受験のシンデレラ
第5回モナコ国際映画祭4冠達成 最優秀作品賞、最優秀主演男優賞、最優秀主演女優賞、最優秀脚本賞
2007年/日本/35mm/カラー/DTSステレオ/106分 配給:大風
2009年02月25日よりDVDリリース 2008年3月29日(土)より、新宿K's cinema、シアターN渋谷他ロードショー 以後全国順次
(c)2007「受験のシンデレラ」パートナーズ
公開初日 2008/03/29
配給会社名 0279
解説
よりよく生きる方法を知れば、人生は変えられる
<キーワード:東大受験>
日本に存在する数多くの国公立大学の頂点に位置し、超難関な入学試験でも有名な名門校。その東大受験を物語の核に、「成功しているのに、生きる時間のない」東大合格請負人として崇められる受験界のカリスマ講師・五十嵐と、「隠れた才能を持ちながら、今を生きていない」高校を中退してしまった16歳の女の子・真紀との師弟関係から紡ぎだされるシンデレラストーリー。
<キーワード:緩和ケア>
生命を脅かす病にかかった患者とその家族に対して、疾患のさまざまな問題(痛みやつらさなど)などを評価し、それが障害にならないよう、疾患の早期から、きちんと予防・対処し、生活の質を改善するための新しい医療的アプローチ。がん治療といえば連想されがちな「手術による根治治療」とは違う、「死」を意識した上での治療の考え方。
本作は、癌治療アドバイザーとして東京大学医学部附属病院/緩和ケア診療部長の中川恵一氏を迎え末期がん患者の主人公が、ポジティブにそして生き生きと病気に立ち向かう様子をリアルに描いている。
<キーワード:格差社会>
昨今、世の中的にも、問題になっている勝ち組と負け組の二極化による格差社会。その特徴は、現実の格差以上に心理的格差が露呈し、負け組と言われる人たちが上昇志向を持てず、努力をしなくなった事にある。裕福な家庭でないと、東大に入れないという考え方が半ば定説化している中、やり方さえ変えれば、人生を変えられる、受験だって成功するということを証明すべく、五十嵐と真紀は、東大受験への挑戦をスタートさせた。
ストーリー
春、東京大学の合格発表の日。この日は、受験生にとって運命の日。発表会場ではあちらこちらで胴上げが–。そんな盛り上がりに反して、自身が設立した予備校“ミチターゼミナール”で、冷静に受講生の合格の知らせを待つカリスマ講師がいる。五十嵐透にとって、合格発表は毎年恒例の“通過点”にしか過ぎない。
五十嵐は「受験指導のカリスマ」と呼ばれ、富も名声も手に入れ、おごり高ぶっていた。そんなある日、大学からの旧友であり外科医の小宮から癌にかかっている事を知らされる。余命1年半と宣告された五十嵐は、その帰り道に立ち寄ったコンビニで、「代金を別々に払えば2円安くなる!」と店員に詰め寄る遠藤真紀と出逢う。貧しい家庭に暮らす高校中退の16歳の女の子・真紀。
「297円に消費税を加えると311円。しかし、99円を3点別々に買うと、2円安くなる・・・」そんな数学的感性を持ち合わせているにも関わらず、毎日仕事もせずに遊びほうけている母親を食べさせ、劣悪な家庭環境のために、自分の潜在的な能力にも気付かず、毎日変わらず家業の洋服店の手伝いをして過ごしていた。
私立高校に通う大好きな彼氏と一緒になるために、日雇いのアルバイトまでしてお金を貯めるが、冷たくあしらわれてしまう。家に帰れば玄関には借金取りが。家を出てしまっていた父親を訪ねれば若い女性と結婚している事が分かり、何もかもうまくいかない真紀は、ついに自暴自棄になり、その帰り道に車道に飛び込む。危うく轢かれそうになった高級車に乗っていたのは、五十嵐だった。
五十嵐は、やる気だけはあるが環境に恵まれない高校生の思いを叶えるための小さな予備校を設立したという過去を持っていた。当初は、裕福ではない生徒を東大に合格させる事に全てを掛けていた。ゼミナールを開業したボロアパートに足を踏み入れた時、五十嵐は原点に立ち返った。
「人生は変えられる。道は自分で切り開いていけるんだ。気付くのに遅すぎるってことはない」五十嵐は、真紀を東大受験への道に導く決心をする。その日から五十嵐は自分の持っている全ての受験テクニックを「受験の要領」カードに綴り、真紀を高認(高等学校卒業程度認定試験、かつての“大検”)に合格させる。
五十嵐の指導の元で徐々に学力を上げるが、初めて受けた東大模試で、「判定評価E」を手にした真紀は、母親から「もっと現実的に生きなさいよ」となじられ、挫折しそうになる。必死に説得を続ける五十嵐…。
緩和ケアの治療を受けながら、病に蝕まれながらも、真紀という生きがいを胸に、寿命と言われていた一年半を超え、なお果敢に生きようとする五十嵐は、いつしか、真紀の人生を大きく変えていく・・・。
そして、運命の東大受験の日がやってきた・・・。
スタッフ
監督・原案:和田秀樹
脚本:武田樹里
製作:緑鐵、和田塾緑鐵舎
プロデューサー:田中和彦、中林千賀子
キャスト
寺島咲
豊原功補
田中実
浅田美代子
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