原題:Remembrance

信じられないような実話から生まれた、衝撃のラブストーリー。 『ひまわり』、『シェルブールの雨傘』に続く、 戦争によって引き裂かれた恋人たちを描いた、忘れがたき感動作の誕生!

2011年/111分/ドイツ/英語、ドイツ語、ポーランド語/シネマスコープ/35mm/カラー/Dolby, SRD 後援:東京ドイツ文化センター 配給:クレストインターナショナル

2012年8月4日(土)より、銀座テアトルシネマにてロードショー、他全国順次公開

© 2011 MediaPark Film- und Fernsehproduktions GmbH

公開初日 2012/08/04

配給会社名 0096

解説


あの日、あの時、あの場所へ、もし行かなかったら、全く違う人生になっていたかもしれない。『あの日あの時愛の記憶』は、千載一遇ともいえる偶然をきっかけに、一人の女性が自分の過去と向き合う姿を描いた、愛と再生の物語である。
主人公ハンナは、やさしい夫と娘と共にニューヨークで暮らすごく普通の女性。けれど実は、彼女には、全てを失った絶望の淵で、生き抜くために自ら封印した過去があった。ある日、突然テレビから聞こえてきた“声”が、ハンナを一気に32年前に引き戻す。それは、ポーランドの強制収容所で出会い、恋に落ちたトマシュとの、美しくも過酷で哀しい愛の記憶だった。

1944年、二人は決死の覚悟で収容所からの脱出に成功したものの、お互いに相手は亡くなったと知らされた致命的な誤解から、生き別れてしまう。二人が別々の人生を送って30余年後。ハンナは、かけがえのない人が生きていたという思いがけない事実に直面し、捨てたはずの過去と同時に、トマシュを失った空白を埋めてきた、夫との結婚生活とも向き合うことになる。
過去に囚われ続けたハンナが、ようやくその呪縛から解き放たれ、真の精神的自由と自身の人生を取り戻す奇跡の瞬間を目の当たりにして、きっと私たちも心震えることだろう。
これは信じられないような実話から生まれた、衝撃のラブストーリーであり、感動の人間ドラマである。

映画は、1944年、戻らぬ恋人トマシュに手紙を綴るハンナのシーンから始まり、次いで1976年のニューヨークへ。夫に手紙を書くハンナのモノローグで物語は口火を切る。その後、死んだと思っていた、愛する人の“声”に呼び覚まされるように、ハンナの脳裏に鮮明に蘇る記憶に沿って、画面は再度1944年のポーランドへ。さらに卓越した構成力で、1944年のポーランドと1976年のニューヨークを交互に映しながら、ハンナとトマシュの波乱の恋と、ハンナと夫の複雑な関係を、サスペンスフルに描き出していく。

1944年、祖国ポーランドのために抵抗運動に身を投じてきたトマシュは、これが彼女との別離になるとは知らずに、ハンナを残して任務に向かった。1976年ニューヨークで、一見幸せそうに暮らすハンナが、どこか屈折しているのは、命の恩人であるトマシュ亡き後、自分だけが生きているという罪悪感からだった。だが、運命は、偶然の“声”を用意して、一旦切れた糸を繋ぎ直し、二人を再びめぐり逢わせるのだ。『ひまわり』、『シェルブールの雨傘』など、戦争によって引き裂かれた恋人たちの悲劇を描いた名作の数々。その系譜に、今また忘れがたき感動作が加わった。

もう一つ特筆すべきは、ハンナの感情の綾と時間の流れにシンクロして移り変わっていく季節の描写である。陰湿で殺伐とした季節感のない収容所。ハンナとトマシュが逃走する森林や草原は、瑞々しい􂥳と初夏の光にあふれている。だが、トマシュの帰りをひたすら待ち続けた数か月の間に、季節は色褪せた寒々しい晩秋へと移り、さらに、ベルリンを目指して出立した厳冬へ。降りしきる雪に視界が遮られ、進むべき方向さえ見失う雪原の光景は、ハンナの絶望感と同時に、純白の雪のように汚れない、若き恋人たちの永遠の愛を象徴しているとも言えるだろう。
奇跡とも呼べる数奇な運命を描いた本作には、モデルとなった実在の人物が存在する。実際にアウシュヴィッツ収容所で恋に落ち脱走したシーラとイエジーという恋人たちである。ふたりは、生き別れ39年後に再会を果たした。

この驚くべき実話を映画化したいというプロデューサーの強い想いに応えたのが、監督アンナ・ジャスティスと脚本家パメラ・カッツの女性二人。単なる実話の映画化ではなく、女性ならではの視点で、一人の女性の喪失と再生を力強く描き出すことに成功している。当初二人は、真実の話であるからこそ映画にするにはテーマが重すぎるとも感じたという。だが、共にアウシュヴィッツを訪れ、何百もの生還者たちの証言やフィルムから綿密なリサーチと時代考証を行う中で、おぞましい戦争下においても愛が存在したこと、人間が尊厳を忘れなかったことに胸を打たれた。その感動がそのまま結実した本作は、観る者の心も強く揺さぶることだろう。

ストーリー






運命の人は生きていた。
もう一度会いたい。ただその想いだけを抱いて——
1944 年ポーランド強制収容所で恋に落ち脱走した恋人たち。
1976 年ニューヨークテレビから聞こえてきた声は、生き別れたあの人のものだった。
今、甦る。美しくも過酷で哀しい愛の記憶——。
奇跡とも呼べる実話から生まれた衝撃のラブストーリー
優しい夫と娘とニューヨークで幸せに暮らすハンナ。ある日、テレビから聞こえてきた“声”にハンナは耳を奪われる。
それは、強制収容所で恋に落ち生き別れたかつての恋人のものだった。ハンナは哀しい愛の記憶を胸に彼を探し始める。

スタッフ

監督:アンナ・ジャスティス
脚本:パメラ・カッツ
プロデューサー:スヴェン・ヴォルト
撮影:セバスティアン・エットシュミット
編集:ウタ・シュミット
音楽:ユリアン・マース、クリストフ・M・カイザー
美術:アンドレアス・エビ・オルスハウゼン
キャスティング:ジモーネ・バー
キャスティング(ポーランド):マグダレーナ・シュヴァルツバルト
キャスティング(USA):リナ・トッド, CSA
衣装:ベアーテ・シェール
メイク:ケルスティン・ゲクライン、ハイコ・シュミット
アソシエイト・プロデューサー:ミヒャエル・バルハウス
製作:A MEDIAPARK FILM
FERNSEHPRODUKTIONS GMBH
共同製作:NorddeutscheR Rundfunk(NDR)
MitteldeutscheR Rundfunk(MDR)
ARTE

キャスト

ハンナ・ジルベルシュタイン(1944年):アリス・ドワイヤー
トマシュ・リマノフスキ(1944年):マテウス・ダミエッキ
ハンナ・レヴィーン(1976年):ダグマー・マンツェル
トマシュ・リマノフスキ(1976年):レヒ・マツキェヴィッチュ
ステファニア・リマノフスキ(トマシュの母):スザンヌ・ロタール
マグダレーナ・リマノフスキ(トマシュの義姉):ヨアンナ・クーリーグ
チェスワフ・リマノフスキ(トマシュの兄):アドリアン・トポル
ハンス・ヴォン・アイデム(ナチス将校):フロリアン・ルーカス
レベッカ・レヴィーン(ハンナの娘):シャンテル・ヴァンサンテン
ダニエル・レヴィーン(ハンナの夫):デヴィッド・ラッシュ

LINK

□公式サイト
□IMDb
□この作品のインタビューを見る
□この作品に関する情報をもっと探す