原題:Captivity

ガラスの密室に仕組まれた罠。絶対に逃げられない・・・ 予測不可能なサスペンス・スリラー

2007/02/23

2006年/アメリカ・ロシア/シネマスコープ/SR-D/96分/R-15/字幕翻訳:古田由紀子 配給:キュービカル・エンタテインメント

2008年03月07日よりDVDリリース 2007年9月15日、渋谷Q-AXシネマ、シネマメディアージュにてロードショー

(C)2006 Captivity, LLC

公開初日 2007/09/15

配給会社名 0028

解説


「24 -TWENTY FOUR-」のエリシャ・カスバートが危機また危機の大胆演技で魅せる密室スリラー
 若き美貌のトップモデル、ジェニファーは、時代のファッション・トレンドを象徴するセレブリティ。その彼女がある日突然、何者かに誘拐され、密室に監禁された。犯人の素性や目的はおろか、そこがどこなのかもわからない真っ暗闇の空間に引きずり込まれたジェニファーは、必死に脱出の手段を探っていく。やがて彼女が絶望のどん底でもうひとりの監禁被害者の青年ゲリーと出会い、心を通わせたのも束の間、この謎だらけの監禁事件は想像を絶する事態へとなだれ込んでいく……。
 人気沸騰のTVシリーズ「24 -TWENTY FOUR-」で主人公ジャック・バウアーの娘キム・バウアーを演じ、一躍ブレイクした若手注目株エリシャ・カスバート。今や映画界からもオファーが絶えず、韓国映画『猟奇的な彼女』のハリウッド・リメイク『My Sassy Girl』の主役にも決定した彼女が、全編に渡って体当たりの熱演を披露する密室型サバイバル・スリラー、それが『キャプティビティ』だ。
 華やかなスポットライトに彩られた”光”の世界から、恐怖と欲望が渦巻く”闇”の密室へと突き落とされた主人公ジェニファー。彼女はサイエンティストのようにすべてを緻密に組み立てる知能犯が仕掛けた”監禁ゲーム”に翻弄され、セレブリティの虚飾を容赦なく剥ぎ取られていく。これは度重なる危機にもがきながらも脱出を試みるジェニファーの運命を追う緊迫のドラマであり、極限状況の中で生身の自分自身を取り戻していくヒロインの揺れる思いをあぶり出した心理劇でもある。
 この企画をオファーされたE・カスバートは、好奇心旺盛なうえに勝ち気でちょっとわがままな反面、実は心根は純粋という「24 -TWENTY FOUR-」のキムのキャラクターそのままに、より複雑でデリケートな感情面の演技が要求される難役に挑戦。さらに過酷なアクション・シーンや官能的なラブ・シーンでは、大胆な肉体表現を連発して観る者を驚かせる。絶体絶命のピンチに陥れば陥るほどなぜか魅力が増す彼女の不思議な資質が生かされたこの絶妙のはまり役で、女優としての成長ぶりを存分にアピールしている。
鬼才と名匠の異色コラボレーションが生み出した
光と闇のコントラストに目が眩む映像世界
 監禁、束縛という意味を持つ『キャプティビティ』のプロットを考案したのは、奇想に満ちた数多くのカルト・ムービーの監督&脚本家として知られる鬼才ラリー・コーエンだ。近年は携帯電話を題材にしたノンストップ・ムービー『セルラー』や、主人公が狙撃者によって電話ボックスに釘付けにされる『フォーン・ブース』といったヒット作に原案&脚本を提供している彼が、またも異能のアイデアマンぶりを発揮。密室というワン・シチュエーションで繰り広げられるドラマを二重三重にひねって練り上げ、『羊たちの沈黙』『ソウ』といった現代の観客が好むスリラーの刺激的なテイストを加味したセンスがお見事だ。
 そんなコーエンの脚本を映画化したのは、『キリング・フィールド』『ミッション』でアカデミー作品賞、監督賞に二度ノミネートされた実績を誇る名匠ローランド・ジョフィ。この意外な人選とも思えるオファーに興味を示したジョフィ監督は、初のスリラーの演出に挑むにあたり、このジャンルの過去の映画を入念に研究したという。彼がこだわった光と闇のコントラストを強調した映像設計が、幻惑的なサスペンス効果を生み出している。さらに「これは予期せぬ時と場所で起こった愛を描いたラヴ・ストーリーでもある」と語るジョフィ監督は、E・カスバートと相手役の新進俳優ダニエル・ジリスをじっくりと演技指導し、セレブのヒロインと労働者階級の若者の身分違いの恋を描出。スリルとエロティシズムたっぷりに、ふたりの切迫した関係性を見せていく。
 また『キャプティビティ』が、アメリカとロシアの合作プロジェクトだという点も興味深い話題だ。シャーリーズ・セロンがオスカーを獲得した『モンスター』などを世に送り出してきたプロデューサー、マーク・ダモンが、国際的な商業映画をロシアで製作することをめざすRAMCO社(ロシアン・アメリカン・ムービー・カンパニー)と結託。物語の舞台はニューヨークという設定だが、撮影はヨーロッパ最大の映画スタジオであるモスクワのモスフィルムに建てたセットで実施された。

ストーリー





 若くしてファッション業界のアイコンとなったトップモデル、ジェニファーが、見知らぬ部屋のベッドで目を覚ました。分厚いコンクリートの壁で覆われ、窓がひとつもなく、ジェニファーの巨大ポスターと花が飾られたその薄暗い空間は、完全な密室だった。すぐさま自分が何者かによってこの部屋に閉じ込められたことを悟ったジェニファーは、パニックに陥る。すると部屋に置かれたテレビ・モニターがつき、ジェニファーの自宅の内部を捉えた盗撮映像が映し出される。そして彼女は正体不明の犯人によってチャリティ・イベント会場のクラブで誘拐され、ここに監禁された事実を思い知らされるのだった。
 やがてジェニファーは”1”と記された鍵を手にし、部屋に設置された4つのロッカーのうちのひとつを開ける。そこには犯人がジェニファーのために用意した衣装があった。それを着せようとする犯人の意図に反抗的な態度を取ったジェニファーは、突如鳴り響く不快な轟音と部屋を照らすまばゆい光に苦しめられる。犯人はジェニファーの身辺情報を綿密に調べ上げ、彼女が極度の暗闇恐怖症だということを知ったうえでこの犯行を実行したのだ。それでもジェニファーは天井の通気口からの脱出を試みる。その狭い通気口には女性のものらしき爪が落ちており、過去にも誰かがここからの脱出を図ったことを物語っていた。すると突然チェーンソーが金属の壁を突き破り、ジェニファーを脅かす。さらにどこからともなく黒革の手袋をはめた犯人の手が伸び、薬物を注射された彼女は意識を失ってしまう。
 その頃、地元の刑事ベティガーとディスサントスは、謎の失踪を遂げたジェニファーの行方を追っていた。彼女の自宅にギリシャ語のメッセージを添えて置かれていた白い粉末は、かつて同じように失踪したチアリーダーの女の子の遺灰だということが判明する。プロファイラーとして捜査に協力した精神科医スーザンは手強い犯人像を分析し、「目的は被害者を支配すること。犯人がミスをしない限り、ジェニファーを救うのは難しい」と暗い見通しを語る。
 密室で絶望的な気分に囚われていたジェニファーは、塗料の剥がれ落ちたガラスの隙間から、思わぬ”隣人”の存在を知る。ゲリーという隣室の青年は、3日前にドライブ中に誘拐され、ここに監禁されたことを明かす。ゲリーに勇気づけられるジェニファーだったが、睡眠中に部屋の中に忍び込んできた犯人は、彼女をガラス製の空間に閉じ込め、大量の砂で生き埋めにしようとする。それを知ったゲリーは通気口をつたって天井からジェニファーを救い出し、迷路のような建物内を駆けめぐって車の置かれたガレージにたどり着く。しかし犯人は一枚も二枚も上手だった。車の中で催眠ガスを嗅がされたふたりは意識を失い、再び囚われの身となってしまう。
 ガラスの仕切り一枚を隔てた密室で励まし合ううちに、寂しさを紛らわせるように激しい恋に落ちていくジェニファーとゲリー。その様子をつねに監視モニターで観察し、新たな罠を仕掛けようとしている犯人。刑事たちの捜査の手がそのアジトに迫るなか、事態は意外な急展開を見せるのだった……。

スタッフ

監督 / ローランド・ジョフィ
脚本 / ラリー・コーエン
     ジョセフ・トュラ
原案 / ラリー・コーエン
キャスティング / ダイアン・クリッテンデン
音楽 / マルコ・ベルトラミ
衣装 / ジェニファー・マーリン
美術 / アディス・ガジエフ
編集 / リチャード・ノード
撮影 / ダニエル・パール
製作総指揮 / ヴァーレイ・チュマック
共同製作 / タマラ・ストゥパリヒ
       アレクサンドラ・メールマン
       ジル・ギャツビー
製作 / マーク・ダモン
     セルゲイ・コノフ
     レオニード・ミンコフスキー
     ゲイリー・メールマン

キャスト

ジェニファー・トリー / エリシャ・カスバート
ゲリー・デクスター / ダニエル・ジリス
ベン・デクスター / プルイット・テイラー・ヴィンス
ベティガー刑事 / マイケル・ハーネイ
ディスサントス刑事 / ラズ・アロンソ
スーザン・ルーデン / マギー・ダモン

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