原題:2 Filhos de Francisco - A História de Zezé di Camargo & Luciano

2005/08/19

2005年/ポルトガル/カラー/132分/ 配給:ギャガGシネマ

2007年10月05日よりDVDリリース 2007年3月17日、シャンテ シネ他全国順次ロードショー

(C)2005 Conspiracao Filmes Entretenimento Ltda/TV Globo Ltda/Lereby Producoes Ltda,Rio de Janeiro/ ZCL Comercio Producoes e Promocoes Ltda.,Sao Paulo/Sony Corporation of America/ Columbia Tristar Home Entertainment,INC.,Culver City Todos os direitos reservados

公開初日 2007/03/17

配給会社名 0025

解説


『セントラル・ステーション』、『シティ・オブ・ゴッド』を超え、堂々ブラジル映画歴代興収新記録を樹立!
ブラジル中が涙した、ビリオンセラーに隠されたある家族の真実の物語。

『セントラル・ステーション』(98)や『シティ・オブ・ゴッド』(02)といった名作を世に送り出し、世界的な注目を集めているブラジル映画界。その頂点をきわめた名作が、ついに登場した。タイトルは、『フランシスコの2人の息子』。2005年8月19日のブラジル公開と同時にヒット・チャートの首位に立ち、9週連続1位に輝いたこの作品は、527万人以上を動員し、興行の新記録を樹立。ブラジル映画の歴史を塗り替えた作品として、アカデミー賞外国語映画賞のブラジル代表にも選ばれた話題作である。
 主人公は、音楽を心の支えに生きる農民のフランシスコと、彼の背中を見て育った息子たち。自分の9人の子供には、他人の畑を耕す以上の生活をさせたい。そう考えたフランシスコは、長男と次男をプロのミュージシャンにする夢を抱き、とぼしい家計をやりくりして楽器を買ってやる。そんな父の期待に応えようと、一生懸命アコーディオンの練習に励む長男のミロスマル。ギターよりサッカーボールがほしいと思いながらも、家計を助けるために、兄と街角で歌う次男のエミヴァウ。貧困、挫折、難病、そして死。人生のさまざまな困難に直面しながらも、全力で家族を愛し、全力で夢に向かって頑張ることをあきらめない父と子。そのひたむきさが胸を打つ本作は、かつては当たり前のように存在していた家族の絆の在り方を、もう一度思い起こさせてくれる感動作。自分の親の愛し方も、子供の愛し方もわからなくなってしまった現代人の心に、大きな勇気と自信を与えてくれる真実の物語だ。
 フランシスコ・ファミリーのモデルになったのは、ブラジルで絶大な人気を誇るカントリー・ミュージックの兄弟デュオ、ゼゼ・ジ・カマルゴ&ルシアーノと、その家族たち。1991年、「It is Love」の大ヒットによって世に出たゼゼ・ジ・カマルゴ&ルシアーノは、これまでリリースしたアルバムの総売り上げが2200万以上を記録するという、ブラジルの国民的なスーパースターだ。そんな兄弟デュオの誕生秘話を描くサクセス・ストーリーでもある本作では、少年時代のゼゼを演じるダブリオ・モレイラを筆頭に、オーディションで選ばれたティーンたちが歌と演技に初挑戦。ブラジル奥地のゴイアス州から第一歩を
踏み出し、サンパウロ、リオデジャネイロに至るまで、ブラジル各地を転々とまわる演奏ツアーを通じてたくまくし成長していくゼゼたちの姿をみずみずしく演じ、鮮やかなブラジルの美しい風景とともに、ドラマのすがすがしい感動を盛り上げている。 監督をつとめるのは、撮影監督出身のブレノ・シウヴェイラ。ドラマにこめられた真実の重みにこだわった彼は、フランシスコ・ファミリーの原点であるゴイアス州ピレノポリスでロケを敢行。ブラジルの原風景ともいうべき素朴な自然の中で、力強く、心にしみる兄弟の音楽が育まれていく過程を、ぬくもりに満ちた映像に包み込んで描きあげている。
 音楽監修は、ゼゼ・ジ・カマルゴが本人と、『トーク・トゥ・ハー』への出演で話題を呼んだブラジルのトップ・ミュージシャン、カエターノ・ヴェローゾが本作を観て、自ら監修を申し出た。サウンドトラックには、ゼゼ・ジ・カマルゴ&ルシアーノに加え、カエターノ、マリア・ベターニア、ネイ・マトグロッソ、シタォンジーニョ&ショロローなど、ブラジルを代表する豪華なパフォーマーが集結し、魅惑的な歌声を聞かせている。

ストーリー



サッカーボールももたない少年に父はアコーディオンとギターを与えた
つらいときも苦しいときも、音楽がいつも僕らの支えだったー

 ゴイアス州ピレノポリス郡シチオ・ノーヴォ村。見渡すかぎり畑しかないこの土地で、小作農のフランシスコ(アンジェロ・アントーニオ)は、愛する妻のエレーナ(ジラ・パエス)と7人の子供たちと共に仲睦まじく暮らしている。サッカーボールさえ買えないような貧しい生活だが明るい一家の中心にあるのは、フランシスコの大好きな音楽だ。フランシスコは息子たちをプロのミュージシャンにしたいと願い長男のミロスマル(ダブリオ・モレイラ)にはアコーディオンを、弟のエミヴァウ(マルコス・エンヒケ)にはギターを買い与えた。彼は息子たちに音楽を教えようとするのだが、ラジオを聴く以外音楽を全く知らないフランシスコはやることなすこと全てがとんちんかん。村の人々はフランシスコはイカれてしまったと噂するのだった。他に遊び道具も持たない兄弟たちは次第に村の祭りなどでステージに立ち喝采を浴びるようになった。村人が噂しようと貧しさに苦しもうと笑い声のたえない一家だったが、ある日とうとう楽器に変わってしまった地代が払えず土地を追い出されることになり州都のゴイアニアに移住を余儀なくされた。雨漏りのするあばら家でスタートした新しい暮らし。フランシスコは、建設工事の職を得るが、どんなに懸命に働いても9人の生活を支えるのは容易ではない。子供たちに食べさせる物が底をつく事態に、こらえきれず涙を流すエレーナ。そんな母の姿を見たミロスマルは、少しでも家計の足しになるようにと、エミヴァウとふたりでバスターミナルで、路上ライブを始めた。
 こうしてプロのミュージシャンへの第一歩を踏み出したミロスマルとエミヴァウ。バスターミナルでの演奏が評判になり、たちまち人気者になったふたりの元には、地元のタレント・エージェントから、演奏ツアーの話が持ち込まれた。エージェントのミランダ(ジョゼー・ドゥモン)に、「ふたりを連れて国中をまわりたい」とオファーされ、大喜びするフランシスコ。いっぽうのエレーナは、子供たちと離ればなれになることを心配するが、ツアーが1週間で終わると聞き、しぶしぶ旅立ちを承諾する。だが、実際にミロスマルとエミヴァウが帰って来たのは、4カ月もたってからだった。やっと戻った息子たちを力いっぱい抱きしめながら、安堵の涙を流すエレーナ。いっぽう、息子たちをツアーに出したことを激しく後悔していたフランシスコは、約束を破ったミランダに対し、抑えようのない怒りをぶつける。
 それ以来、フランシスコは、自分で子供たちのエージェントをつとめようと奮闘するが、何のコネもない彼には、ラジオののど自慢のブッキングさえままならない。そんなとき、フランシスコはミランダと再会する。ミランダは、前回のツアーのことを謝罪。子供たちの将来のために、もう一度チャンスをくれとフランシスコを説得する。その真摯な態度に心を打たれたフランシスコとエレーナは、週に一度必ず連絡を入れることを条件に、ミロスマルとエミヴァウを再びツアーに送り出すことにした。
 かくして始まった二度目の演奏ツアー。きちんと約束を守るようになったミランダの保護のもと、祭りや広場で歌うことに慣れていったミロスマルとエミヴァウは、音楽で人々を楽しませることを、自分たち自身も楽しむようになっていく。訪れる町の数が増えるごとに、たくましく成長していくふたり。最初のツアーではホームシックにかかったエミヴァウも、今回は、別人のようにくったくのない笑顔を見せていた。だが、そんな彼の身に、ある日突然、思いがけない悲劇がふりかかる……。

スタッフ

監督:ブレノ・シウヴェイラ
音楽:カエターノ・ヴェローゾ

キャスト

アンジェロ・アントニオ
ジラ・パエス
マルシオ・キエリング
ティアゴ・メンドゥーサ

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