F (エフ)
恋することに臆病だった。あなたに出逢うまでは・・・・・・
1998年度作品/カラー作品/松竹配給
98年9月21日ビデオレンタル開始 98年3月7日、松竹系にて全国ロードショー公開!!
公開初日 1998/03/07
配給会社名 0003
解説
好きな人に告白することも出来ず、馴れ合いと恋愛を履き違えて、それとなく日々を過ごすカップルたち…。この映画は、そんな恋に大人になりきれない人たちへ贈る、甘く切ないラブストーリーである。
普通のOL・荻野ヒカルは、中学時代から彼女に好意を寄せる久下章吾と、今では恋人同士。章吾からのプロポーズは、時間の問題だ。恋に臆病なヒカルもまた、自分のことを一途に想ってくれる彼といることに居心地の良さを感じていた。そんなある日、ふとした出会いにより、ヒカルの心の中に突然飛び込んできた男・古瀬郁矢。世界的に有名なバレエダンサーである彼は、練習中に足を骨折し、本業での落第を意味する「F」の名前で、ラジオの覆面パーソナリティを務めていた。章吾という恋人がいながらも、郁矢の存在が次第に大きくなっていることを感じるヒカル。そして彼もまた、ヒカルと出会ったあの日を忘れられずに、ラジオからヒカルにメッセージを呼び掛けるが…。恋愛において成績が「F」のヒカルと、同じく「F」の郁矢。素直になれない二人の恋の行方は?
恋人・章吾と郁矢の間で揺れ動く主人公・ヒカルを演じるのは、若手映画女優No.1の実力を持つ羽田美智子。そして郁矢には、実生活でもクラシックバレエの頂点、英国ロイヤルバレエ団のプリンシパル(主役)を最年少で務め、日本でも話題を呼んでいる熊川哲也。彼は今回が映画初出演となる。共演には、若い男女に人気絶大の村上里佳子、ドラマ『こんな恋のはなし』で一躍脚光を浴びた戸田菜穂、今やベテラン俳優の域に入る野村宏伸など、個性派演技派が顔を揃え、ラブストーリーに切なさを加味する。
原作は、若者の心を巧みに捉え絶大な支持を得る人気作家・鷺沢萠の「F 落第生」。監督は、「ガメラ」や「学校の怪談3」などを手掛けた日本映画界のヒットメーカー、金子修介が担当する。また今回、映画の主題歌を初めて書き上げたいう渡辺美里が、切ないラブソングを披露。ストーリーをより一層盛り上げる。
さらに本作品は、AM・FM・短波がラジオのブームアップをめざし、’97年2月に、川内通康・民放連・音声放送委員会委員超が一致結束してスタートさせた「ラジオ新時代」キャンペーンの一環として、全国95局の民放ラジオ局が全面サポート。各局からパーソナリティが1人ずつ出演し、史上初の“競演”も実現する。
ストーリー
1983年・東京、機械いじりが何より好きな中学2年の女の子・荻野ヒカルは、ある日、突然の事故で両親を失う。落ち込むヒカルを励ましてくれたのは、ヒカルと同じ放送部の親友・江島有加と、同じく放送部でヒカルに好意を寄せる久下章吾。そして何よりヒカルを勇気付けたのは、誰もいない野外音楽堂の舞台で、黙々とバレエの練習に打ち込む見知らぬ少年だった。偶然通りかかったヒカルたちに目もくれず、ただひたすら踊り、華麗に舞う少年。その姿に、ヒカルは生きる希望と勇気を与えられたのだった。
1997年、世界で最も権威のあるバレエ団の一つ、イギリスのロイヤル・バレエシアターで、1人の日本人が話題になっていた。古瀬郁矢(熊川哲也)、25歳。15歳の時に単身渡英、ロイヤル・バレエシアターで日本人として初めてのプリンシパルとなった彼は、イギリスはもとより、日本でもバレエ界の歴史を塗り替えるであろう大物スターとして注目を集めていた。そんな折、郁矢は練習中に右足を骨折、療養を兼ねて日本へ帰国する。
八幡の秋祭り。28歳になったヒカル(羽田美智子)は、浴衣姿で毎年恒例の祭りを見物していた。その脇には、中学時代からヒカルだけを想う章吾(野村宏伸)。今では念願叶い恋人となった二人は、祭りの帰り道、車がインロックして困っている女と松葉杖をついた男のカップルに出会う。松葉杖の男は古瀬郁矢で、女は彼のマネージャー・片岡京子(戸田菜穂)だ。未だに恋愛より機械いじりが好きなヒカルは、持ち前の器用さで瞬く間に鍵を開ける。それを驚き見ている郁矢と京子。だが、次のエンジンに掛かろうという時、京子は急用を思いだし、章吾の車で一足先にガソリンスタンドへ。残されたヒカルと郁矢は、やっとエンジンの掛かった車で後を追うが、その道中、本名すら名乗らない他愛の無い会話の中で、お互いに心惹かれるものを感じていた。そして、自分は落第生だという郁矢を、ヒカルは英語の評価でいう落第点、F(エフ)と名付け別れる。この時にはまだ、キザな松葉杖の男がプリンシパルの古瀬郁矢で、14年前にヒカルに勇気を与えたあの少年であることもしらずに…。
その後、何の変わりもなく平凡に暮らすヒカルのもとに、有加(村上里佳子)が離婚して戻ってきた。有加は早くも、ヒカルの祖父が経営する電気店で働く話を付けたらしい。章吾も加わり、久しぶりの再開を喜ぶ三人。その時、ラジオから軽快なディスクジョッキーの声が流れてくる。ミスターFと名乗る彼の声に、あの松葉杖の男を思い出すヒカル。そして、あの時のトキメキとも言える不思議な感情を押さえることが出来ず、ヒカルは“片隅のヒカリ”というペンネームで、ミスターFのラジオ番組にハガキを出した。そのハガキを受け取った郁矢もまた、“片隅のヒカリ”が祭りの帰り道に出会った一目惚れの女性であると確信、ラジオ番組を通して“片隅のヒカリ”探しに乗り出す。優等生のダンサーを目指しバレエ一筋に生きてきた郁矢と、28年間恋することに臆病だったヒカル。恋愛に対してはどちらもF(落第点)の、二人の恋の物語が始まる…。
スタッフ
監督:金子修介
キャスト
羽田美智子
熊川哲也
村上里佳子
戸田菜穂
野村宏伸
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