原題:A Dangerous Method

ユングとフロイト。 偉大なる心理学者の友情と決裂。 その背景には、美しい女性患者ザビーナとの禁断の関係が隠されていた・・・。

2011年/イギリス・ドイツ・カナダ・スイス合作/99分/カラー/アメリカンビスタ/ドルビーデジタル/PG-12/ 配給:ブロードメディア・スタジオ 宣伝:アニープラネット

2013 年 6 月 8 日(土)〜15 日(土) クローネンバーグ大解剖 、オーディトリウム渋谷にて公開 2013年06月14日よりDVDリリース 2012年10月27日(土)TOHOシネマズシャンテ、Bunkamuraル・シネマ他全国ロードショー

©2011 Lago Film GmbH Talking Cure Productions Limited RPC Danger Ltd Elbe Film GmbH. All Rights Reserved.

公開初日 2012/10/27

配給会社名 0551

解説


偉大なる心理学者ユングとフロイト。彼らの運命を変えた美しき女性患者ザビーナ。
三人の知られざる危険な関係を描く、深遠な人間ドラマ。
未だ多くの謎が残されている人間の“精神”という領域に果敢に挑み、その解明に生涯を捧げたジークムント・フロイトとカール・グスタフ・ユング。このふたりの偉人が残した革新的な精神分析の研究は、心理学や医学の世界に新たな光をもたらすにとどまらず、その後のあらゆるアートや思想など社会全般に多大な影響を与えた。1856年生まれのフロイトと1875年生まれのユングは、20世紀初頭に出会い、師弟のような友情を育んだが、その交流の日々は長く続かず決別の時を迎える。
『ヒストリー・オブ・バイオレンス』『イースタン・プロミス』の鬼才デヴィッド・クローネンバーグが、『つぐない』の名脚本家クリストファー・ハンプトンによる舞台劇を映画化した『危険なメソッド』は、若き日のユングを主人公にフロイトとの出会いから蜜月時代、そして決別までの軌跡をたどったヒューマン・ドラマである。これだけでも映画史に前例のないユニークな企画だが、本作がいっそう興味深いのは歴史上に実在したもうひとりの人物を登場させ、知られざる史実を探求していることだ。物語の重要な鍵を握るそのキャラクターとは、ユングの患者であり愛人でもあったロシア系ユダヤ人女性ザビーナ・シュピールライン。この美しくも聡明で、過激な情動を内に秘めた“運命の女”の存在にスポットを当て、禁断のトライアングルで結ばれたユング、フロイトとの関係性をドラマチックかつスリリングに映し出す。 
マイケル・ファスベンダー、ヴィゴ・モーテンセン、キーラ・ナイトレイ、ヴァンサン・カッセル 豪華キャスト競演!
オリジナルの舞台版はレイフ・ファインズがユングを演じて話題を呼んだが、その映画化を熱望したクローネンバーグ監督のもとには、考えうる限り最高の豪華キャストが集結した。まずは『SHAME−シェイム−』『ジェーン・エア』『プロメテウス』などの話題作が相次ぐ、まさに今が旬のマイケル・ファスベンダー。若き実力派の二枚目男優が幾多の試練にさらされる駆け出し時代のユングに扮し、このうえなく繊細な感情表現を披露している。ユングとフロイトの研究にも影響を与えた実在の女性ザビーナを演じるのは、『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズのキーラ・ナイトレイ。鋭い感性&知性の持ち主にして、マゾヒスティックな性癖を隠し持つという異色のヒロインを、凄まじい絶叫シーンや過激なセックス・シーンも辞さない渾身の熱演で体現した。またフロイト役のヴィゴ・モーテンセンにとって、本作は『ヒストリー・オブ・バイオレンス』『イースタン・プロミス』に続く3本目のクローネンバーグ作品となる。いつもながらの徹底した役作りでカリスマ性あふれる心理学者になりきり、重厚な存在感を発揮している。ユングとザビーナの“触媒”の役目を果たす快楽主義者オットー・グロスに扮したヴァンサン・カッセルの鮮烈な演技も見逃せない。
スタッフには原作の舞台劇を自ら脚色したクリストファー・ハンプトンのほか、クローネンバーグ組の常連がずらりと参加。撮影監督のピーター・サシツキー、美術のキャロル・スピア、音楽のハワード・ショアらが、20世紀初頭のヨーロッパの様式と詩情をスクリーンに甦らせ、クローネンバーグ監督の新たな挑戦を支えた。撮影には、フロイトとその家族が実際に長年住んだウィーンの家も使用されたという。

ストーリー


『ヒストリー・オブ・バイオレンス』『イースタン・プロミス』で世界を驚愕させた
鬼才デヴィッド・クローネンバーグが、ミステリアスな史実の映画化に挑戦。

1904年、チューリッヒのブルクヘルツリ病院に勤める29歳の精神科医ユングは、精神分析学の大家フロイトが提唱する“談話療法”に刺激され、新たな患者ザビーナにその斬新な治療法を実践する。まもなくユングはザビーナの幼少期の記憶をたどり、彼女が抱える性的トラウマの原因を突き止めることに成功。しかし医師と患者の一線を越えてしまったふたりは、秘密の情事を重ねるようになり、ザビーナをめぐるユングの内なる葛藤はフロイトとの友情にも亀裂を生じさせていく・・・。
史実に基づくこの物語には、偉大な心理学者ふたりと女性患者が織りなす愛と友情、野心と挫折、欲望と嫉妬のドラマが凝縮され、観る者の興味は尽きない。またユングがザビーナの心の奥底に眠る倒錯的な“性”をあぶり出していく精神分析シーン、ユングとフロイトが意見交換する夢分析シーンなど、知的好奇心を刺激するエピソードが満載。さらには科学では推し測ることのできない人生や人間の矛盾に直面するユングの恐怖にも似た苦悩が描かれ、厳かな感動を呼び起こす。そこにはこれまで暴力、テクノロジー、超常現象などを扱いながらも、一貫して人間の“変容”というテーマを追求してきたクローネンバーグ監督ならではの独自の視点がうかがえ、底知れない深みを感じさせる一作となった。

スタッフ

監督:デヴィッド・クローネンバーグ
原作(戯曲):クリストファー・ハンプトン作「The Talking Cure」
製作:ジェレミー・トーマス 『ラスト・エンペラー』『戦場のメリークリスマス』
脚本:クリストファー・ハンプトン 『つぐない』
音楽:ハワード・ショア 『ヒューゴの不思議な発明』『イースタン・プロミス

キャスト

マイケル・ファスベンダー
ヴィゴ・モーテンセン
キーラ・ナイトレイ
ヴァンサン・カッセル

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