ビデオ発売 2000年12月23日、シネマスクエアとうきゅうにて公開

公開初日 2000/12/23

配給会社名 0012

解説

タイ映画。耳慣れない響きである。日本でタイ映画が公開されるとこはこれまでほとんどなかったのだから当然なのだが、それが不思議に思えるほど、「6ixtynin9」による初体験は衝撃的だ。
息もつかせぬこのエンターテインメント、タイでは「バウンド」「ユージュアル・サスペクツ」を超える衝撃作品と噂が噂を呼び、国内全70館のうち45館での大規模拡大上映となった。
約1年のロングランでタイ史上最多の500万人動員という社会現象にまで発展した。
その興奮は日本にも飛び火するに違いない。とはいえ映画の発進地としてのタイは未知の国。そこでタイ映画の歴史を紐解いてみると、その創世記には意外にも日本人が絡んでいる。
1905年、タイ国内に初めて映画館を開設したのは、なんと日本人興行者だったのだ。そして、タイでは「映画」のことを「イープン」と呼ぶが、イープンとは驚くことに「日本人」の意味なのである。
微笑みの国タイと日本にそんな繋がりがあることはあまり知られていない。
1962年生まれの新鋭監督ペンエーグ・ラッタナルアーンは、ニューヨークで美術史と哲学を学んだのちイラストレーター、グラフィックデザイナーとして活躍。
本国に戻ったあとはアートディレクター、テレビCM製作と活動の場を広げ、そのマルチな才能が注目されてやおら、「FUN BAR KARAOKE」(97年)という奇妙なタイトルを掲げて監督デビュー。バンコクの現代の若者を描いたこの作品は、本国はもとよりベルリン映画祭、モントリオール映画祭、フランス三大陸映画祭など世界中の映画祭で、驚きと絶賛をもって迎えられた。
そして第2作目の本作「6ixtynin9」によっていよいよその実力が世界に認められる。
タイ国内の映画祭では賞を総ナメ、そして世界各国の映画祭に参加し‘タイのタランティーノ!’‘ヒッチコックの再来’などと熱狂の声が高らかにあがり、ベルリン映画祭ドン・キホーテ審査員特別賞、香港国際映画祭国際批評家連盟賞、ブルックリン映画祭最優秀長編作品賞などを受賞している。
主演女優ラリターは、トップモデルであり、また圧倒的な演技力で人気を誇るタイ映画界の女王。本作での怪演で、すでにハリウッドから出演依頼が殺到している。今後の活躍に大注目の、アジアの新星だ。

ストーリー

ファイナンス会社の秘書として働くトゥム(ラリター・パンヨーパート)は、ある朝突然くじ引きによってリストラされる。ショックからいっそ死ねれば…と自殺まで考え夢にうなされる始末。
そんな翌朝、彼女のアパートのドアの前にインスタントラーメンの段ボール箱が置かれていた。何だろう?と好奇心からその箱を部屋に運び、中を開けてみるとなんと、100万バーツの大金が箱いっぱいにぎっしり詰まっていたのだ!しかし、その大金は現役ムエタイ選手のヤクザが運び屋になって「9」号室に届けなければならないいわくつきの金だった。
だが、彼女の部屋は「6」号室。実は部屋のドアについているハズの数字は釘がいつもはずれて「9」にひっくり返ってしまうのだった。そんな事とは露知らず大金を目の前にして喜びと動揺を隠しきれないトゥム。
早速、親友のジム(タッサナーワライ・オンアーティットティシャイ)に「もし、100万バーツを見つけたらどうする?」と電話。しかしそんな夢見話に真剣に付き合うはずもないジム。
トゥムは、ひとりこの大金の使い道を考えていた。そんな時、何者かが突如ドアをノックした。
金を置く部屋を間違えたことに気づいたムエタイ選手のヤクザ2人が「ダンボール箱を見たか?」と訪ねてきた。
恐怖から「知らない」と言ったものの、彼女の言葉を信じなかった2人は強引に部屋へ押し入ってきたのだ!トゥムは必死に抵抗。もみ合ううちに気付くと2人を殺してしまった!
2つの死体と大金を前にして一度は警察へ、と考えたトゥムだがやっぱり後戻りは出来ない…。死体を処理し、偽造パスポートとビザを用意、飛行機のチケットの手配までした。
どこか海外に行って残りの人生を楽しむんだ!と決意したのだった。だが、偽造パスポートとビザを頼んだ相手は、なんと箱に入った100万バーツの持ち主カンシット(ブラック・ポムトーン)だった。金を盗んだのがトゥムだと気付き彼女の素性を調べ始める。
そんな中、彼女の部屋の下に住む女性や若い警官、いわくつきの「9」号室に出入りする手下などが、入れかわりたちかわり部屋へ押しかけて来ては次から次へと事件を巻き起こし、挙げ句の果ては親友のジムまでが失恋により自殺未遂を起こしてしまう。
人生の中のたった一日でいろんな不幸が自分を取り巻き途方に暮れるトゥム。
しかし、チケットの手配をした時間が刻一刻と迫っていたのだ。もう時間がない…。焦るトゥムにまだまだ不幸は偶然の重なりとあいまって、誰もが想像もつかないような手のつけられない事態へと転がっていくのだった。クライマックスヘと傾れ込む!!

スタッフ

監督・脚本・製作:ペンエーグ・ラッタナルアーン
製作総指揮:チャルーン・イァムプンポーン
撮影:チャンギット・チャムニウィカイポン
美術:サックスィリ・チャンタランスィー
編集:パッタマナッダー・ユゴーン
音響:アモーンポン・メータークンナウット
衣装:ソムバット・ティーラサロート

キャスト

ラリター・パンヨーパート
タッサナーワライ・オンアーティットティシャイ
ブラック・ポムトーン
スィータオ
アルン・ワンナードボディーウォン
スィリスィン・スィリポーンサマーティクン
リキット・トーンナーク

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