フラガール
原題:Hula Girls
炭鉱の危機に立ち上がれ! 愛と勇気のエンタテインメントショー
米アカデミー賞最優秀外国語映画賞部門、日本代表作品 第11回プサン国際映画祭正式出品作品 トロント国際映画祭正式出品作品 第30回日本アカデミー賞最優秀作品賞、最優秀監督賞、最優秀助演女優賞、最優秀脚本賞、話題賞受賞
2006年/日本/カラー/120分/ 配給:シネカノン
2008年02月08日よりDVDリリース 2007年03月16日よりDVDリリース 2006年9月23日(土)よりシネカノン有楽町、渋谷アミューズCQN、 シネマスクエアとうきゅう、シネ・リーブル池袋ほか全国一斉ロードショー!
(C)2006 BLACK DIAMONDS
公開初日 2006/09/23
配給会社名 0034
解説
40年の時を越え語られる奇跡の実話。
人生には降りられない舞台がある——
まちのため、家族のため、友のため、そして自分の人生のために、少女たちはフラダンスに挑む
昭和40年、本州最大の炭鉱・常磐炭鉱では大幅な人員削減が迫り、かつての基幹産業としての隆盛は見る影もなくなっていた。そんなまちを救うため、この北国に”楽園ハワイ”を作り上げるという起死回生の一大プロジェクトが持ち上がる。目玉はフラダンスショー。盆踊りしか知らない炭鉱娘にフラダンスを教えるため、東京からダンス教師が呼び寄せられた。元花形ダンサーで気位の高いその女性は、最初は炭鉱や素人の炭鉱娘たちを馬鹿にするが、やがて少女たちのひたむきな熱意に、忘れかけていた情熱を再燃させる。ひとりひとり厳しい現実を抱えながらも、炭鉱娘たちは友情を支えに強く美しくフラダンスの真髄を体の中に染み込ませていく。そして——。
常磐ハワイアンセンター(現・スパリゾートハワイアンズ)の誕生を支えた人々の奇跡の実話、感動の映画化!
3ヶ月の猛特訓を積んだ迫真のダンス
主演は松雪泰子。演じるのは、かつてSKD(松竹歌劇団)で活躍したこともあり、ハワイでフラダンスを習ったという触れ込みで、東京からダンスを教えに来る平山まどか役。鼻持ちならない”東京の女”が、踊りに熱中する少女たちと接するうちに、激しくも懐の深い教師へと変貌していく。その大きな変化を、松雪は実に見事に演じきっているが、特筆すべきは、誰もいない練習教室で踊るタヒチアンダンスの圧倒的な迫力だ。松雪が3ヶ月にわたる猛特訓を重ねた、その成果がここに結実している。また、まどか先生の粋な60年代ファッションとヘアスタイルも要注目。おしゃれとは無縁のすすけた炭鉱町を、『奥さまは魔女』のサマンサ・スタイルで闊歩し、居酒屋で酒をあおる姿が、かっこいい。炭鉱娘たちにとって、こんなに洗練された女性が教えてくれるものだからこそ、フラダンスへの熱意はさらに増すのだった。
そして、蒼井優を筆頭に、炭鉱に咲く花となるフラガールたちを演じる面々もまた、厳しい特訓に耐えて、華やかな踊りを披露。本作が本格的映画女優デビューになる南海キャンディーズ・”しずちゃん”こと山崎静代の、個性光るフラと演技にもご注目!
若き才能、李相日監督が引き出す女優たちの魅力
妻夫木聡と安藤政信(『69 sixty nine』)、オダギリジョーと加瀬亮(『スクラップ・ヘブン』)など、これまで李相日監督は男たちの演出に才能を発揮してきた。その監督が初めて女性たちを正面から描くことに挑戦したのが、本作だ。松雪康子、蒼井優、富司純子という各世代を代表する3女優の、強さも弱さもあわせもつさまざまな魅力を引き出したばかりか、新人映画女優・山崎静代(南海キャンディーズ・しずちゃん)にも実にのびのびと演技させている。これら女優たちを脇で強力にサポートするのは、豊川悦司、高橋克実、岸部一徳ら、実力派男優の面々。彼らキャストが一丸となって、すたれゆく炭鉱のまちの再生と、その陰で時代の波に揺さぶられた男たちの悲哀を、生き生きと物語っていくのだ。
超一流のスタッフが集結
昭和40年のすすけた炭鉱のまちと華やかなフラの世界の対比を’銀残し’という現像法で味わいと奥行きを出しつつ鮮やかに撮影したのは、『パッチギ!』『THE JUNON〜呪怨〜』などで世界から注目される山本英夫。そして、炭住(炭鉱住宅)からオープン当時のハワイアンセンターまで、ディテールのひとつひとつにこだわって作り上げたのは、『いま、会いに行きます』や『THE 有頂天ホテル』などの日本映画のみならず『キル・ビル vol.1』でハリウッドにも進出した若き映画美術の巨匠、種田陽平。音楽は、1976年ホノルル生まれで全米ワールド・ミュージック・チャートにもランクインした”スーパー・ウクレレスト”、ジェイク・シマブクロ。彼は今回はじめて映画音楽のオファーを快諾した。これら超一流のスタッフが集結して、いま空前のブームを迎えているフラの、日本における創世記をりりしく美しく誕生させたのだ。
ストーリー
昭和40年、福島県いわき市の炭鉱町。”求む、ハワイアンダンサー”の貼り紙を見せながらここから抜け出す最初で最後のチャンスだと、早苗(徳永えり)は紀美子(蒼井優)を誘う。男たちは、数世紀前から炭坑夫として、女達も選炭婦として、働いてきた。だが今や石炭から石油へとエネルギー革命が押し寄せ、閉山が相次いでいる。この危機を救う為に炭坑会社が構想したのが、レジャー施設「常磐ハワイアンセンター」だった。
紀美子の母・千代(富司純子)も兄・洋二郎(豊川悦司)も炭鉱で働いている。父は落盤事故で亡くなった。母は「百年も続いたウジの炭鉱は天皇陛下までご視察にいらしたヤマだぞ」と自慢し、炭鉱を閉じて”ハワイ”を作る話に大反対。それでも紀美子と早苗はフラダンサーの説明会に出かける。ほかの娘たちは、初めて見るフラダンスの映像に「ケツ振れねえ」「ヘソ丸見えでねえか」と逃げ出してしまう。残ったのは、紀美子と早苗、それに会社の庶務係で子持ちの初子(池津祥子)だけだった。そこに、ひときわ大柄な女の子、小百合(山崎静代・南海キャンディーズ・しずちゃん)が父親に連れられてくる。
娘達にフラダンスを仕込むために、ハワイアンセンターの吉本部長(岸部一徳)は東京から平山まどか先生(松雪泰子)を招く。本場ハワイでフラダンスを習い、SKD(松竹歌劇団)で踊っていたダンサーだ。最初は田舎町を軽蔑し、ど素人の娘たちに踊りを教える意欲もないまどか先生だったが、紀美子たちの熱心さに次第に真剣になっていくのだった・・。
スタッフ
監督:李相日
製作:李鳳宇、河合洋、細野義朗
プロデューサー:石原仁美
企画:石原仁美
脚本:李相日、羽原大介
撮影:山本英夫
美術:種田陽平
編集:今井剛
音楽:ジェイク・シマブクロ
照明:小野晃
録音:白取貢
キャスト
松雪康子
豊川悦司
蒼井優
山崎静代(南海キャンディーズ・しずちゃん)
池津祥子
徳永えり
三宅弘城
寺島進
志賀勝
高橋克実
岸部一徳
富司純子
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