原題:THE SPITFIRE GRILL

誰にも言えない過去を抱えて、彼女はここにやって来た……。 凍てついた心を癒せるのは傷ついた心だけ…。

1996年アメリカ映画/上映時間:1時間56分/ビスタサイズ/東宝東和提供

2005年03月25日よりDVDリリース 98年お正月、シャンテシネ他東宝洋画系にてロードショー!!

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公開初日 1998/01

配給会社名 0002

解説

冷たい空気が肌を刺すようなある冬の夜、彼女はたった一人バス停に降り立った。孤独な表情に、過去の拭えない悲しみを滲ませて。鬱蒼とした森に囲まれて、ひっそりと佇むその町。もはや森の美しさにも無感動になった町の人々は、突然の訪問者を疑惑の目で見つめ、口々に噂しあう。しかし、やがて彼女はその純粋さと優しさで、人々の閉ざされた心を解放し、傷ついた魂を癒やしていく。まるで、この森に舞い降りた天使のように…。
 熱狂的なスタンディング・オベーションが5分間も続いた96年サンダンス映画祭……感動した観客は、流れる涙を隠そうともしなかった。そして、その映画「この森で、天使はバスを降りた」は、観客賞を受賞した。

ストーリー

主人公パーシーは、メイン州のこの小さな町ギリアドにやって来た。身も凍えるような寒さに身体を屈め、傷ついた過去を抱えて。彼女は古ぼけたレストラン“スピットファイアー・グリル”で働き始める。素性のわからないパーシーに冷たい視線を向ける町の人々。しかし、パーシーは閉ざされた町で、それぞれに悩みを抱えて生きている人々に出会い、心を通わせていく。一人息子を戦争で失い、素直に心開くことのできなくなったグリルの女主人ハナ。夫に蔑まれ、自分の生きる価値を見失っている主婦シェルビー。そんな人々をパーシーは誰よりも温かく包み込んでゆく。やがて、その笑顔の向こうに隠された彼女の悲しい過去が明らかになっていく…。
 まだ少女の頃に、思いもかけず、自分の中に宿った新しい生命。それは家族の愛情に恵まれないすさんだ環境で育ったパーシーにとって、唯一の心の安らぎだった。しかし、幸せな日々も束の間、継父の突然の暴力に小さな生命は永遠に奪われてしまう。大切に育んできた自分の子供を守れなかった…彼女に残されたのは、消そうと思っても消せない心の傷だけだった。
 パーシーは、傷ついた天使。誰よりも深く傷ついた彼女だから、人の心の痛みがわかる。彼女の純粋な優しさと誠実さが、凍てついた人々の心を溶かし、心の傷を癒やしていく。まるで、冬から春へと姿を変えていく町のように…。

スタッフ

監督・脚本: リー・デビッド・ズロートフ
製作: フォレスト・マーレー
製作総指揮: ウォレン G.スティット
撮影監督: ロブ・ドレイパー,ACS
編集: マージー・グッドスピード
プロダクション・デザイン: ハワード・カミングス
音楽: ジェームズ・ホーナー

キャスト

パーシー・タルポット: アリソン・エリオット
ハナ・ファーガソン: エレン・バースティン
シェルビー・ゴダード: マルシア・ゲイ・ハーデン
ネイハム・ゴダード: ウィル・パットン
ジョー・スパーリング: キーラン・マローン
ゲーリー・ウォルシュ保安官: ゲイラード・サーティン

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