原題:Owl and the Sparrow(ふくろうとすずめ)

幸せをつかむには、5日間あれば大丈夫!

2007年ロサンゼルス映画祭 観客賞<最優秀作品賞>受賞 2007年ロッテルダム国際映画祭 ワールドプレミア上映作品 2007年サンフランシスコ国際アジアン・アメリカン映画祭 観客賞受賞 2007年ハートランド映画祭 クリスタルハート賞受賞 2007年ハワイ国際映画祭 最優秀アジア映画賞受賞 2007年デンバー国際映画祭 新人監督賞受賞 2007年ビッグ・アップル映画祭 最優秀作品賞受賞 2007年サンディエゴ・アジアン映画祭 観客賞受賞 2007年ダラス・アジアン映画祭 最優秀作品賞受賞 2007年ゴッサム賞 ブレイクスルー監督賞ノミネート 2008年インディペンデント・スピリット賞 ジョン・カサヴェテス賞ノミネート

2007年/アメリカ、ベトナム/カラー/98分 配給:エスピーオー

2008年8月2日(土)より、シネマート六本木ほか全国順次ロードショー

ANNAM PICTURES ©

公開初日 2008/08/02

配給会社名 0116

解説


幸せになる秘訣は、≪自分に正直に生きる≫こと!
夏の国の少女、トゥイのハピネス探しの5日間を描くハートフル・ストーリー

 大人になっても、お金があっても、名誉ある仕事があっても、決して手に入れられない<幸せ>がある…それを手にする方法はとてもシンプル。だけど、それは大人になればなるほど、なかなか難しい——。映画『地球でいちばん幸せな場所』は、地球の小さな街角で、10歳の少女トゥイが一輪のバラをきっかけに孤独な2人の大人たちと知り合い、彼らと≪家族≫になるまでの5日間を描く、キュートなハートフル・ストーリーです。眠る場所がなくても、どんなにお腹が空いても、いつもポジティブで決して弱音を吐かない少女トゥイの強い生き方が感動を呼んだ本作は、2007年2月ロッテルダム国際映画祭のワールドプレミア上映から始まり、世界各国の映画祭で招待され、観客たちから熱い支持を集めました。さらに、ロサンゼルス映画祭の観客賞(最優秀作品賞)受賞をはじめ、数多くの賞も受賞。スクリーンで感動を共にしたその客席までも≪幸せな場所≫にしてしまうトゥイのパワーと笑顔は、観る者に生きる勇気を与え続けています。

365日、照りつく日差しとマンゴーの甘い香りが道に漂う街、ホーチミン市。10歳の少女トゥイは意地悪な叔父さんの村の工場をひとりで飛び出して、バイクとシクロが群れをなし、排気ガスと熱気がたちこめるこの街にやってきた。そしてその日の食費さえままならないトゥイは、お金を稼ぐため街頭で花売りを始める。見知らぬ人々ばかりのこの街で、トゥイは2人の男女に偶然出会う。ひとりは美人で優しい、フライトアテンダントのラン。お金も素敵な仕事も手に入れたランなのに、どこかいつも寂しそうだなぁと思わせる孤独の影をトゥイは感じた。もうひとりは動物園で象の飼育係として働く親切な青年ハイ。「動物たちと話ができるお兄さん」をトゥイは心から尊敬してしまう。いつしかトゥイは「ハイとランと3人で一緒にいられたらいいのに…!」と思いたち、2人を引き合わせるが…。

監督のステファン・ゴーガーは、ホーチミン市生まれのベトナム系アメリカ人。同じくベトナム系アメリカ人であるトニー・ブイ監督作『季節の中で』など数多くの映画に、照明や撮影スタッフとして関わってきた彼は、本作で監督デビューを果たしました。製作、脚本、撮影もすべて手掛けた彼がスクリーンに描き出したのは、エキゾチックな魅力と、大都市の喧騒が混在したカオスの街、ホーチミン市。そこには、東洋の美意識と、ジョン・カサヴェテス監督を信奉する西洋的映像センスを併せ持つゴーガーだからこそ切り取れた、まったく新しいベトナムの姿があります。脚本を書くにあたり、路上で生活しながらも元気に逞しく暮らす子供たちをはじめ、数多くの地元の人々と対話を重ねたゴーガーは、彼らのリアルな息吹をそのまま作品の中に息づかせています。地球の片隅のどこにでもある日常的風景を描いているのに、最高に幸せな場所に見えてくる——それは、「この作品は、私が生まれた街とベトナムのすべての子供たちに贈るラブレター」と語る監督の温かい気持ちが、そのまま映画に詰め込まれているからかもしれません。また、監督が「彼女には優雅な雰囲気があって、大人たちの尊敬を集めるほど」と絶賛した、トゥイ役のファム・ティ・ハンの存在も、作品に大きな輝きを与えています。不可能を可能にしてしまう強い意志を持った瞳と、無邪気でチャーミングな表情…誰もが好きになってしまう魅力的な少女を映画デビュー作とは思えない自然さで等身大に演じきっています。

ストーリー

ホーチミン市の郊外に住むトゥイは10才。両親を亡くして叔父さんに引き取られ、竹工場で働いている。夢見がちなトゥイは今日も工場で失敗し、「お前はここ以外では暮らせないんだぞ」と叔父さんにどやされた。でも勝ち気な彼女は、お気に入りのバービー人形をリュックに詰め、貯めたお金を持って家を逃げ出してしまう。

 空港に降り立ったフライトアテンダントのランは、5日間のレイオーバーで定宿のホテルに向かった。出迎えた受付の娘たちは、恋人がいないらしいランに、従兄を紹介しようとする。でもランはあまり乗り気ではない。というのも彼女には不倫相手のパイロットがいたからだ。この日も着飾って彼の待つホテルに出かけるラン。甘いひと時を過ごし目が覚めると、彼の姿はすでになく、残されたランは涙にくれる。
 市の動物園では、飼育員のハイがゾウたちにエサをやっていた。彼は子供の頃からここで育ち、今では一角にある祖末な小屋で暮らしている。園長はハイに、彼がずっと育ててきた子ゾウがインドに売られることになったと告げた。最近、婚約者フオンにふられ、その上ゾウとの別れが待ち受けているハイは孤独を募らせる。
 一方、トゥイはホーチミンまでのボート代でお金を使ってしまったので、街角で絵ハガキを売って稼ぐことにする。けれども慣れないトゥイには中々売れず、そこへ通りかかったフーティウ屋の少年がバラの花を売る仕事を紹介してくれた。元締めの女性が貸してくれた学校の制服を着て、仲間の女の子たちと街へ出かけていくトゥイ。街には、作り話で同情を誘いながら花を売る女の子たちがたくさんいた。
 一人で夜遊びした帰りに屋台のフーティウを食べていたランに、トゥイがバラをすすめて話しかける。はじめは断っていたランは、一輪も売れていないトゥイの花を買ってやるのだった。
 

スタッフ

監督:ステファン・ゴーガー
脚本:ステファン・ゴーガー
音楽:ピート・グエン
編集:リカルド・ハヴィエル、ハム・チャン
製作総指揮:ティモシー・リン・ブイ、ハム・チャン
製作:グエン・ヴァン・クアン、ドアン・ニャット・ナム、ステファン・ゴーガー

キャスト

ファム・ティ・ハン
カット・リー
レー・テー・ルー

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