思えば、恥の多い、人生でした。

2000年/35mm/カラー/アメリカンビスタ/90分/モノラル 製作:WOWOW+バンダイビジュアル/制作協力+配給:サンセントシネマワークス /宣伝:樂舎/原作:町田康「人間の屑」(新潮社刊「夫婦茶碗」収録)

2001年9月25日ビデオ発売&レンタル開始 2001年3月31日より新宿「シネマスクエアとうきゅう」にてロードショー!!

公開初日舞台挨拶の模様::http://cinema.fan.to/topics/topics.php?number=104&tosi=2001&tuki=03

公開初日 2001/03/31

公開終了日 2001/04/20

配給会社名 0095

公開日メモ ——思えば、恥の多い人生でした。嘘の多い人生でした。——

解説


《思えば、恥の多い、人生でした。》
町田康原作「人間の屑」(新潮社刊「夫婦茶碗」収縁)、遂に待望の映画化。
デキる奴だけもてはやされる、このご時世に逆らうように、汚辱まみれの『屑』人生を、笑いのめして生き残れ!!
国際派ブロデューサー仙頭武則プロデュースレーベル「J・MOVlE・WARS」から再び・・・

《平成のダメ男・坂本清十郎のパンクな人生を描いた人間ドロップアウトムービー》
アシッド持ち逃げ、猫毒殺、餃子屋、串カツ、SMうどん、そして四人の女達。清十郎の行く先に、明るい未来は残されているのか!?主人公・清十郎に若手注目度NO・1俳優、村上淳。共演する女優陣に、岸田今日子はじめ鰐淵晴子、夏生ゆうな、佐伯日菜子、そして脇を固める俳優陣に、絵沢萠子、松重豊、神戸浩、有薗芳記、木下ほうかと「人間の●」たるメンツが勢揃い。

ストーリー

〜坂本清十郎の華麗なる独白〜

——思えば、恥の多い人生でした。嘘の多い人生でした。——
自分、坂本清十郎(村上淳)が、何故華やかなパンクロッカーの身分を捨てて、こんな片田舎の温泉旅館に逼塞しておるのか?理由を考えるに、自分の不注意、と言うか魔が差した、と言おうか、バイオリズム、なんだろうなあ、きっと?
友人・久米夫と始めた出鱈目なパンクバンドだったが、一時は評論家連中に騒がれ、いい思いもした。しかし、片山のアシッド持ち逃げ事件以降、バンドは崩壊、仲間を見捨てて自分は一人、婆ぁ(岸田今日子)の営む温泉旅館に逃げてきたのであった。
しかし、一応建前は若旦那ながら、人目につかぬ離れに押し込められ、庭に来る猫が唯一の友、という寂蓼の日々。おまけに、性根の腐った婆ぁは、孫の自分をまるで腑抜けのように扱い、嘲笑い、いかんとも許し難い。いかん、いかん、一度は脚光を浴びた自分の人生が、こんなところで腐ってなるものか。
自分は、失なった青春を取り戻すべく、東京に舞い戻った。今度こそ、働いて飯を食う、まっとうな生活を送るのだ。…だのに、久々の都会の風は自分に冷たく、このままでは浮浪、という言葉が脳裏をよぎった瞬間、自分は1枚の紙片を発見したのである。
——あれは夏の終わり頃であったか。旅館の若い板前が女友達を2人呼んで、自分に紹介した。
1人は小松(夏生ゆうな)で、もう1人はミオ(佐伯日菜子)といった。この2人が口を揃えて「あたしたち清十郎さんのファンなんですう」なんて言うもんだから、つい舞い上がってしまった自分に、小松は電話番号を記したメモを手渡したのであった——。
あと一歩で野宿、というところを救われ、自分はそのままずるずると小松と同棲を始め、気がつけば両親にあいさつまで済ませてしまっていた。
しかし、真面目に餃子屋で「実業を目指す」自分に向かって、小松は次第に「能なし」とか「ヒモ野郎」などと罵倒するようになり、終いには「妊娠3箇月だから」と唐突に突きつける始末。くわばらくわばら、こんな所に長居は無用、と咄嵯に自分は出かけるふりをして、こうしてミオの家に避難してきたわけである。

ミオは小松と違い、いたっていいかげんな女であり、自分が突然押し掛けた際も、「清十郎さん、ゲームやらない?」なんてノリで、自分は少しばかり安堵したのであるが、小松が執拗に自分を追ってくるのは必至。
となれば、もう、向かう場所はひとつしかない。母(鰐淵晴子)の住む大阪の実家である。さらば東京、お前に未練はないぜ。自分はもっと、なんていうかこう、明るい未来を目指して頑張っていたんだし、これからも頑張っていくんだよ、ね。うんうん、穢れた都会で背負った塵を、母なる大地に洗い流しにいくんですよ。
こうして自分は新幹線に飛び乗り、西へ西へとひた走った——。

スタッフ

J・MOVIE・WARS 5
監督:中嶋竹彦
プロデューサー:仙頭武則
協力プロデューサー:橘田寿宏、久保聡
ラインプロデューサー:金森保
原作:町田康「人間の屑」(新潮社「夫婦茶碗」収録)
製作:WOWOW+バンダイビジュアル
制作協力+配給:サンセントシネマワークス
脚本:中村義洋
撮影:猪本雅三
照明:佐藤譲
録音:細井正次
美術:林千奈
編集:掛須秀一(J.S.E)

キャスト

坂本清十郎/村上淳
小松/夏生ゆうな
ミオ/佐伯日菜子
重子/鰐淵晴子

岩田/細川徹
片山/佐藤久順
久米夫/湯山ともを
アング/福原大介
エクちゃん/井上カオリ
小松の父/荒戸源次郎
小松の母/田根楽子
ミオの娘・蝶々/小沼冬

女将/岸田今日子

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