原題:Dormant Beauty

2012年/イタリア=フランス/カラー/110分 配給:エスパース・サロウ

2014年7月5日(土) 東京・シアター・イメージフォーラムにて限定上映 2013年10月19日(土) 東京・シアター・イメージフォーラム他 全国順次公開!

© Cattleya

公開初日 2013/10/19

配給会社名 0087

解説


「眠り続ける」女を通して、描かれる三つの愛の形

2009 年、ある女性の尊厳死事件がイタリア全土を揺るがした。21 歳で事故に遭い、17 年間昏睡状態にある女性エルアーナ・エングラーロ。彼女の家族は延命治療の停止を求めて、長い間裁判闘争を続けた結果、延命停止を認める判決を得るが、カトリック教会を始めとする世論の強い反発にさらされることとなった。この実際の事件を基に、ベロッキオは2年の歳月をかけてオリジナルの物語を創作した。それは自分自身の信念をも取り入れながら、多面的な視点からアプローチするものとなった。

大切な人が昏睡状態に陥ったとき、あなたならどうするだろうか。ベロッキオは、そんな永遠の命題への答えを、深く温かい洞察力で示唆に富む物語へと結実させている。妻を看取った政治家とそんな父に不信感を持つ娘、昏睡する娘の目覚めを願う元女優、自殺願望のある女を救おうとする医師、この三組の物語をྣ時展開させながら、生と死を見つめる人間のまなざしを丹念に追う。

巨匠ベロッキオが実際の事件を基に2 年の歳月をかけて、丁寧に紡ぎ出した傑作

2011 年ヴェネツィア国際映画祭でその業績を讃えられ栄誉金獅子賞を授与されたイタリアの巨匠マルコ・ベロッキオ。『夜よ、こんにちは』『愛の勝利をムッソリーニを愛した女』など、実際の事件を独自の解釈で描き、世界を熱狂させてきた監督が、今回注目したのはイタリア全土を揺るがした尊厳死事件だ。この事件を映画へと昇華するには時間が必要だと感じたベロッキオは2年の歳月をかけて、瑞々しく、鮮烈な愛の物語を完成させた。第69 回ヴェネツィア国際映画祭を皮切りに、各国の映画祭での上映オファーが殺到した。現イタリア大統領ナポリターノ(2013年6 月現在)も本作を鑑賞し、賛辞を送ったことが話題となった。

名優たちが繰り広げる、即興をも取り入れたスリリングな演技の応酬

悩める政治家ベッファルディを演じるは、イタリアの至宝トニ・セルヴィッロ。良心と政党の方針の間で揺れる心情を繊細に表現している。共演には、カンヌ国際映画祭で2 度の女優賞に輝いた、フランスの大女優イザベル・ユペール、本作の演技でイタリアのアカデミー賞ともいわれるダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞助演女優賞を獲得したマヤ・サンサら、円熟した役者が集結した。ほとんどが即興だという彼らの迫真の演技には思わず息を呑む。ヴェネツィア国際映画祭でマルチェロ・マストロヤンニ賞(新人賞)を受賞した驚異の新星ファブリツィオ・ファルコにも注目してほしい。

ストーリー










2009 年、イタリア全土を揺るがしたある女性の尊厳死事件が起こる。17 年前、21 歳で交通事故に遭い、植物状態となってしまったエルアーナ・エングラーロ。両親は延命措置の停止を求め、カソリックの影響が強いイタリアで、長い間裁判闘争を行なってきた。2008年に最高裁判所がようやくその訴えを認めたが、カトリック信者や尊厳死反対の立場の多い保守層を支持基盤とするベルルスコーニ首相は、エルアーナの延命措置を続行させるべく、法案の強行採決を画策していた。こうした尊厳死をめぐる賛否の激しい対立の最中に三つの物語が同時進行で展開されてゆく。

スタッフ

監督/脚本:マルコ・ベロッキオ
プロデューサー:リッカルド・トッツィ
脚本:ヴェロニカ・ライモ
脚本:ステファノ・ルッリ
撮影監督:ダニエーレ・チプリ
編集:フランチェスカ・カルヴェリ
作曲:カルロ・クリヴェッリ

キャスト

イザベル・ユペール
トニ・セルヴィッロ
アルバ・ロルヴァケル
ミケーレ・リオンディーノ
マヤ・サンサ
ピエール・ジョルジョ・ベロッキオ

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