原題:Everything Is Illuminated

すべてのモノには、存在する意味がある

2005年9月16日全米公開

2005年アメリカ映画/2006年日本公開作品/105分/6巻/2877m/SRD/ ビスタビジョン・サイズ/日本語字幕: 伊原奈津子 配給:ワーナー・ブラザース

2007年07月13日よりDVDリリース 2006年11月03日よりDVDリリース 2006年4月29日(祝)よりシネマスクエアとうきゅう、アミューズCQNにてロードショー

(C) 2005 Warner Bros. Entertainment Inc.

公開初日 2006/04/29

配給会社名 0085

解説


一枚の写真がきっかけでウクライナへ。それは、とてつもなく難解な”探しもの”の旅だった–。

家族に関する”もの”をコレクションし続ける収集家ジョナサンをウクライナで待っていたのは、インチキ英語を駆使する通訳兼ガイド、目が見えないと主張するドライバーとその盲導犬……そして、旅の最後に明らかになる驚くべき”真実”とは……? イライジャ・ウッドがあなたをいざなう、”もの”が導くハートウォーミング・ロードムービー。

 私たちは日々、たくさんの情報を吸収し、それと同じぐらい多くの物事を忘れてしまっている。忘れたいことを忘れるのはかまわないけれど、忘れたくないことまで忘れてしまうのは人生が空虚になりそうで、怖い。そんなときに、“物”は過去の記憶を喚起してくれるから頼りになる。ユダヤ系アメリカ人青年ジョナサンにとってのそれは、祖母の入れ歯、兄が使い捨てたコンドーム、弟が使っていた歯列矯正器具、父が捨てた何かのチケットの半券、母のくれた1ドル札、そして祖父が遺したバッタ入りのペンダントヘッドといった、人から見たらなんの役にも立たないガラクタたち。ジョナサンはそれらをジプロックに入れ、壁に貼り付け、眺め、彼らに想いを馳せている。

そこに新たに加わったのが、祖母が息をひきとる間際に渡してくれた、祖父と謎の女性が一緒に写った写真。そこに書かれた「アウグスチーネとトラキムブロドにて」という文字を頼りに、ジョナサンは、今は亡き祖父の祖国であるウクライナへと向かう。

 果てしなく続く青い空と緑の大地が美しいウクライナ。ジョナサンはその地を旅することで、さまざまな人や”物”に出会うことになる。旅の同行者は“史跡巡り”と称して、“ユダヤ人の祖先探し業”を営む怪しい家族?? ちょっと間違った解釈でアメリカ文化にかぶれ、インチキ英語を駆使するウクライナ人青年のアレックスと、目が見えるくせに、目が見えないと言い張りながら、車を運転する彼の祖父、そしてサミー・デイビス Jr. Jr.と名付けられたやたらと吠える犬??

 英語とウクライナ語による、ときにかみあわない3人(+一匹)の会話の妙。日本ではまだあまりなじみのない、ウクライナという舞台設定の新鮮さ。アウグスチーネとトラキムブロドを探す謎解きの要素。文化や価値観が違う者同士の間に芽生える友情。そして旅の終わりに、原題の“illuminated (・・・に(説明[解釈]の)光明を投ずる、明らかにする、解明する)”が示唆するように、彼らはすべての物事には裏側に意味があることに気づく。ジョナサンの場合は、自分が“物”を集める理由に気づいたときに、集めた“物”よりも大切な“本当の自分”を発見する。そう、これは祖父の祖国の旅を通した、自分探しの旅なのだ。

 ユダヤ系アメリカ人青年のジョナサンを演じるのは、イライジャ・ウッド。、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズに続く主演となる本作では、人に対する愛情を持っていながら、それをうまく表現できない内向性が収集癖として表れているユニークなキャラクターを繊細に演じている。また、ジョナサンと共に旅をすることで、自分の祖先と祖国がたどった歴史を知ることになるアレックスに扮するのは、自身も18歳でウクライナからアメリカにやってきた移民であるユージーン・ハッツ。ニューヨークでゴーゴル・ボーデロというロマ(ジプシー)・パンク・ロック・バンドのメンバーとして活躍している彼は、ミュージシャンならではの強烈な個性と存在感を発揮。アレックスの祖父を演じたボリス・レスキンは日本ではほぼ無名のロシア系アメリカ人俳優だが、旅が進むにつれて過去の記憶をさかのぼり、口調も表情も劇的に変化していく姿を、味わい深く表現している。

 脚本・監督は、これが第一作となるリーブ・シュライバー。『スクリーム』シリーズや、ブロードウェーの舞台で俳優として活躍してきたが、原作に惚れ込み自ら映画化権を買い取り、映画化を実現した。原作は、ジョナサン・サフラン・フォアが2002年、24歳で発表したデビュー作にしてベストセラー小説『エブリシング・イズ・イルミネイテッド』。そしてエネルギッシュでどこかユーモラスな、ロマ(ジプシー)・ミュージックがふんだんに使われているのも大きな魅力である。また、ウクライナの田舎にほぼそっくりということで、撮影場所に選ばれたプラハ周辺の美しい田園風景を映像に収めたのは、ダーレン・アロノフスキー作品で知られるマシュー・リバティーク, A.S.C.。小麦畑と青い空のコントラストのなかを走るオンボロカーや、満点の星空の下での野宿、ひまわり畑とはためくシーツに囲まれた一軒家と言った色鮮やかで印象的な光景も本作の影の主役である。
 ユニークなキャラクターが織りなす、ロード・ムービーの魅力がつまったこの作品。見終えたときにはきっと、誰もが自分の大事な“物”について思いを巡らしたくなるはずだ。

ストーリー





 ユダヤ系アメリカ人の青年ジョナサン(イライジャ・ウッド)は、病床の祖母が死ぬ間際、すでに他界している祖父サフランが青年期に見知らぬ女性と一緒に写っているセピア色の写真を渡された。裏には「アウグスチーネとトラキムブロドにて」とメモ書きされている。ジョナサンの趣味は、自分の家族にまつわる想い出の“物”のコレクション。部屋の壁一面には、家族の顔写真ごとに、無数のジプロックが貼られている。祖父、サフラン・フォアの写真の下にあるのはたったひとつのジプロック。その中身は、バッタが透けて見えるペンダントヘッド。写真の女性アウグスチーネの胸元にも、同じ物が見える。父の命の恩人だというその女性が何者かを知るために、そして彼女に恩返しをするために、ジョナサンはソ連時代の古い地図を片手に、祖父の生まれ故郷であるウクライナへと向かう。
 ウクライナに降り立ったジョナサンを“ジョナフェン”と呼んで出迎えた通訳兼ガイドは、アメリカ文化が大好きな都会っ子のアレックス(ユージーン・ハッツ)と、目が見えるくせに見えないと言いはりながら車を運転する彼の祖父、そして彼の“盲導犬”サミー・デイビス Jr. Jr. 。彼の一族は戦争が終わった1950年から“史跡巡り”を家業に、ユダヤ人の祖先捜しを支援してきたのだ。
 性格も生まれ育った背景も価値観も異なる3人(と一匹)の、60年前に製造されたオンボロの車トラバントでの、“難い人探しの旅”が始まった。英語しか話せない生真面目なジョナサン、英語がまったく話せない偏屈者の祖父、ロシア訛りでときおりヘンな文法や単語を使うが、臆さず英語を話すアレックスとの会話はもちろん噛み合わないこともしばしば。しかし、最初は嫌々ながら運転手を務めていた祖父は、サフランとアウグスチーネの写真を見て以来、ジョナサンの旅に協力的になる。かつてあった村“トラキムブロド”を探し、ウクライナの美しい田舎道を走り続けて3日目、彼らはひまわり畑の一軒の家にたどり着く。そこには老嬢リスタが1人で暮らしており、彼女の部屋には膨大な箱に入れられたある物がコレクションされていた。そして、ジョナサンとアレックスはそれぞれの祖父の物語を知り、お互いが深い部分で繋がっていることを知るーー。

スタッフ

リーブ・シュライバー (監督/脚本)
マーク・タートルトーブ (製作)
ピーター・サラフ (製作)
マシュー・スティルマン (製作総指揮)
ジョナサン・サフラン・フォア (原作)
マシュー・リバティーク、A.S.C. (撮影)
クレイグ・マッケイ (編集)
アンドリュー・マーカス (編集)
マーク・ジェラハティ (美術)
マイケル・クランシー (衣装)
ブーン・ナー/デイビッド・オールズベリー (アニマル・トレーナー)

キャスト

イライジャ・ウッド (ジョナサン)
ユージーン・ハッツ (アレックス)
ボリス・レスキン (祖父)
ラリッサ・ローレット (リスタ)

LINK

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