原題:HIDEOUS KINKY

ゆく道が閉ざされていても秘密の道が開かれる。 ここは不思議の国。

ゆうばり国際冒険ファンタスティック映画祭'99出品::http://www.nifty.ne.jp/fanta/yubari/index.htm

1998年イギリス・フランス映画/カラー/1時間38分/シネマスコープ/ドルビーSR/日本語字幕:松浦美奈 提供:KAZUIエンタープライズ、ブエナビスタホエンターテイメント 配給:KAZUIエンタープライズ

2002年08月23日よりDVD発売開始 1999年4月24日よりシネマライズにて公開

公開初日 1999/04/24

配給会社名 0030

公開日メモ 『タイタニック』で世界中を涙と感動の渦で包み込んだケイト・ウィンスレット。レオナルド・ディカプりオに一歩もひけをとらない存在感と演技カで一躍スターダムにのぼりつめた彼女が、『タイタニック』の後にどうしてもやりたかったと語る映画がこの『グッバイ・モロッコ』です。

解説

『タイタニック』で世界中を涙と感動の渦で包み込んだケイト・ウィンスレット。レオナルド・ディカプりオに一歩もひけをとらない存在感と演技カで一躍スターダムにのぼりつめた彼女が、『タイタニック』の後にどうしてもやりたかったと語る映画がこの『グッバイ・モロッコ』です。ウィンスレット自身が10代のころに読んで強く心を動かされたという原作は、精神分析の権威フロイトの孫娘エスター・フロイトが自らの少女時代の思い出をもとに著したもの。母と妹とともに1年半にわたってモロッコのマラケシュで暮らした経験からインスピレーションを受けています。
愛人の不実に傷つき、ロンドンから二人の娘を連れてモロッコにやってきた25歳のシングル・マザー、ジュリア。冷たい霧に包まれた陰鬱な街から、煉瓦作りの家々にタ陽が映える“赤い古都”マラケシュヘ、自分探しの旅に出る。
不思議の国モロッコの、開放的な大地と混沌とした異国文化の中で、ジュリアは幼い娘たちと時にはぶつかり、時にはささえ合いながら、自らの新しい生き方を見出す。また、土地の青年ビラルと出会い、心癒され、その無償の愛を知る…。艶やかな色彩と情熱的な音楽が横溢するエネルギッシュな町マラケシュから、ジュリアたちが旅する砂莫の中の集落まで、エキゾチックなモロッコの風景は、西欧文明に対峙する“開かれた世界”を強く印象づけます。そしてこの美しい世界を舞台に、異なる文化背景を持った男女の愛と、ここでの体験によって自立していくジュリアの心の動きか繊細につづられています。

ストーリー

1972年。25歳のジュリア(ケイト・ウィンスレット)は二人の娘を違れて、ロンドンからマラケシュへとやって来た。8歳のビー(ベラ・リザ)と6歳になるルーシー(キャリー・ムーラン)の父親は有名な詩人。ジュリアは友人から聞いたイスラム神秘主義に惹かれていて、その一派が拠点とするアルジェリアに行く日を心待ちにしていた。
ある日、ビーとルーシーは広場でアクロバットの大道芸をして稼いでいる若者ビラル(サイード・タグマウイ)と出会い、ジュリアに引き合わせる。二人が惹かれ合うのにそう時間は掛からなかった。やがてビラルは山奥にある自分の故郷に彼女を連れていくことにする。荒涼とした丘の上にある小さな集落。貧しくともシンプルに生きる村人たちと接しているとジュリアの心は落ちついた。しかし、ビラルはこの村を出ていったはずのファティマという女性と再会して動揺する。村人から“妻”をないがしろにしていることを各められたビラルは、早々に村を出ることにした。

マラケシュに戻ったジュリアたちは町のカフェで上品な紳士サントニ(ピエール・クレメンティ)に出会った。ロンドンにいるジュリアの愛人を知っているというサントニは彼女に自分の屋敷に滞在するように勧める。貧しさとビラルを失った寂しさから、この申し出を受けるジュリア。サントニの邸宅ではイギリス人女性シャーロットら、彼の友人たちが温かく迎えてくれた。シャーロットは子供たちのためにもロンドンに帰る頃合いだとジュリアに進言するが、彼女は逆にアルジェリアに行くことを決意する。
“普通”であることを望むビーはシャーロットに預け、ルーシーを連れヒッチハイクで旅に出るジュリア。そして、イスラム神秘主義の長老に教えを乞おうとするが、夫のことを聞かれて図らずも涙を流してしまう。ジュりアは自分がまだ過去の生活に囚われている事を実感し、マラケシュに帰ることにする。しかし町に着くと、シャーロットらはこの地を離れた後だった。母を待って一人残ったというビーを探して歩くジュリア。ビーは孤児院で狂信的なキリスト教徒パトリシアの助手として“真っ当”な生活を送っていた。ジュリアによそよそしい態度をとるビー。しかし、ジュリアはパトリシアとの激しい口論の末、ビーを連れ戻し、再び安アパートで暮らすことになる。
数日して、ビラルがアパートに現れた。観光客用のパレードで働いている彼は、きらびやかな軍服を着ていた。しかし、久しぶりの幸せもつかの間、ビーが伝染性の熱病で倒れてしまう。薬も前単には手に入らないこの町。医者からもロンドンに帰るように諭され、ジュリアは帰郷を心に決めるのだった。ジュリアの献身的な看病で、ビーは快方に向かっていた。そんな母子を見て、ビラルは重大な決心をする。商売道具の軍服を売った金で3人のロンドンまでの切符を買うビラル。切符の送り主がビラルだと聞いたジュリアは、彼が命の危険を冒してまで自分たちを救ってくれたことに気づく。ジュリアたちは汽車に乗り込んだ。もう二度とこの地に戻ることはないだろう。やがて汽車が広大な平原にさしかかったとき、線路脇を走ってくる車が目に入る。そこにはビラルが乗っていた。懸命に手を振る彼の背後にはまっ赤なターバンが風にはためいていた。

スタッフ

監督: ギリーズ・マッキノン
脚本: ビリー・マッキノン
原作: エスター・フロイト
ブロデューサー: アン・スコット
エクゼクティブ・プロデューサー: サイモン・ラルフ、マーク・シヴァス
撮影: ジョン・デ・ボ一マン
編集: ピア・デ・チャウラ
音楽: ジョン・キーン
衣装デザイン: ケイト・カリン
録音: ブルーノ・シャリエ
美術: ルイーズ・マルザロリ、ピエール・ゴンペルス

キャスト

ジュリア: ケイト・ウィンスレット
ピラル: サイード・タグマウイ
ビー: ベラ・リザ
ルーシー: キャリー・ムーラン
サントニ: ピエール・クレメンティ
シャーロット: アビガイル・クルッテンデン
ペン・サイード: アーメッド・ブーランヌ
エヴァ: シラ・スタンプ
スーフィー・シェイク: アミドゥ
ヘニング: ケヴィン・マッキド

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