2012年/日本/カラー/??分/ 配給:マジックアワー

2013年12月14日公開

公開初日 2013/12/14

配給会社名 0651

解説

はじめに言葉ありきだ。確かに、人間らしい営みはすべてそこから出発した。だが、二十一世紀も最初の十年が過ぎ去った今、文化・芸術のある種の爛熟ぶりと反比例して蔓延している人々の飢渇感の拠って来たるところは何か。余りに言葉が、或いは言葉だけが弄ばれ消費されていることもその一因ではないだろうか。
 そして、大震災。人々は絶句するしかなかった。その先に新しい言葉は見つかるのか。容易ではあるまい。
はじめに沈黙ありき、と置き換えてみてはどうだろう。たしかに神の世界はそうに違いなかった。人間の世界においても言葉が降りてくるまではそうだった。沈黙を辛うじて裂くものはといえば、それは呻きであり、叫びにすぎなかった。はじめに身体ありき、だった。そして、はじめに行為ありき、だった。神との交感は、はじめに踊りありき、を人間にもたらした。あらゆる芸能の始まりがここにある。
 田中泯と伊藤俊也は、伊藤の監督作品「犬神の悪霊」で田中に振付を託して以来三十余年、事ある毎に交流を持ち続け、茫洋として定まらぬながら、互いの仕事が結ばれる地点を探してきた。そして、今、ここに劇映画「始まりも終わりもない(仮)」を作ることに意見の一致を見た。
 本作は劇映画でありながら、全編殆ど科白に依らず、「舞」で綴られる。人間の声として発されるものは、呻きや叫び、あるいは掛け声、囃し、の類いに絞り、物語の運びに音楽と効果音を使うのみである。そして、言葉を排することで、映画の原点である世界共通語をこそ目指す。誰も踏み込んだことのない前衛的な試みではあるが、存在の根源を見据えた「舞」による人間の提示によって、見る人々に圧倒的な衝撃を与えたい。
そんな、伊藤俊也監督をバックアップするスタッフ陣は「太陽を盗んだ男」「青春の殺人者」などの数々の名作を撮影した鈴木達夫、「三丁目の夕日」「海猿」シリーズの水野研一が照明を担当。

ストーリー

スタッフ

監督:伊藤俊也
企画・脚本:伊藤俊也・田中 泯
プロデューサー:大日方教史・林海象  
撮影監督:鈴木達夫
照明:水野研一
美術:高山登 
制作:伊藤プラネット

キャスト

田中泯
石原志保
首くくり栲象
牧口元美
飯島大介
吉澤健
田村泰二郎
北澤浩延
平田崑
土岐瑞葵
高田彪我

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