COWBOY BEBOP 天国の扉
原題:COWBOY BEBOP-knockin'on heaven's door-
それは、聖者のような悪魔だった。
2001年/日本/1時間54分/ビスタサイズ/ドルビーSR-D 配給:ソニーピクチャーズエンタテインメント
2002年1月25日DVD発売/2002年1月25日ビデオレンタル開始 2001年9月1日より渋谷東急3ほか全国ロードショー公開
(C)SUNRISE/BONES BANDAIVISUAL
公開初日 2001/09/01
公開終了日 2001/10/19
配給会社名 0042
公開日メモ 伝説の人気アニメーション「カウボーイビバップ」のオリジナル劇場版
解説
躍動するジャズのリズム。駆け抜ける個性的なキャラクター。そして、スタイリッシュかつ胸踊るスペース・アクション。テレビシリーズから生まれ、今やハリウッドも注目する本格ハードボイルド『カウボーイビバップ』が、ついに劇場用アニメーション映画『COWBOY BEBOY 天国の扉』として、帰ってきた!
宇宙時代を迎えた21世紀の太陽系。「位相差空間ゲート」により、人類は短時間で惑星間を航行し、各惑星で生活していた。殺伐混沌とした惑星社会では、発生する犯罪も多様化し、それに対抗するため太陽系刑事警察機構(lSSP)が設立された。そしてさらに、広大な宇宙間に散ってしまった無法者や組織などの犯罪者たちを捕らえるために、個人や警察機構、政府などが賞金を懸ける”賞金稼ぎ”の制度が導入されていた…。
銀河の”カウボーイ”ともいえる主人公たち賞金稼ぎのスパイク・スピーゲル、スパイクの相棒ジット・ブラック、過去の記憶を喪失した女賞金稼ぎフェイ・ヴァレンタイン、天才的ハッカーの少女エド、そして犬のアイン——4人と一匹が、惑星間航行船ビパップ号を駆り、賞金首を追い、時空を超えて、クールでルーズなスペース・アクションを繰り広げる、それが『カウボーイビバップ』だ。
テレビ・アニメーション・シリーズ『カウボーイビバップ』は、テレビ東京系で1998年4月から13話のみが放送され、その後、ファンの絶大な支持と熱い声援を受け、同年10月からはWOWOWで全26話が完全放送されるという、異色な形で世の中に登場した。さらに、放送終了から3年を経過した現在でもその人気は衰えることを知らず、ビデオ、DVD、LDは60万本を超える売上を誇り、また新たなファンを魅了し続けている。
《”煉獄”…それは、天国に入れず取り残された者たちが苦しみ続ける場所。》
2071年、火星。ハロウィンを目前にしたクレーター都市アルバシティーの高速道路で爆破事件が起こった。それは、正体不明のバイオ兵器を使用したテロであった。火星政府はその首謀者と思われるテロリストに未曾有の賞金3億ウーロンを懸けたのである。
史上最高韻ともいえる賞金にビバップ号クルーも色めきだった。そして、4人それぞれのアプローチで犯人に迫って行くのだが、独断専行したフェイはテロリストの手中に堕ちる。
感情も理性も持たない冷徹なテロリスト、ヴィンセント。マーシャルアーツを操る謎の女エレクトラ。そして裏で蠢く巨大な製薬会社と軍特殊部隊の存在。過激で美しいシリーズ最強の賞金首に加え、さらに様々なキャラクターが登場し、陰謀と謎が交錯し一触即発の状況の中、物語はとてつもない終幕に向かって突き進んで行く…。
“傷だらけ狼”スパイクとヴィンセントの対決の結末は?囚われの身となったフェイの運命は?そしてヴィンセントとエレクトラの真の目的は?
今、聖者の顔をした悪口が仕掛けた”最後のパーティー”が始まろうとしている…!
劇場版のスタッフには、テレビシリーズを手掛けてきたメインスタッフが結集。監督の渡辺信一郎、脚本の信本敬子、キャラクター・デザイン/作画監督の川元利浩、メカニック・デザインの山根公利ら、”ビバップ”精鋭たちの仕事ぶりに大いなる期待がかかる。また、”ビバップ”のもうひとつの魅力、菅野よう子が手掛けるジャズを基調にした音楽が劇場版でも心地よい。
ヴォイスキャストも、スパイク=山寺宏一、ジェット=石塚運昇、フェイ=林原めぐみ、エド=多田葵ら、テレビでお馴染みのメンバーが絶妙のコンビネーションを発揮、そしてゲストキャラを演じるヴィンセント=磯部勉、エレクトラ=小林愛、さらにはスペシャルゲストとして石橋蓮司、ミッキー・カーチスら一クセもニクセもあるベテラン役者も加わり、大スクリーンでジャムセッションを展開する。
また、やつらが何かをしでかしそうだ…。
ストーリー
「ハッピイハロウィン」
私は誰も気づかないほど小さくて、目に見えないほど偉大なもの。
2071年、火星。ハロウィンを目前にしたクレーター都市アルバシティーの高速道路で、タンクローリーが爆発事故を起こした。タンクから漏れだした物質により被害は周囲3kmにも及び、500人以上の死傷者が出る大惨事となった。警察は、タンク内に何らかの薬品が入っていたと断定。事故後に原因不明の死を遂げる被害者たちの姿を目の当たりにし、正体不明のバイオ兵器を使用したテロの可能性を示唆する。そして、火星政府はこれを受け、犯人に3億ウーロンという巨額の懸賞金をかけると発表した。
相変わらずの貧乏状態が続いていたビバップ号クルーたちは、この史上最高額と言われる懸賞金に、当然目の色を変えた。しかも、別件で盗難クレジット・カードの使用情報からハッカー、リー・サムソンを追っていたフェイが、偶然この事件に遭遇し、犯人の姿をビデオに撮影していたの走った。荒れた映像は、犯人捜しの役に立ちそうには思えなかったが、大事故の中心にいたにも関わらず「犯人が死んでいない」ことを女の勘で確信したフェイは、追跡を開始。最初は乗り気ではなかったスパイクやジェット、エドもそれぞれ勝手に犯人捜しを始めるのだった。
スパイクは「何でもある」と噂されるモロッカン・ストリートで毒物を特定しようと聞き込み。そこで出会った謎の人物ラシードから渡された壼の中には、事件の謎を解く鍵となる、小さなビー玉状のカプセルが入っていた。一方、ジェットは元警官のコネを活かしてlSSPの内部情報を探り、ある製薬会社が事件の裏にあるらしいことを聞き出す。その頃、エドとフェイはビデオの画像を詳しく解析。すると画像の犯人には腕に彫られた入れ墨があることが判明し、その図柄から軍の関係者、ヴィンセントであることもわかった。しかし、記録によると彼は、この事件よりずっと以前に死亡している。こうして3人がつかんだ情報から事件の輪郭が見えだした。
ずでに死んでいるはずの犯人。巨大な製薬会社に軍特殊部隊。そして、謎のビー玉…。最初は単なるテロ事件に見えたこのヤマの背後には、大きな影がうごめいていた。
疑惑の製薬会社チェリオスケミカルに単独潜入したスパイクは、企業のものとは思えない武装をした警備員に軍の介在を直感。しかし、すぐに発見され追われる身となる。彼の前に立ちはだかったエレクトラは、ジークンドーの使い手スパイクと互角に渡り合うほど訓練を受けた女性。そして彼女の腕にはヴィンセントと同じ入れ墨があった。
一方、リーがヴィンセントと共謀しているのではと感づいたフェイとエドは、クレジット・カードの使用情報からリーを追い、さらに彼が残した遺留品の匂いをアインとエドが嗅いで追跡することで、とうとうふたりの隠れ家を発見する。しかし、単身そこへ乗り込んだフェイは、ヴィンセントの囚われの身となってしまう。
全員が勝手な動きをし、危険な事件にズブズブと深入りしていることを感じたジェットが「もうこんなチームではやってられねえ」といらだちを募らせる一方、スパイクは潜入時に仕込んだ盗聴器から軍の情報を引き出し、ヴィンセントの居場所を突き止める。モノレールに乗り込んだヴィンセントをスパイクが追い詰め、一騎打ちが始まる。
最初は優勢に思えたスパイクも、まるで不死身のように立ち上がるヴィンセントに対し劣勢に回る。ついには銃弾を撃ち込まれ、モノレールから突き落とされてしまうスパイク。遅れて現場に到着したエレクトラも、ヴィンセントのモノレール爆破を食い止めることはできなかった。しかし、彼女は知る。自分の身体にもヴィンセントと同じ秘密があることを…。再び多数の被害者が出たテロ現場。しかし、そこにヴィンセントの屍は発見されない。ヤツは、いったい何者なのか?なにが目的で、なぜ毒物をばらまきながら自分は平気なのか?
ハロウィンのざわめきが増す街に、ついに犯人からハッキングによる犯行予告らしき謎のメッセージが流れる。
「ハッピイハロウィン、トリック・オア・トリート。私は誰も気づかないほど小さくて、目に見えないほど偉大なもの。」
ヴィンセントが仕掛けた恐るべきトリックとは?不死身のヴィンセントに挑むスパイクたちに勝算はあるのか?
そして、何も知らずハロウィンに浮かれる火星アルバシティー、数百万人の運命は?!
スタッフ
原作:矢立肇
監督:渡辺信一郎
エグゼクティブ・プロデューサー:吉井孝幸(サンライズ)、角田良平(バンダイビジュアル)
プロデューサー:植田益朗(サンライズ)、南雅彦(ボンズ)、高梨実(バンダイビジュアル)
脚本:信本敬子
キャラクター・デザイン/作画監督:川元利浩
メカニック・デザイン:山根公利
セット・デザイン:竹内志保
美術監督:森川篤
色彩設計:中山しほ子
演出:武井良幸
メカニック作画監督:後藤雅巳
アクション作画監督:中村豊
音楽:菅野よう子
音響監督:小林克良
撮影監督:大神洋一
編集:掛須秀一
演奏:シートベルツ
制作:サンライズ、ポンズ、パンダイビジュアル
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
配給・宣伝協力:東急レクリエーション
キャスト
(声の出演)
スパイク・スピーゲル:山寺宏一
フェイ・ヴァレンタイン:林原めぐみ
ジェット・ブラック:石塚運昇
エド:多田葵
レンジィ:石橋蓮司
ラシード:ミッキー・カーチス
エレクトラ:小林愛
ヴィンセント:磯部勉
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