2014年/日本/カラー/88分 配給:松竹ブロードキャスティング、ピクニック

2014年11月22日、新宿武蔵野館にてロードショー!

(C)2014「滝を見にいく」製作委員会

公開初日 2014/11/22

配給会社名 1522/1533

解説


滝ツアーに参加したおばちゃん7人が、いきなり山の中でサバイバル生活!?
幻の滝を見にいく温泉付き紅葉ツアーに参加した7人のおばちゃんたち。現地に到着した彼女たちは、頼りないガイドと一緒に、滝を目指して山登りを始める。木の実を摘んだり、写真を撮ったり、おしゃべりしたり、それぞれの楽しみ方で山道を進む7人。ところが、先を見に行ったガイドがいつまでたっても戻らない。「ねえ、遅くない?」「迷ってたりして」。気が付けばおばちゃんたちは山の中に取り残されていた! 携帯は圏外。食糧もなければ寝床もない。突然のサバイバル生活に放り出されたおばちゃんたちは、果たして人生最大のピンチを乗り切れるのか?

オーディションの条件は「40歳以上の女性・経験問わず」。沖田修一監督待望の最新作!
監督を務めるのは、堺雅人主演のハートフル・コメディ『南極料理人』(09)で商業映画デビューを飾り、高良健吾、吉高由里子出演の青春ドラマ『横道世之介』(13)が絶賛された沖田修一。オリジナル脚本を手掛けた待望の最新作は、「40歳以上の女性・経験問わず」という条件で出演者全員をオーディションし、演技経験のまったくない素人を含む、7人の女性たちをキャスティングした。選ばれたのは、撮影を行った新潟県の妙高市役所の地域サポート人、本場イタリアで学んだ元オペラ歌手、長年の女優の夢をかなえた79歳主婦など、バラエティ豊かな面々。本邦初となる「7人のおばちゃんヒロイン」はこうして誕生した!

市役所の地域サポート人から長年の夢をかなえた79歳主婦まで、多彩な経歴を持つヒロインたち。
純子(ジュンジュン)役に起用されたのは、妙高市役所の地域サポート人として本作のロケハンにも関わった根岸遙子。由美子(ユーミン)には、劇団「ナイロン100℃」に所属する安澤千草。関本(セッキー)には、わずかな演技経験ながら「制作の現場を見てみたい」と応募してきた荻野百合子。桑田(クワマン)には、日本語教師の仕事と並行して中高年劇団「楽塾」で活動する桐原三枝。田丸(クミ)には、イタリア・ミラノでオペラを学び、その後は舞台などに出演してきた川田久美子。花沢(師匠)には、高校生の時に大手映画会社のカメラテストまでいったが、親の反対で断念したという経歴を持つ79歳主婦、?納敬子。三角(スミス)には、劇団「ベターポーヅ」に参加した後、映像作品を中心に活動する渡辺道子が、それぞれ扮している。今回が初の演技になる者と既に演技経験を持つ者が、それぞれの想いを胸に、一緒になってひとつの作品を作り上げた。また、『南極料理人』以降のすべての沖田作品に出演する常連、黒田大輔がおばちゃんたちを窮地に追い込むツアーガイドをコミカルに演じている。

おばちゃんたちが悪戦苦闘する元気いっぱいのアドベンチャー・コメディ!
沖田監督は起用した女性たちの個性と特技を役柄に取り入れ、年齢も性格もバラバラなおばちゃんたちが大自然の中で悪戦苦闘する、元気いっぱいのアドベンチャー・コメディを作り上げた。日常では経験できない冒険を通じて、おばちゃんたちが忘れかけていた自分の姿に気付くストーリーは、今回映画の世界に挑んだ7人の女性たちのドラマとどこか重なる。彼女たちの姿が次第に愛おしく、少女のように見えてくる、おばちゃんたちの青春劇としても面白い。妙高高原の美しい紅葉の風景は、『トウキョウソナタ』(08/黒沢清監督)、『わが母の記』(12/原田眞人監督)などの撮影を手掛けた芦澤明子のもと、2013年の秋にオールロケを敢行して撮影された。

ストーリー








紅葉の山々へ向かう一台のバス。それは幻の大滝を見にいくツアーの一行だった。鳥がさえずる大自然の中、ツアーガイドの菅(黒田大輔)を先頭に7人のおばちゃんたちが山道を登っていく。桑田(桐原三枝)と田丸(川田久美子)は病気の話で盛り上がり、関本(荻野百合子)は双眼鏡で木々や鳥を眺め、三角(渡辺道子)と花沢(?納敬子)はパチパチと写真を撮り続ける。後に続く純子(根岸遙子)は、由美子(安澤千草)にツアーへ参加した理由を訪ねていた。由美子の目的は滝を見たあとの秘湯、純子がやってきたのは娘がプレゼントしてくれたから。

しかし、山道をしばらく進んだ菅の様子がおかしい。周囲を見回しては、首を傾げている。すぐ戻ると言って7人を山道に残し、先へ行ってしまう菅。だが、いつまでたっても戻らない。「ねえ、遅くない?」「迷ってたりして」。菅の携帯に電話しようにも電波は圏外。最初は笑っていた7人も、やがて不安になり、会話が少なくなる。

一行は菅を探す捜索組とその場に残る居残り組の二手に分かれた。菅を見つけたらホイッスルで合図することを確認し合う7人。桑田、田丸、三角、花沢の捜索組は、オペラの経験がある田丸が、ホイッスル替わりに歌声を響かせることになった。とんがりコーンで矢印を作り、道しるべにする三角。「菅さーん」。しかし、鳥の鳴き声しか返ってこない。その間、居残り組の純子、由美子、関本は、お互いの身の上を打ち明けていた。昨年、夫を亡くしたという関本。由美子は夫の話をしたのも束の間、慌てて独身だと訂正する。関本が太極拳をはじめると、それにならう純子と由美子。

遠くから「あー♪」という歌声がして、、居残り組がそちらへ向かうと、桑田が腰を痛めてうずくまっていた。花沢は適当な大きさの枝を見つけてきて、それを桑田の杖にする。手先の器用な純子はソーイングセットを使って、そこに取っ手を付けた。7人は菅を見限って、自力で山道を下りることにする。しかし、「下山近道」と書かれた看板から麓を目指すも、どうやら道に迷ってしまう。疲労と焦燥から口論をはじめる7人。空を見上げれば、もうすぐ夜……。仕方なく、7人はそこで野宿する覚悟を決める。クルミ、栗、キノコ、持参した菓子類を食糧にし、大量の葉っぱとレジャーシートで防寒して眠りにつく7人。満点の星空の下、「恋の奴隷」を歌う彼女たちはどこか楽しそうだ。

翌朝。草相撲をしたり、ブドウの蔓で大縄跳びをしたりしながら、救助を待つ7人。しかし、迎えが来ないと気付いた彼女たちは、自分たちの力でなんとか、もといた山道まで引き返していく。やっと帰れる! そう思ってホッとした表情を浮かべる面々に、純子は驚くような提案をする。「せっかくだし、みんなで滝を見にいきませんか?」。うなずいた7人は、足取りも軽く、再び山道を登っていく——。

スタッフ

監督:沖田修一
プロデューサー:深田誠剛、小野仁史、春藤忠温
ラインプロデューサー:平田陽亮
音楽プロデューサー:安井輝
脚本:沖田修一
撮影:芦澤明子
照明:御木茂則
録音:高田伸也
VE:鏡原圭吾
美術:寺尾淳
衣装:馬場恭子
ヘアメイク:田鍋知佳
編集:佐藤崇
助監督:丸谷ちひろ
制作担当:橋立聖史
カラー・グレーディング:廣瀬亮一
スチール:黒田光一
メイキング:神田智

キャスト

根岸遙子
安澤千草
荻野百合子
桐原三枝
川田久美子
徳納敬子
渡辺道子
黒田大輔

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