原題:furusato

おばあちゃんのロード・ムービ第2弾!! 前作の『GOING WEST 西へ…』に引き続き、東京から松山をミニクーパーで駆った淡島千景が、沖縄マラソン界のアイドルお婆ちゃん南風原時子に扮し、今度はジョギングシューズに履き替えて沖縄−北海道、3,294Kmを走ります!

1999年日本映画/製作:「故郷」プロジェクト事務局/配給:東映株式会社

2008年03月27日よりDVDリリース 2004年12月23日よりビデオレンタル開始 2004年12月23日よりDVD発売開始 1999年4月10日より、全国東映洋画系にてロードショー公開予定

公開初日 1999/04/10

配給会社名 0004

解説

21世紀に向けての高齢化社会の現状と元気に今を生きている老人たちの姿を、桜前線が北上して行く美しい景色と共に、一人のお婆ちゃんランナーと家族、友人、各地で出会う人々たちとの触れ合いを通して明るくあたたかく描いて行くハートウォーミンクロード・ムービーの登場です!!
沖縄在住の南風原時子は、ちょっと名の知れた名物マラソンお婆ちゃん。今日も、マラソン仲間の友人トカとクミと次の大会に向けて盛り上がっている。だが数日後、突然、卜力がこの世からいなくなった。時子はこの件をきっかけに、ある一大決心をする。それは自分の生まれ故郷(ふるさと)北海道まで走ることだった。孫の恵の心配をよそに友人タミの協力のもと時子のマラソンはスタートを切るのだった。果たして時子は北海道まで完走出来るのか、そして本当の目的とは?
監督は前作に引き続き職人芸の演出が冴えわたる向井寛。主演は前作『GOING WEST 西へ…』で毎日映画コンクール田中絹代賞を受賞し、堂々とその貫禄を魅せつけた淡島千景。今作では名物マラソンお婆ちゃん南風原時子を演じます。共演には映画『ひめゆりの塔』『七人の侍』などに出演、幻の東京オリンピック侯補で時子と強化合宿を友にする若き日の友明蘭を演じる津島恵子。映画『あにいもうと』『お葬式』やテレビ・CMで活躍。自分のせいで帰らぬ人となった時子の義兄・菊馬のことを傷として抱えたまま生きる佐藤正彦を演じる大滝秀治。前作の『GOING WEST 西へ…』に引き続きの出演、時子の友人クミを演じる清川虹子。テレビディレクター本田に映画・テレビに活躍中の実力派尾美としのり。時子の孫・恵にテレビの司会などで活躍、今作が映画初出演となる三井ゆり。新聞記者渡嘉敷に映画・ドラマ・舞台で自身も脚本・演出を手掛ける演技派今井雅之。そして、中尾形、宍戸錠らも脇を固めている
一人のお婆ちゃんランナーが21世紀の架け橋として、大勢の老人たちの夢と希望を胸にかかえて今、走り出す…。

ストーリー

「あんたとまた一緒に走るつもりでさ…力がしてよ…」
リュックを背に、元気にゆったりと急がず、独り言を眩いて走っている一人のお婆さん、南風原時子は沖縄に住む今年七十六才のマラソン高齢者クラスの優勝者。楽しみにしていた恒例のマラソン大会を目前に、突然あの世へと旅立ってしまったランナー仲間のトカ。
同じランナー仲間のクミと遺骨を前に、泡盛を飲み明かした時子は、演奏会を前にスランプに悩み、東京から帰省していたチェリストの孫娘・恵の前から忽然と姿を消した。そして一人密かに鹿子島に向かうのだった。
かつて特攻隊員が還らぬ戦いへ飛び立っていった知覧。義兄・菊馬の名が刻まれた慰霊碑の前で、菊馬と同じ海軍航空隊で特攻隊隊長だった佐藤正彦と偶然、出会った時子。現在は巨大なアミューズメント・センターの会長職に就いている正彦から、熱で倒れた正彦の代わりに、菊馬が沖縄へ旅立ったこと、菊馬が家族に向けて詠んだ和歌「雲ひとつ流るる果てを仰ぎつつ父母妹ふるさと想ふ」を聞かされた時子は、じんわり浮かんでくる涙をハンカチで拭うのだった。
沖縄に残ったクミと携帯電話やEメールで連絡を取り合いながら走り続ける時子。マラソンの途中で立ち寄った大分の高崎山。新しいボス猿の任命式を生中継していたテレビ映像が、時子の朝ごはんを盗んだ猿を追いかける姿を映し出してしまったのだ。テレビで時子を発見したのはチェロの演奏会を控えた恵、そして、格好のネタだと欣喜雀躍のペガサス沖縄テレビ制作局だった。行方不明のマラソン姿さんの姿をカメラで捉えようと、若いディレクターの孝夫を派遣して、大分の日田街道で首尾よく時子を発見したまではよかったのだが.…。
九州縦断をして関門海峡がゴールと思い待機している、テレビ局の中継車や駆けつけた地元民達。しかし時子はジョギンググループの老人達を引き連れて、関門トンネルに向かって一直線に走っていくのだった。山口に入り、沖縄新報の渡嘉敷を交えて時子の道中は続く。時子をテレビ、新聞の企画にとお互い考えている孝夫、渡嘉敷は言い争いながらも、時子と一緒に走っているうちに不思議な友情が芽生えていた。テレビでは連日報道され、“全国のお年寄りの励みの星”となり、時子は日本列島を北上して行く先々で身体の不自由な老人、守男などに勇気を与えるのだった。
京都で疲労を起こして倒れた時子は、病室で孝夫に生まれ故郷(ふるさと)を「クナシリ」と明かし、走る理由を語り始めるのだった。そのころ、北海道にある中華料理店のテレビに映し出された現在の時子と昭和十五年、幻の東京オリンピック選手候補、若かりし日の時子の写真。テレビを見ていた女名店主、明蘭が興奮、混乱、動転して泣き崩れた。「この人! ああ、神様、なんということだろう。あの人なんだよ!」と。故郷への思いを込め走り続ける時子。また、時子を気遣い、自身とも向き合う勇気を持った恵は演奏会へ向けて練習を始める…。

スタッフ

ゼネラルプロデューサー: 野村光義
監督: 向井寛
企画: 向江寛城、間嶋豊
プロデューサー: 内藤三郎、大曲由紀子、宗豊
脚本: 石森史郎、鈴木盛子、島来夢、向井寛
音楽: 芥川隆
撮影: 鈴木史郎
チェロ作曲・演奏指導: 迫田時雄
照明: 柴田信私
録音: 中山隆匡
美術: 矢野貴章
編集: 神谷信武
助監督: 芝山隆ニ
プロデューサー補: 中島誠一郎、金子寿美子
メイキングカメラ: 志村敏雄
キャスティングプロデューサー: 芥光生
選曲: 山川繁
効果: 福島行郎
スクリプター: 福島勇子
製作担当: 力武敏彦
監督助手: 田尻裕司、菅沼隆
ヘアメイク: 小島智美
スチール: 中原康太郎
ネガ編集: 大橋まさみ
タイトル: 道川昭
宣伝: 杉田薫、磯部武志、鈴木香里
チェロ指導: 相馬匡彦
チェロ演奏: バスバー
協賛:日本クリニック、全旅連、JAS
制作協力: ローバージャパン、ミノルタ、ソニー、NTT DOCOMO、NTT、DESCENTE、
大沢商会、花キューピット、桑梓、太平洋フェリー、琉球海運、フォンテーヌ

キャスト

南座原時子: 淡路千景
本田孝夫: 尾美としのり
南風原恵: 三井ゆり
渡嘉敷政憲: 今井雅之
与那嶺高用: 中尾彬(友情出演)
青柳亮介: 宍戸錠(友情出演)
毎空: ポール牧
大崎守男: 奥村公延
比嘉タミ: 清川虹子
佐藤正彦: 大滝秀治
明蘭: 津島恵子

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