ダロウェイ夫人
原題:Mrs. Dalloway
青春の日々、老いも死も、過ぎゆく時の驚きのなかに。 6月のある晴れた日、ロンドン。ひとりの女性が見つめる人生の真実。
1997年イギリス・オランダ合作/英語/カラー/ヴィスタサイズ/1時間37分/ドルビーステレオ/ 字幕・戸田奈津子/配給:日本ヘラルド映画
1998年8月8日岩波ホールにて夏休みロードショウ公開!!
ヘラルド
公開初日 1998/08/08
配給会社名 0058
解説
本作『ダロウェイ夫人』は20世紀を代表する女性作家ヴァージニア・ウルフ(1882-1941)の同名小説を映画化した作品です。『アントニア』(95)でアカデミー外国語映画賞を受賞したマルレーン・ゴリス監督、名女優ヴァネッサ・レッドグレイヴ、その他、近年、ウルフの紹介に努めてきた脚本のアイリーン・アトキンスなど、この作品に関して現在考えられる最高のスタッフ・キャストが力を合せて製作にあたりました。この作品には天才作家ウルフに対する、彼女たちの心からの尊敬と愛情が込められています。原作はウルフが1925年に発表した、彼女の本質を最も表す作品といわれています。老いや、死を意識し始めた女性の心の移ろいを通して、生の歓びと死への憧れがひとつのものとして描かれ、人生の真実が女性の視点で鮮やかに浮き彫りにされています。映画でも、ゴリス監督は、ヴィクトリア朝末期の華麗な上流社会、1920年代初頭のロンドンの街の表情を再現し、レッドグレイヴの素晴らしい演技をえて、映画化が困難といわれた繊細で奥深いウルフの世界をあますところなく伝えています。
ストーリー
第一次世界大戦終了から5年後のロンドン、1923年6月のある晴れた朝、国会議員夫人クラリッサ・ダロウェイが自宅で催す夜会のために花を買いにでかける。街を歩きながらクラリッサは、30年前の輝くような青春の日々を振り返り、ロマンティックなピーターとの波瀾に富んだ人生ではなく、政治家リチャードとの平穏な人生を選んだことが正しかったかと自問するをする。彼女は50歳を過ぎ、病気をしてから、人生に不安を感じるようになっていった。華やかな夜会で、クラリッサはピーターや若き日の友人サリーとの再会を喜びながらも、一度も出会ったことのない青年セプティマスの死を知り衝撃を受ける。セプティマスは戦場で心に深い傷を負い、夕刻に自殺をとげたという。クラリッサは彼の生き方の純粋さに共感し、さらに老いと死の恐れをこえて、人生を美しいものとして受け入れていく…。
スタッフ
原作 ………… ヴァージニア・ウルフ(集英社7月刊)
監督 ………… マルレーン・ゴリス
脚本 ………… アイリーン・アトキンス
撮影監督 ………… スー・ギブソン
編集 ………… ミヒャエル・ライヒヴァイン
製作総指揮 ………… クリス・J・ボール、
ウィリアム・タイラー、
サイモン・カーティス、
ビル・シェパード
製作 ………… リサ・カテセラス・パレ、
ステファン・ベイリー
共同製作 ………… ハンス・デ・ウェールス
製作補 ………… ポール・フリフト
キャスティング ………… セレスティア・フォックス
衣装 ………… ジュディー・ペッパーダイン
美術監督 ………… デイヴィッド・リチェンズ
音楽 ………… イロナ・セカス
キャスト
クラリッサ・ダロウェイ夫人 ………… ヴァネッサ・レッドグレイヴ
若きクラリッサ ………… ナターシャ・マッケルホーン
セプティマス・ウォレン・スミス ………… ルパート・グレイヴス
ピーター・ウォルシュ ………… マイケル・キッチン
若きピーター ………… アラン・コックス
ロセター卿夫人(サリー・シートン) ………… サラ・バデル
若きサリー ………… リナ・ヘディー
ルクレツィア・ウォレン・スミス ………… アメリア・ブルモア
ヒュー・ウィットブレッド ………… オリバー・フォード・ディヴィーズ
若きヒュー ………… ハル・クラッテンデン
エリザベス・ダロウェイ ………… ケィティー・カー
ミス・キルマン ………… セリナ・カデル
リチャード・ダロウェイ ………… ジョン・スタンディング
若きリチャード ………… ロハート・ポータル
ウィリアム・ブラッドジョー卿 ………… ロバート・ハーディー
ブルートン卿夫人 ………… マーガレット・タイザック
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