これぞ、“性”春映画の金字塔!!

2008年/日本/カラー/79分/ 配給:スローラーナー

2009年05月22日よりDVDリリース 2008年11月22日、ユーロスペースにてロードショー 以降、名古屋シネマテーク、梅田ガーデンシネマ、京都みなみ会館、神戸アートビレッジセンター他、全国順次公開

(C)2008 さそうあきら・小学館/『俺たちに明日はないッス』製作委員会

公開初日 2008/11/22

配給会社名 0048

解説


今じゃなきゃダメなんだッ! 
くわえタバコで、ヤリたくて、無為で、童貞な17歳!!
そんな俺たちの“明日”は、どっちだ!?

俺は友野とヤリたくて、峯は ちづと、そして、安パイは、巨乳の秋恵ちゃんと……。どんより曇った空の下、高校生の俺たちは、ユメもキボーもない青春の日々をおくっていた。17才が美しい歳だなんて、誰が言った? 友野が教師の吉田とデキてたって構わない。デブの安パイの胸を揉んでるだけじゃ、ダメなんだ。ちづは、峯のことを「好きだ」なんて言っちゃうし、安パイだって秋恵ちゃんに胸を揉まれてラブラブだ。俺は、友野とヤレりゃいいんだ。今じゃなきゃダメなんだッ! 傷心の友野を海に誘ってはみたものの、病弱の彼女は調子悪くなっちゃうし、俺のチ×チ×は立たないし……。俺たちの恋は、そして俺たちの“明日”は、どうなる? 

さそうあきら幻の傑作マンガを、タナダユキ監督が映画化を熱望!!
でも、原作は入手困難!?

『神童』『コドモのコドモ』と映像化が相次ぐ、さそうあきら作品。しかし、数あるさそうマンガの中でも、幻の傑作として名高い「俺たちに明日はないッス」を、『百万円と苦虫女』『赤い文化住宅の初子』のタナダユキ監督が映画化を熱望!! 今回の映画が実現した。セックスにまつわるあれやこれやを、ときにスラップスティックに、ときにブラックに、ときに情感たっぷりに描き出した短編連作である原作から、監督は、高校生が主人公の3編「ロマンス」「揺れています」「教えてください」を選び、『神童』に続くさそうマンガ映画化作品となる向井康介が脚本を執筆した。

「やるせなくて、行き場の無いモヤモヤを、へらへらと笑いながらやり過ごすしかなかった17才という時間。痛い目ばっか見て、明日なんかちっとも見えない苛立ちを、小さな心にいっぱい抱えて思い切り持て余して。楽しいことなんかひとつもなかったはずなのに、けれどやっぱりあれはかけがえのない時間だったと、そう思えるような、そんな時間を切り取った原作に心奪われました。」(タナダユキ監督)

セックスにまつわるあれやこれやを、ときにスラップスティックに、ときにブラックに、ときに情感たっぷりに描き出した原作は、全18篇。1994年から96年までビックコミックスピリッツに連載されていた。『神童』で手塚治虫文化賞マンガ優秀賞受賞したさそう作品の中でも“短編漫画の傑作”と評されている。現在、原作は、品切れ状態で入手困難。ファンからは一日も早い復刊が待たれている。

柄本時生、遠藤雄弥、草野イニ、安藤サクラ、水崎綾女、三輪子…。
これからの日本映画を担う若手俳優陣に、個性派、実力派が参加!!

出演は、比留間に『奈緒子』(07/古厩智之監督)『フレフレ少女』(08/渡辺謙作監督)『ホームレス中学生』(08/古厩智之監督)と映画出演が相次ぐ柄本時生。峯に『シャカリキ!』(08/堤幸彦監督)の公開も待ち遠しいD-BOYSの遠藤雄弥。安藤にこれが映画初出演となる劇団ロリータ男爵の草野イニをはじめ、『風の外側』(07/奥田瑛二監督)『愛のむきだし』(08/園子温監督)の若き実力派 安藤サクラ、グラビアで活躍する一方「キューティーハニー THE LIVE」『少年メリケンサック』(09/宮藤官九郎監督)への出演で演技へと幅を広げる水崎綾女、雑誌「nicola」のモデルとして人気を獲得し『闘茶』(08/ワン・イェミン監督)へも出演した三輪子などこれからの日本映画を担う若手俳優陣に、ダンカン、田口トモロヲをはじめとする個性派、実力派が顔を揃えた。

スタッフには、日本映画の至宝が集結!!

脚本には、『どんてん生活』(99)『ばかのハコ船』(02)『リアリズムの宿』(03)『リンダリンダリンダ』(05)『松ケ根乱射事件』(06)で山下敦弘監督の作品世界を支え、さそうマンガの映画化では『神童』(07/萩生田宏治監督)にも参加した向井康介。撮影に、『ワンダフルライフ』(99)から『歩いても 歩いても』(08)までの是枝裕和作品に参加、近年では『ハリヨの夏』(06/中村真夕監督)、『恋するマドリ』(07/大九明子監督)など若手女性監督作品への参加も多い名カメラマン山崎裕。録音に『ユリイカ』(01/青山真治監督)『サッドヴァケイション』(07/青山真治監督)『砂の影』(08/甲斐田祐輔監督)で独自の音世界を構築する菊池信之。編集に『ALLWAYS 三丁目の夕日』(04/山崎貴監督)といった大作から『天然コケッコー』(07/山下敦弘監督)『ゆれる』(06/西川美和監督)『ハッピーフライト』(08/矢口史靖監督)といった意欲作まで日本映画を支える宮島竜治が参加するなど、日本映画の至宝ともいうべきスタッフが集結した。
そして、銀杏BOYZ、初映画主題歌にして初カバー曲は、あの南沙織の名曲「17才」!!

曲は、1971年に南沙織が歌い、89年には森高千里がカバーした名曲「17才」。作詞は有馬三恵子、作曲は筒美京平。「歌い手と同世代のファンが感情移入できる新しいタイプのアイドル・ポップス」を誕生させたと評させる歴史的名曲である。この曲は、脚本段階で向井康介がチョイスし、タナダ監督は、「歌詞の素晴らしさ。誰しもが通る17才という危うい年齢。煌めいていた人もそうでなかった人も、確かに生きていたという生命力を感じた」とこの曲を主題歌に決定し、銀杏BOYZに参加を依頼。

「銀杏BOYZ以外、考えられませんでした。初めて聴いた時、主人公の比留間の感情のうねりがあまりに胸に迫り来て、感激のあまり言葉を失い、その日は食事も取れなくなりました(笑)。歴史に残る名曲が生まれた瞬間に立ち会ったような感覚で、「大変なものを聴いてしまった!」と怖くなるほどでした。鳥肌が立ちました」(タナダユキ監督)

ストーリー

比留間は、友野とヤリたかった。
でも、比留間は見てしまったのだ、担任教師の吉田が友野とラブホテルから出てくるところを……。
どんより曇った空の下、高校3年生の三人組である比留間、峯、安藤(通称・安パイ)は、ユメもキボーもない無為で、童貞な青春の日々をおくっていたのだ。
女の子とヤレないからデブの安藤の胸を揉み、巨乳の秋恵ちゃんをからかっても、くわえタバコで、麻雀にうつつをぬかしても、授業中にエロ小説を読んでみても、何だか虚しいばかりだったのだ。
どこにも行けない、誰ともヤレない……、そんな感じだ。
優等生で体の弱い友野は、朝礼でよく倒れる。
担ぎ込まれた保健室で、吉田とイチャつく友野を目撃した比留間は苛立ちが爆発。吉田を体育館裏に呼び出し、ぶん殴ってしまうのだ。

そんなある日、授業をさぼっていた峯は、公園に倒れている同級生の少女を救けた。少女の名前は、ちづ。彼女は、生理による貧血で倒れていたのだ。ちづは、金魚屋を営む父と二人暮らし、生理のことも何にも知らないし、セックスに関する知識は間違いだけだった。峯の不用意な発言で同級生からイジメられてしまうちづ。峯はそんなちづに詰めよられ、セックスが見たいという彼女とポルノ映画を見に行くハメに。その帰り道、「あれ、やってみよ!」と明るく言うちづに怖じ気づいた峯は、「嫌だよ。好きでもないのに」と断ってしまうのだ……。

その頃、偶然子守りのバイト先である酒屋で偶然、秋恵ちゃんと出会った安パイは、彼女に告白される。自分が巨乳なことに小さい頃からコンプレックスをもっていた秋恵。安藤は、秋恵のためにダイエットすることに決めるが、秋恵は「安心する」と安藤の胸に頬を寄せ、安藤がそのままでいることを望むのだった。

峯は、結局ちづとヤッてしまった。
虚勢を張っていたのだが、峯も初めての経験だった。セックスが知りたいばっかりに、他の友達とヤろうしていたちづを「初めてだったら、ちゃんと好きなやつと」と止めに入ると、ちづに「好きだから、してよ」と言い返されてしまったのだ。知らない同士のセックスは頼りなく、そしてぎこちなかったけれど、二人とも初々しいくらいにお互いを抱き締めていたのだった。

安パイは秋恵ちゃんとラブラブだった。学校でもキスしたし、一緒に帰ったし、それに……。でも気になること言えば、秋恵ちゃんが、比留間たちと同じように太っている安藤の胸を揉むことだった。おかげで、安藤の胸は腫れ上がって、いつも真っ赤。もしかして、秋恵ちゃんは、デ・ブ・セ・ン……。

比留間は、結局まだヤレなかった。
友野に、「お前とヤリたい」と囁いても、「バカね。比留間って」と相手にもされない。比留間は、決めていたのだ。友野とヤル時には、その辺のラブホテルなんかではヤんないのだ。バスで移動して海岸のホテルで……。
そして、吉田との関係が親にもバレて、自暴自棄になった友野は、比留間の脅しを受け入れる……。

海。
眼前の砂浜。
お金が足りなくてホテルには入れなかったし、友野はピクニックにでも来たみたいに「♪誰もいない海、ふたりの恋をたしかめたくて……」なんて古い歌を口ずさみながら波打ち際ではしゃぐし、折角ヤレそうなのにオレのチ×チ×は勃たないし……。

そんな古い歌、誰に教わったんだよ。
今日中にやるんだ! 絶対にやるんだ! 明日なんかじゃダメなんだ!!

17才が美しい歳だなんて誰が言った?
オレたちは、死ぬほどバカで、バカバカしいまでに必死に生きている。
で、オレたちの恋は、どうなる?
オレたちの明日は、どっちだ?

スタッフ

監督:タナダユキ
製作:山下暉人/伊藤明博/大枝 浩之/冨澤克博
企画・プロデュース:越川道夫
プロデューサー:米山加奈子/木村 淳
アソシエイトプロデューサー:山口敏功/冨沢洋介
脚本:向井康介
原作:さそうあきら『俺たちに明日はないッス』(小学館刊)より「ロマンス」「揺れています」「教えてください」
主題歌:「17才」
作詞 有馬 三恵子  作曲 筒美 京平
歌・編曲:銀杏BOYZ
撮影:山崎 裕
照明:山本浩資
録音・音響効果:菊池信之
美術:谷内邦恵
編集:宮島竜治
スクリプター:?田優
助監督:滝本憲吾
演出助手:田中健一、松尾大輔
撮影補:渡辺隆輔

キャスト

柄本時生
遠藤雄弥
草野イニ
安藤サクラ
水崎綾女
三輪子
ダンカン
田口トモロヲ

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