原題:The Happening

“恐怖”と“謎”の天才、M・ナイト・シャマランが放つ 最も壮大にして恐ろしいディザスター・サスペンス

2008年6月13日全米公開

2008年/アメリカ/カラー/91分/ 配給:20世紀フォックス

2010年06月25日よりDVDリリース 2008年7月25日(金)前夜解禁(一部劇場をのぞく)、 2008年7月26日(土)より、日劇3ほか全国ロードショー!

(C)2008 TWENTIETH CENTURY FOX

公開初日 2008/07/26

配給会社名 0057

解説




“恐怖”と“謎”の天才M・ナイト・シャマランが放つ壮大なるディザスター・サスペンス

 その想像を絶する恐怖は、ある日突然やってきた。まるで木の葉を揺らすそよ風のように、そっと私たちの日常世界に忍び寄り、ごく普通の人々を死に誘う〈見えない脅威〉。そんな得体の知れない何かが引き起こす異常現象は、ニューヨークのセントラルパークを皮切りに爆発的な勢いでアメリカ各地に広まり、わずか1日のうちに人類の破滅すら予感させる大惨事へと発展していく……。
 『シックス・センス』の驚愕のどんでん返しで一躍世界にその名を知らしめ、その後も『サイン』『ヴィレッジ』といったスーパーナチュラルなスリラー&ミステリーを世に送り出し、天才ストーリーテラーの地位を確立した鬼才M・ナイト・シャマラン。現代のハリウッドで最も独創的かつ予測不可能な映画を生み出す希代のヒットメーカーの最新作『ハプニング』は、彼の脳裏にふと思い浮かんだ“世界の終わり”というアイデアを、驚くべきイマジネーションで映像化した究極のディザスター・サスペンスである。

奇妙なサインから始まる恐るべき“死”の連鎖パニック
その〈見えない脅威〉からは絶対に誰も逃れられない!

 シャマランが創造した史上空前の〈見えない脅威〉は、まさに突発的な出来事を意味する『ハプニング』という題名通り、何の前触れもなくあらゆる一般市民を襲う。かろうじて判明しているのは〈第一の兆候:言葉の混乱〉と〈第二の兆候:方向感覚の喪失〉。そしてそれらのミステリアスなサインを発した人々には、いやおうなく〈第三の兆候〉である〈死〉が訪れる。〈見えない脅威〉は、人間が備えているはずの基本的な生存本能を瞬時に破壊してしまうのだ。
私たちの日常がぐしゃりと歪み、容赦なく確実に壊れていく。しかも原因不明で、見えないがゆえに逃げようのないこのパニック・ムービーは、決して荒唐無稽とも言いきれない。テロリズム、地球温暖化、新型インフルエンザといった不安が渦巻く21世紀の世相を反映したかのような、生々しいリアリティのこもった恐怖の連鎖。その異常現象は、地球上で取り返しのつかない罪を犯した人類への報いなのだろうか。ひょっとするとこの映画は、「恐怖の理由が何なのかわからないからこそ、いっそう怖さが増す」と不敵に語るシャマランが、現代社会に突きつけた“警告”なのかもしれない。

新たなステージに到達したシャマラン魔術が炸裂する
極限レベルの〈直視不可能な恐怖〉

 これまで限定的な空間を舞台に物語を紡ぐことを好んできたシャマランにとって、全米規模の終末的クライシスを描き上げた『ハプニング』は、最も壮大なスケール感がみなぎる作品となった。その一方で何気ない自然現象を繊細に表現することで、〈見えない脅威〉がひたひたと忍び寄ってくるスリルを醸造。スーパーナチュラルな“謎”を散りばめて観る者の心を捉えて離さないシャマラン一流の巧妙な話術はますます冴え渡り、やがて〈見えない脅威〉が人類の希望を覆い尽くさんとするクライマックスまでまったく先読みを許さない。
 そして本作でシャマランが見せるもうひとつの新境地は、かつてないほど過激なショック・シーンの創出に挑んだことだ。〈見えない脅威〉に飲み込まれて命を落とす人々の最期を、多彩なシチュエーションのもとで描写。それらはまさに〈直視不可能な恐怖〉というべき極限レベルの衝撃映像であり、ついに本気で牙を剥いた天才監督の魔術的なスペクタクルに身震いするほかはない。シャマランが自らの真骨頂である“恐怖”と“謎”を別次元のステージへと昇華させた『ハプニング』は、『シックス・センス』以来となる彼の新たな代表作として広く認知されることだろう。

『ディパーテッド』で評価を高めたマーク・ウォールバーグが見せるエモーショナルな迫真の演技

 主演は『ブギーナイツ』『PLANET OF THE APES 猿の惑星』『ザ・シューター/極大射程』などの話題作でおなじみのマーク・ウォールバーグ。その抜群のスター性はもちろんのこと、近作『ディパーテッド』ではアカデミー助演男優賞にノミネートされ、俳優として絶頂期を迎えた感のある彼が、〈見えない脅威〉から逃れようとする科学教師エリオットを迫真の演技で体現する。その美貌の妻アルマに扮するのは、『ジェシー・ジェームズの暗殺』『テラビシアにかける橋』の若手女優ズーイー・デシャネル。世界を揺るがす惨劇の中で夫婦の絆を試される彼らのドラマが、映画にかけがえのない温もりを吹き込み、深遠な感動を呼び起こす。そして『ロミオ&ジュリエット』の悪役で名高い個性派俳優ジョン・レグイザモが、愛する家族を捨て身で守ろうとするエリオットの友人ジュリアン役で胸打つ熱演を見せる。
 『シックス・センス』『サイン』の撮影監督タク・フジモトが、久々にシャマラン組に復帰したことも話題のひとつ。アカデミー作品賞に輝く『羊たちの沈黙』を手がけたことでも知られる名手が、恐怖の原点に回帰したシャマランを緻密なカメラワークでサポートする。また音楽は、シャマラン作品の常連であるジェームズ・ニュートン・ハワード。彼が奏でる不気味にして美しいスコアが、観客の聴覚にも訴えかけるこのディザスター・サスペンスで重要な役目を担っている。

ストーリー

 いつもと同じように穏やかな朝を迎えたニューヨークのセントラルパークに、何者かの叫び声が響き渡る。大勢の来園者たちは時が止まったかのように道や芝生の上に立ちつくし、ベンチで友人と談笑していた若い女性は突然自らの命を絶ってしまう。時同じくして、ある工事現場でも異変が発生していた。作業員たちがひとりまたひとりとビルの屋上から身投げし、鈍い音とともに地面に叩きつけられたのだ。彼らが死を選んだ理由は、やはりどこにも見当たらなかった。
 セントラルパークでテロリストによる攻撃かもしれない大事件が起こったという知らせは、科学教師エリオットが勤務するフィラデルフィアの高校にも伝わってきた。すでに多数の犠牲者が発生しており、死ぬ直前の彼らには〈言葉の混乱〉や〈方向感覚の喪失〉といった奇妙な兆候が見られたという。生徒たちは帰宅させられ、エリオットは同僚教師ジュリアンの誘いに応じ、電車で安全な場所へと避難することにする。
 いったん自宅に戻ったエリオットは、このところお互いの気持ちがすれ違い気味の妻アルマを伴い、駅でジュリアンと合流する。ジュリアンは内向的な8歳のひとり娘ジェスを連れていた。彼らが乗り込んだ電車は、政府当局が原因を突き止められない異常現象に不安を抱く市民でごった返している。その〈見えない脅威〉は、未知の猛毒兵器なのか、それとも新種のウイルスなのか。しかも〈見えない脅威〉はニューヨークからフィラデルフィア、ボストンなどアメリカ東部全域へと急速に拡大し、各地でパニックを誘発していた。やがて電車が突然停止してしまい、乗客たちはペンシルバニアの小さな町で下車することを余儀なくされる。電車停止の理由を問われた車掌は、「誰とも連絡がつかなくなった」と力なく告げるばかりだった。
 やむなくエリオットらは近くのレストランに入った。カウンターに座る中年女性の携帯電話のモニターには、衝撃的な映像が映し出される。それは動物園で、ある男性が自らの意思でライオンに肉体を食いちぎられている異様な光景だった。テレビのニュース番組に見入っていた人々は、この町が〈見えない脅威〉に包囲されつつあることを知り、一目散にレストランの外へ飛び出していく。
 ジュリアンは、すでに〈見えない脅威〉に浸食されているプリンストンという町にいる妻を救いに行くことを決意し、エリオットとアルマにジェスを託してその場を立ち去る。しかしジュリアンが乗った車の行く手には、あまりにも残酷な現実が待ち受けていた。
 一方、どこにあるのかもわからない安全地帯を探し求めて別の車で移動していたエリオット、アルマ、ジェスの3人は、行き場を失って車を捨て、他の多くの市民とともに草原をさまよい歩いていく。そんな彼らにも〈見えない脅威〉は容赦なく襲いかかってきた。ある“法則”に気づいて草原を走り出したエリオットは、アルマとジェスを必死に守りながら、絶望的なサバイバルを繰り広げていくのだった……。

スタッフ

監督:M・ナイト・シャマラン

キャスト

マーク・ウォールバーグ
ズーイー・デシャネル
ジョン・レグイザモ

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