原題:39

刑法第三十九条「心身喪失者の行為はこれを罰しない。心身耗弱者の行為はその刑を減刑する』 心身喪失者…司法精神鑑定…トラウマ…ロールシャッハ・テスト…あなたは誰。 森田芳光が放つ、日本を震撼される衝撃のエンターテインメント大作誕生

☆第49回ベルリン国際映画祭コンペ部門正式出品作品

1999年日本映画/133分/カラー/配給:松竹

2002年08月25日よりDVD発売開始 1999年10月21日よりビデオレンタル開始 1999年5月1日(土)より全国松竹系一斉公開!

●「39」公開直前☆森田芳光監督インタビュー::http://www.nifty.ne.jp/rforum/fcinema/topics/9905/topics01.htm

公開初日 1999/05/01

配給会社名 0003

公開日メモ 刑法第三十九条「心身喪失者の行為はこれを罰しない。心身耗弱者の行為はその刑を減刑する』心身喪失者…司法精神鑑定…トラウマ…ロールシャッハ・テスト…あなたは誰。森田芳光が放つ、日本を震撼される衝撃のエンターテインメント大作誕生

解説

常識を覆すような犯罪が横行し、猟奇的犯罪が頻発。穏やかだった隣人が平然と犯罪に手を染める一方で、動機もないままに被害者になってしまう隣人もいる…。社会のシステムがグローバル化し、ますます複雑になり人間不在の現代、何を信じていいのか分からない中で人は不安と孤独にさいなまれ、誰しもが“普通”ではなくなっている。こうした現代の恐さをすくいとった『羊たちの沈黙』『セブン』といった作品が多くの支持を集めたのが、この『39』のもつ【ある種の恐さ】は、世紀末を迎え混沌とする現代社会に潜む【時代の恐さ】を表しているのかもしれません。
いずれにしても、20世紀最後にしてこの世紀末という時代を象徴する傑作サイコサスペンス『39』がここに誕生しました。残虐な夫婦殺害事件で逮捕された多重人格の容疑者と、その精神の内奥に分け入る鑑定人。ふたりの息詰まる対決の中から、事件の奥に潜む真実が明らかになっていきます。まるでジグソーパズルを埋めていくようなミステリーとしての快感をはらみながら、映画は現代人特有の“普通ではない”感覚を持ち、混沌の世界にもがくヒロイン、容疑者、そして奇妙に屈折した全ての登場人物の姿を浮き彫りにすることで、鮮やかに“時代”を映し出していきます。

出演者も鈴木京香、堤真一、山本未来、樹木希林、江守徹、杉浦直樹という充実した顔ぶれ。ぞれぞれ抑揚の効いた演技を見事に披露しています。しかし何より“銀残し”や不安感をあおる構図を駆使しながら巧みに現実に起きた事件のイメージを取込み、“まがまがしい雰囲気”をみなぎらせた演出が圧倒的です。最後に明らかになるメッセージを含め、全編を巡って展開する壮絶な人間ドラマ。あの『失楽園』を大ヒットさせた森田芳光が伏線を随所に散りばめ、計算し尽くされた演出で観るものに新たな挑戦状を突きつけます。『39』はまぎれもなく日本を震撼させる衝撃のエンターテインメント大作なのです。

ストーリー

刃物を兇器とした猟奇的夫婦殺害事件が東京・豊島区雑司が谷で発生した。背中に包丁を突き立てられている被害者・畑田修の傍らには妊娠中の妻・恵が胎児ともども腹部を切り裂かれ、無残にも殺されていた。捜査にあたった警視庁捜査一課の刑事・名越文雄は兇器についた指紋と落ちていた1枚のチケットから、劇団員の柴田真樹を犯人と断定。公演中の柴田を舞台の上で逮捕する。取り調べで室で柴田は、殺害そのものは大方認めたものの、殺意を否定。殺害当時の記憶がなかったことを主張した。柴田の国選弁護人に指名された長村時雨は留置所で柴田に接見し、動機について聞き質そうとするが、そのことに触れると柴田は穏やかな表情を一転させ、まるで人が変わったように長村を威嚇する。
裁判が始まった。東京地検の公判部検事・草間道彦が淡々と起訴状を読み上げ、裁判長が柴田に罪状認否を問いかけた途端、柴田は態度を一変させ、人格が変わったようになった。長村弁護士は柴田の司法精神鑑定を請求する。裁判官が精神鑑定人として選任したのは、大学で精神医学の教鞭をとっている藤代実行だった。彼は、助手として手伝いを頼んだ小川香深を伴って拘置所を訪れる。柴田の経歴について次々と質問を投げかける藤代の横で、香深は当初記録をとるだけだったが、鑑定の回を重ねるうちに香深も質問を浴びせるようになる。そして香深が一人芝居の台本を朗読しはじめると、柴田の手がふるえだし、別の人格が誘導され、柴田は香深に飛び掛かった。壁に押し付けられた香深は、苦悶しながら冷静に柴田を観察。藤代教授は、柴田が犯行時には精神が解離状態で心神喪失していたと鑑定するが、香深は別の結論を確信する。そして香深は草間検事に直訴し、再鑑定の鑑定人として動きだす…。

スタッフ

企画・製作: 鈴木光
製作: 幸甫
プロデューサー: 三沢和子、山本勉、田沢連二
脚本: 大恋寿美男
撮影: 高瀬比呂志
照明: 小野晃
録音: 橋本文雄
美術: 小澤秀高
編集: 田中愼二
スクリプター: 森永恭子
キャスティング: 名須川伸吾
助監督: 杉山泰一
製作担当: 氏家英樹
製作主任: 橋本靖
音楽: 佐橋俊彦
音楽プロデューサー: 裕木陽
協力: 中谷陽二(医学博士)
原作: 永井泰宇(角川書店刊)
企画・原案: 鈴木光・大森寿美男
製作: 光和インターナショナル、松竹
配給: 松竹
監督: 森田芳光

キャスト

小川香深: 鈴木京香
柴田真樹: 堤真一
名越文雄: 岸部一徳
小川祐子: 吉田日出子
工藤実可子: 山本未来
砂岡明: 勝村政信
ホームレスの手塚: 笹野高史
中村刑事: 竹田高利
畑田修: 入江雅人
畑田恵: 春木みさよ
館林刑事: 菅原大吉
少年・工藤啓輔: 大地泰仁
少年・畑田修: 南イサム
少女・実可子: 浅井美歌
啓輔の妹・温子: 吉谷彩子
啓輔の母・美幸: 川村一代
少年・柴田真樹: 吉田勇己
岩城先生: 佐藤恒治
精神病院の看護婦: 小林トシ江
犬山の弁護士: 磯部弘
劇団員・野上頼子: 土屋久美子
裁判長: 田村忠雄
漁村の村松: 井上博一
犬山の警官: ラッキィ池田
柴田利光: 國村隼
長村時雨: 樹木希林
草間道彦: 江守徹
藤代実行: 杉浦直樹

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